表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
新章 三幕 ドライアド ~番人に守られる国~
382/485

少年、猫とアイス

今回は、依頼終了後の話


俺たちは、依頼が終わり


現在、夕暮れの旧王宮通りを歩いている


それぞれが依頼について話をしている最中だった。


「気付けば、もう夕方ッスね。一応、これって依頼完了って奴ッスか?」


「そうだね。明日、依頼人にスカーフ、そして白い影のことだけど」


「ああ・・召喚獣のことは伏せておいた方がええと思うわ。」


「自分も同感ッス。」


「あにまも、あのしょうかんじゅうはじゆうをこのんでいるからな

 しらせないほうがいいとおもうぞ」


もっともなことだ


召喚獣があの王宮にいる


極秘情報だし、どちらにしろあの召喚獣は


自由を好み、人からの支配を望んでいないようだ


「そうしたほうがいいね。白い影のことはカーテン、もしくは・・・ 

 見間違い、幻で済ませよう」


「そうッスね。何やら痛いッス」


「なら、あの絵のことは?」


「絵は対してそこまで酷くならんはずや。」


「・・・そうだね、絵は聞いてみよう。きっと、何かいい情報を教えてくれるかも」


実にいえば、絵の方は重要性はあるが


かなり、気になっていた方なんだ。


あの人・・もしかしたら何か知っているかもしれないし。


「そうしたほうがいいッスよ」


そんな感じで依頼の話を終えたら・・それぞれが疲れた顔をしている


「・・・とはいえ、なんか疲れたな・・ねぇ、帰りに何か買って帰ろうよ」


その提案に、ラミアはニッコリっと笑って


「なら、ジュースでも奢ったるわ。」


「ほんと!?」


気前のよく、ラミアは奢ると言ってくれた。


「当たり前や。アイスでもええけど」


「じゃ、あいすがいい!!」


アニマは、あいす、あいすっと連呼している


「俺もアイスでもいいかな。でもジュースも捨てたがい」


アイス・・いや、ジュース?


悩んでいる旬の横でウッズはさっさと決める


「自分は、ジュースッス。」


「ほな、中央通りにいくか」


ラミアの奢りで中央通りに向かう旬たち


その後、うんうん悩んだ結果


俺は今・・アイスを食べている


この世界もやはり、バニラ味がある


向こうの世界のバニラよりも高級感があって甘い


「「おいしいー」」


旬とアニマは幸せそうにアイスを舐めている


ラミアとウッズはジュースを飲んでいる


ちなみに、町の露店で買ったものだ


ウッズとラミアはフレッシュジュースを飲んで


「ふぅ、おいしいッス・・しっかし、大変だったッス。

 世の中ギルドってあんなに仕事するッスね」


「まぁ、確かに。でも、そこが面白いところやな

 勉強になるわ」


「そうッスね。自分もッス」


「ごしゅじん、あいすおいしいねー」


「うん、にしても今日は大変だったな・・仕事・・。」


時の図書館では落ちるし・・。


廃墟の王宮では、召喚獣が何気に出会うし


オマケに知り合いの何年か前なのか分からない絵をみては


驚愕する・・なんていうか・・。


色々あって疲れた。


気付けば夕方で、もうすぐ夜だ


「旬、そろそろ行こうッス。」


「そうやな。うちも疲れたわ」


どうやらそろそろエミル君の家に行くようだ


「あ、ごしゅじん、いそいでたべるぞー」


「そうだね」


アイスが溶ける前に、旬たちは急いで食べる


「ふぅ、じゃ、いこうか」


「うん」


アイスを食べ終わった旬とアニマは、ラミアたちの所へと走る


「さてと、そろそろ帰らないとあかんな。遺跡のことは明日や」


「そうッスね。自分も・・体力限界ッス」


それぞれから疲労を感じ取れられる


旬もエミルの家に帰ろうろすると


後ろから・・。


「あー、旬じゃないかにゃ」


呼びとめられる


「ん?」


「あんさんは・・・。」


そこには、買い物袋を持っているヴァロ


「昨日ぶりにゃ。依頼ありがとうにゃ」


猫又のような・・いや獣人のヴァロだ。


「ヴァロだっけ・・こんなところでなにしてんの?」


「夕飯の買いだしにゃん。」


「ああ、夕飯か、しっかり買い込んでいるなぁ」


ヴァロが持っている袋の中は大量の食糧が入っている


「これは、おみゃーらのおかげにゃん。ニャンゴロー薬品店は

 おかげさまで大繁盛にゃん。今は、店じまいしているにゃん

 ちょっと、寄ってけにゃんよ」


どうやら俺達を誘っているようだ


「どうする?」


「ついていこう。どうせ、他にすることないし」


「暇だしな」


という暇だと理由でヴァロの店である


中央通りにあるニャンゴロー薬品店へと入る旬達


あいからず、店の中は奇妙な薬品と薬草の臭いがプンプンしている店だ


そこで、改めてヴァロは笑う


「いやー、おかげで助かっているにゃん。大量のチラシ、ポスターのおかげで

 売れる、売れる・・これで、今月は貧乏生活しなくてすみそうだニャン

 改めてありがとうにゃん」


「それは・・良かったね。というか」


「そやそや、結局、あんさんに入れ知恵したのは誰や?」


「普通に疑問ッス!!」


「そうだー、そうだー」


それぞれの野次にヴァロは早速、冷や汗が出る


「お、教えないにゃん。企業の秘密にゃ。」


ダラダラっと早速冷汗を掻いている


「なーんか、怪しいッスね。本当に何者なんっすか」


「ヴァロは猫族にゃ」


そうドンっと胸を叩く


へぇ・・これは初めて知った


「猫族だったんだ。そりゃ、そうか。猫だもんね。」


「猫族だけど、猫じゃないにゃ!」


「でも、見た目猫やないか」


うんうんっとうなずく面々


そうそう、見た目は、猫がいきなり立ち上がって


歩いているという印象でしかない


むしろ、姿や形は、猫だ


「猫でも獣人にゃん!」


ムキーっと怒るヴァロ


「あ、そうだったッスか。」


「それは、驚いた。ちょっと、予想はしていたけど」


旬の一言にヴァロはシャーっと怒る


「わっしをからかうなにゃ!!」


シャーっと爪先を見せて威嚇するのをみて


「ははっ、ごめんごめん」


「ひぃ、び、びっくりするッス」


旬は笑顔で謝るが、ウッズは少しビビったようだ


「まぁいいにゃ・・他にも、色んな種族がいるにゃ。世界は広いにゃよ?」


その言葉に・・確かに


世界は広いから様々な種族がいてもおかしくない


そういえば・・・クランティア王国の獣人って・・?


「そりゃ、そうだろうね。ちなみに、クランティアは獣人はなに系?」


「さぁ、狼系やないんか?金色に光るし。瞳がぴかぁーっとな。」


なるほど・・狼系か。


たしかに、ジンは狼だったし・・クランティア王国も獣人が多いからなぁ


「あ、獣人ってクランティア王国にもいるッスか。見てみたいッス」


「俺の知り合いに、獣人がいるよ。いつか会えるよ」


「そうだなー、あにまもけっこうなかよしだぞー」


そんな会話をしている旬たち・・わきあいしている


そんな時・・ヴァロがふんふんっと旬のバックから何か


臭いがしたのか


「ん?」


「んん?」


「どうしたの?」


バックの傍で、フンフンと臭いをかいでいる


ヴァロに旬は問いかける


「旬、おみゃーから強烈な薬品の臭いがするにゃ」


どうやら、俺のバックの中に入れている


失敗作の栄養剤に反応したようだ


「ああ。俺、よく薬品を調合するのが最近の趣味になったんだよ

 失敗作ばかりだけど見る?」


実にいえば・・あんまり出来栄えはよくない。


「いいのかにゃ?」


「もちろん。でも、あまり期待しないでよ?」


すると、旬はバックから出したのは


「うわっ。どす緑・・なんていうか、本当に失敗作ッスね」


いかにも失敗作ですという感じの薬品だ


ほとんどは、栄養剤ばかりだ。


「なかなか、成功しとらんのやな・・失敗作の山やな」


ラミアは驚いている


その失敗作の山を見て


「すごいなー、あんなやくひんがはいっていたのかー?」


「うん。栄養剤なかなか、成功しないだよね。

 与えているけど失敗作だからあんまり効果ないのかな?

 とか思ってしまうよ」


出来立ての栄養剤を俺のリンゴにやるが


イマイチどうなのか分からない


しかし、リンゴがすくすくっと少しずつだが大きくなっているので

多少は効果があるかもしれない。


しかし、ヴァロの瞳は・・キラリっと鋭く光る


一品、一品を見極めながら、ヴァロの瞳はキラキラっとしているのだ


「・・・これ買い取りたいにゃん!」


そういって栄養剤を全部眺めて、旬に買い取りを申し出した


「駄目だよ。失敗作の栄養剤だよ?」


「そやそや、失敗作って価値ないんやで?」


「そうッスよー」


すると、ヴァロはそれは違うにゃんっと口に出して


「実はそうでもないニャン。中には、とんでもない効能がついたモノがあるにゃん

 それは、多様ニャン」


「嘘や。」


ラミアはありえないと・・・言う


しかし、現にヴァロは、その俺の失敗の栄養剤を見て


効能の方に目をつけているようだ


「効能があるの?これ。」


すると、ヴァロは任せろって解説を始めた


「見たところかなりの魔力を入れすぎによる失敗作にゃん。だけど、おもったより

 この栄養剤の効能は入れすぎによって生じた結果、強力な魔法の薬品になって

 いるにゃん・・もはや、これは栄養剤というか攻撃に使えるシロモノにゃ」


「・・・あ、そうなんか」


納得しているラミア、しかしウッズは心配そうになる


「ってか、そんなの与えて大丈夫ッスか。リンゴの木に。」


「そ、そうだよ。俺、知らなかった・・大丈夫なの?」


というか、現在、与えすぎているだよね


だ、大丈夫かな?


「大丈夫にゃ。栄養剤の効能もあるにゃ。ただ、強くなりそうにゃ

 その育てた木。”攻撃力”があがりそうにゃ。」


「どんな木や!!食べられるんか!それ!?」


ラミアはツツコミをする


「攻撃力・・色々、パンチありそうッス。」


ウッズは何気に困惑している。


「おいしそうだろうかなー?」


アニマはリンゴの木を食べる予定だったみたいだ。


しかし、確かに俺の育てたリンゴの木・・ちなみに、本当にリンゴの木なのか

不明だけど・・でも、なんか心配になる。


リンゴの木・・大丈夫か!?


「ほかにもあるのか?えいようざいにかぎらず・・しっぱいさくの

 こうのう。」


アニマの問いに、ヴァロはうなずく


「これだけは言っておくにゃ。失敗作の栄養剤だけではなく

 失敗の中には、強力な攻撃に使えたり、中には稀に

 回復もできる失敗作もあるにゃ」


効能も様々か


ただ、栄養剤にも効能によっては攻撃にも使えるところがすごい


「へぇー、それはすごいな」


「そうッスな。」


ラミアとウッズはどうやら関心している


「けど、それは稀にゃ。回復に至っては・・・ふんふん

 それに、おみゃー?」


また何かあるのか旬のバックをフンフンっとかいでいる


「何?まだ何かあるの?」


そこには・・珍しく神妙な顔をしたヴァロが旬を見ている


「もうひとつ・・特別な匂いがするにゃ。

 臭いではなく・・匂いにゃ。」


臭いではなく・・匂い?


「どういうことや?匂い?」


「そうにゃ。今までにもない強力で優しい匂いにゃ。

 おみゃー、最近何か成功したのかにゃ?」


あ、もしかして


「これのこと・・?」


旬はバッグから水色の透明な色をした瓶を出す


それを見たヴァロは驚いた顔をする


「旬、おみゃー・・これを成功させたのか!?」


それは・・旬が偶然にも成功させた


浄化の聖水・・だった。


それを見てヴァロは旬の肩をギリギリっと掴んだ


「痛いって」


「ご、ごめんにゃ。」


ヴァロはすぐ離れる


「どうしたんや?いきなり。」


「そうッスよ。」


「・・・すまないにゃ。旬・・おみゃーなら託せるかもしれん。」


「託せる?」


すると・・ヴァロは・・今までにもない真剣な瞳になるのだった。

次回、真剣な顔をした訳は・・?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ