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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
新章 三幕 ドライアド ~番人に守られる国~
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少年、行かない理由

今回は、旬がその人物が気付いた時

すぐ帰った理由は・・?

旬は来た道から、旧王宮通りの先にあるエミルの家を目指していた


無言の旬を見てウッズが声をかける


「旬、今日は何ッスか・・えらく、自分に隠しごとが多すぎッス」


すると、旬はピタっと立ち止まって


振り返る


「そうじゃないんだよ。別に隠しているわけでもないしヴァロが言っていた

人物・・俺の知り合いだと気付いたんだよ」


そこには、苦笑いをしている旬がいた


「知り合いッスか・・!じゃ、すぐにでも」


行こうっと口に出そうとするウッズに


旬はウッズに笑いかける


「・・ああ、でも、今日は行かないよ。」


「なんでッス?」


どうして行かないのか?っという不思議そうにしている


ウッズにラミアはハァっとため息を吐く


「そりゃ、うちらも疲労しているということや。

 そんな状態で人探しに行ってみると・・危ないんや」


ラミアも疲労が出ているのか、疲れているようだ


すると・・ピンっとその反応で気付いたのか


自分たちの状態に。


「そうッスね。それは、自分も賛成するッス

 でも、いいッスか?待ちぼうけさせてしまうッスよ?」


「いいんだよ。強いし。放っておいても。」


ツンっとつれない旬


そのいつもは言わない旬の何気に酷・・というか酷過ぎる発言に

ウッズは思わず・・。


「なんか、容赦ないッスよ」


すると、アニマは・・フフっと笑って


「ごしゅじんにとってしんらいできるあいてだからな」


アニマはうなずいている


「そうそう。うちらとは違う・・絆があるからなぁ」


ラミア達とは違う・・絆?


その言葉にウッズはよく理解できないのか


「・・?よく分からないッスよ」


「いずれ分かるわ。きっとな」


茶目っぽくにっこりと笑うラミア


それをみて・・なんとなくこれ以上教えてくれないのを分かったのか


「仕方ないッス。いずれなら待つッス」


あいからず外野は納得しているようだけど


実は、俺・・少しどころかかなり怒っているだよね。これ。


まさか・・なんてね


わざわざこちらから出向いてくれればいいものを


なんか知らないけど、謎めいた演出をするし、しかも


先に行っているって・・なんで、俺がこの国にいることを知っているだよ!!


ここなりや自棄だ。自棄。


明日になればどーせ、会えるし


今日は疲労を癒して寝よう・・。


疲れ気味な旬たちは、歩いていると・・エミルの家の前に着いた


そこには・・・


「あ、旬・・・良かった!」


そこにはエミル君の家の前で待っていた


俺達の方に駆け寄ってくるエミル


「エミルはん、待っていてくれたんか」


「は・・はいですぅ。そのぉ、大丈夫だったですか?」


なんだか情動不審・・・だね。


無理もない・・か。


「ああ。大丈夫だよ。」


すると、ホッとした顔をしていた


そういえば・・先に戻ったからなぁ


あれから何も言わなかったのか・・館長(ジェイド)さんは。


「よ、良かったぁ。あの後、館長先生に怒られているのかと

 不安で不安でしたぁ。」


そこには、なんだか考える話・・。


普通なら簡単だが・・まぁ、俺達は少しどころかかなり特殊な話だからなぁ


「うちらは、特に怒られなかったしな。目的のものは手に入ったし」


ラミアは自信満々に誇り高そうだ


まぁ・・確かに目的のモノは手に入ったけど


それ以上に疲れたんだようなぁ・・これが。


そして、エミル君はニコニコ顔になって


どうやら安心したせいかニコニコ顔になるらしぃ。


「そうですかぁ、良かったですぅ。そうだ、今日は夕飯はおじいちゃんが

 特製ビーフシチューを作ってくれたんですよ。トロトロしておいしい

 ですよぉ」


「そか、それは嬉しいわ」


「あにま、おなかすいたぁ」


「自分もッス。あー、たらふく食うッス」


「ふふっ、さぁ、早く入ってください」


俺達はエミル君の家に入った


その日の夜は、おいしいく夕飯をいただいた


トロトロな牛肉の煮込み具合がなんともいえない。


それぞれが夕食を食べているのに・・・。


ただ、あいからず・・・マリンちゃんはいなかった。


なぜ、いないのかと聞けば


まだ・・眠っているようだと。


なぜ、眠ることが必要なのかは分からない


それにはきっと・・・。


けど・・仕方ないか。


聞きたいことがあったけどね


「あー、おいしかったわ」


ラミアはニッコリっとお腹をさする。


それをみたウェインは後片付けをしながら


ラミア達に話す


「ほぉ、よく食べるのぉ。作るものに感服じゃ」


「そりゃ、うちは大食いやからな」


すると・・ニヤリっと笑った


ラミアの腹を見て・・それはもう面白そうに笑って


「それはそれは、驚くものじゃ・・ダイエットせんでええのかの?」


その言葉にラミアはギッとを見て


「(こんのじじいがぁぁぁ。)失礼やな。うちはそこまで太っておらへんのやで?というか、そろそろ気にしろや、健康。」


心の中で、じじい扱いするラミア


そして毒を吐くラミア


その言葉にまたもや反応するウェイン


そして、ラミアを睨みつける


「ほぉ、よーゆうわい。太りそうな肉つきをしとるくせに」


バチバチっとラミアとウェインから視線から火花が見えた・・


そんな会話をしているさんとラミアを見て


案外、仲が良いのかもしれないっと旬は思った


しかし、内容が白熱がするにしたがって


エミル君は軽くスルーして


「おじいちゃんとラミアさんがあの調子なので、旬たちは

 お風呂に入ってくださいです」


お風呂の催促するエミル


それを聞いたウッズが、旬とアニマを誘う


「旬、アニマ、お風呂にいこうッス。自分には無理ッス」


あからさま無理、無理っと仲裁をしないウッズ


「そ、そうだね。」


確かに・・俺もしたくない


「はくねつにみずがないしなー。あにまもちゅうさいめんどい」


後ろでは、白熱もとい、毒舌が続く


「あんだと!こんのぉ、じじいがぁぁぁ」


「なにいわすか!小娘ぇぇぇぇ!!」


そういう喧嘩の仲裁するのがめんどくなったのか


そこに二人を残して風呂に向かった


旬達


その後、俺はウッズさんとアニマでお風呂に入りにいった


お風呂は普通に大きな大浴場のようだった


軽く、10人は一気に入れそうな浴場に俺と、アニマ、ウッズさんと入る


もちろん、身体を洗ってね。


お風呂の基本だよ、基本。


お風呂の温度は、適度でいい湯だ


「やはり、いいッスな。お風呂」


「あにまも、しあわせだー」


「俺もだよ・・ったく、なんで白熱するのかな?」


ため息を吐く旬


先ほどのラミア達の会話に疲れる旬


「きっと、似たモノ同士だからじゃないッスか?」


「ウェインさんとラミアが?」


あれが、似ているの?


「まさか、にていないぞ?」


アニマはありえないぞっと口にだす。


すると、ウッズはいやいやっと口にだす


「いやいや、きつ~い、毒舌っぷりは似ているッスよ?

 しかも、喰えない所も。」

 

確かに、なんか似ているだよなあの二人


だから、か。


同属嫌悪ってやつ?


気にくわないから・・かな?


そんな考えをしていた余所に次の話題へと変わる


「それより、旬。自分、今ままで気になっていたッスけど

 どんな旅をしてきたんッスか?」


そう聞かれると・・・・。


ふと、懐かしくなる


ウッズさんにも話してもいいだろうね・・。


旬は・・自分の旅を少しだけウッズに話しをしだした


「ああ・・そうだね。俺は・・海の向こうの国々を旅をしてきたんだ。

 ある時は、クランティア王国での事件に遭遇、召喚士村での召喚獣との

 戦いに遭遇最終的にはグランドクロスで大きな出来事に遭遇してきたよ」


なんだか、考えていると、どんどん事が大きくなってきたような・・。


「なんか、段々・・すごいことになってきたッスね」


確かに、俺ですらそう思っているし。


だけどもね・・俺は一度だって・・。


「あはは・・でも、一度も後悔したことはないよ。

 これからも俺は前を見て動くし戦う。

 それだけだよ」


そう後悔はしない。


必ずしも後悔をしても戻ることはできないから。


「辛くないッスか?」


「・・・・そうだね。俺も、辛くなるよ・・でも、皆がいるから

 もちろん、ウッズさんを含めて・・ね!」


そう・・辛い思いはしてきたけど


でも・・・ウッズさんを含めて


共にいる仲間がいるから・・!


「・・は、恥ずかしいことをいうッスな。旬は」


なんだか、頬が赤い


ふぅ・・俺の方もなんだか恥ずかしくなってきた


のぼせないうちに・・あがろう。


「ははっ。じゃぁ、先にあがるよ。俺もさっさと寝たいだよねぇ」


「ああ、いいッスよ。のぼせないようにッス」


「はいはい。」


旬があがったのをみて・・ウッズは横でふよふよっと泳ぐアニマに問う


「アニマもそうッスか?」


ふよふよっと器用に浮いているアニマにウッズは問いかけた


「そうだよ。あにまもごしゅじんとながーい、たびをしていたからな

 ・・・だいじょうぶさ、ふあんにならなくても」


「・・どうしてッスか?」


ウッズは・・・なんだか、不安そうだ


しかし、アニマはニッと笑って


ふよふよ浮きながら


「だって、みんながいれば・・ひとりじゃないだろ?

 だから、さびしくもないしかなしくもない。

 いずれ、うっずだってだれよりもつよくなれるさ

 ・・あにまたちがいっしょだとな。」


その言葉に・・改めて勇気が貰えたのか・・。


「そうッスね。なんか、旬たちと一緒にいると・・・自分も

 強くなれるような気がするッス。」


「な。」


ニヒヒっと笑うアニマ


それをみて・・ウッズも同じように笑ったのだった


                 ***



「はぁ・・幸せっと・・俺は寝ようかな?」


一人のんびりっと歩いている旬


あー、恥ずかしい


なんか、恥ずかしい


色々、はずいことを言った俺!!


はぁ・・涼しいよ・・この部屋の気温が・・。


スゥーっとそのちょうどいい涼しさの中、自分の部屋まで歩いていると


「あ、旬お兄ちゃん。」


ふと、呼びとめる声がした


旬が振り向くと・・そこには・・。


「マリンちゃん・・起きていて大丈夫なの?」


マリンがいた。


深い・・青の瞳が・・・。


「うん。お兄ちゃん・・マリンは、大丈夫だよ

 それより、お兄ちゃんの方が・・()()()なの」


「・・・!」


マリンがニコっと笑っていた


旬は・・なぜか、その瞳から逸らすことができなかったのだった

次回、マリンちゃんの出番です

お楽しみに!

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