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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
新章 間章 ~飛行船ヴェリタス~
339/485

少年、打ち勝つ一歩

今回は・・?

俺はあれから、飛行船内をアニマと探索することにしたんだ。


なんていうか・・うん、アニマが怖かったというのは内緒だよ・・内緒。


あんなに・・なんていうか本当になんていえばいいか分からなかった。


だから、よく分からなくて頭がごちゃっとする前に・・。


俺は気晴らしに探索することにしたんだ。


てな、訳で・・現在は、飛行船内を少し紹介だね。


まず、俺達の休憩所があって、その隣の隣には会議室があり、そして食堂

がある。


で、ここになぜか・・2階があって・・まぁ、操縦室やら色々部屋がある

みたい


そして、さらに上に・・ま、まぁ・・・機関室があるようだ


といっても案内図で書かれているからはっきりしたことは分からない


そう、俺は、今その案内図を見ている


もちろん、隣にはアニマがいる


「これ・・本当に飛行船?なんていうか・・すごいよ

 ・・・部屋数が普通にありえないよ。」


普通の飛行船ってこんなに広いっけ?


本当にありえないね。


どうなっているだろう・・っと思う


「ほんとうだなー。よくこんなくうかんをつくることができたことが

 あにま、すごいとおもう。」


確かに、常識を逸脱しているね。この飛行船。


よく、落ちないなーとか思うよ。


「さてと、どこにいこうかな?」


案内図を見ながら、どこに行こうかと考えていると


「らみあたちのところにいこうよ。ここからまっすぐいくと

 たんれんじょがあるんだ」


た・・鍛練所!?


「へっ・・そんなのまであるんだ・・本当に広いね。

 ・・・この飛行船。」


本当になんだろう・・この飛行船。


旬は現実から逃避したくなる一方だった。


旬とアニマは、ラミア達のいる鍛練所へと向かうと・・。


ガチン、ガチンっと音がした


「どうやら、音がするね。」


「ほんとうだー。なぁなぁ、ここ開けてみようよ」


「邪魔にならない程度にね。」


その鍛練所を開ける旬と・・アニマ


しかし・・そこで見たのは


ナイフを持って何やら、ニコニコ・・というか怖い


ラミアと・・肝心のウッズさんは・・。


「あーウッズさんが屍だね」


死んだように倒れているウッズ


しかし、ピクリっと動き・・目からは汗?っぽい涙を流している


それもしょっぱすぎる涙だ。


ラミアは鬼のように叫ぶ


「こら、しっかりせんかい!こんな、ヤワでは魔獣や怪獣

 召喚獣には対抗できへんでぇー」


ラミアがうがーっと叫んでいる


俺は思わずツツコミをする


「・・なんで、獣限定!?」


なぜ、人間は入っていないの!?


旬の素朴な疑問を外に・・。


ウッズは・・怯えているのか・・


「ひぃぃ・・・・ッス。もう・・ダメ・・ッス」


パタリっと倒れこむ


「こらー寝るな!!」


「ねていない・・・っす」


しかし、起き上がれないのか・・気絶しようとする一方だ。


もし、俺がウッズさんの立場なら・・逃げたいと思うだろう。


ラミアは・・フッと笑って


「・・・・ふっ。必殺、死者の目覚めー!」


ラミアの渾身の一撃により・・・。


「ぐぁぁぁぁ、め・・目が、さ、覚めたっすぅぅぅ」


ガバっと起き上がるウッズ


しかし、ラミアはニッと笑った


「ひぃ・・」


ウッズさんは怯えている。


しかし、ラミアは・・・俺たちが来ているのに気付いている


でも、ウッズさんんはどうやら・・気付いていない。


それどころか・・・。


ん?っと旬は気付いた


ユラリっとラミアの空気が・・。


今・・ラミアの纏う空気が変わった・・!?


「ほぉ、さぁ・・次や。」


ラミアは・・スッとナイフを持って

ウッズに向ける


それは、どこか・・・恐怖を与える


「・・・ヒッ」


こんなラミアを見たことないのか


そのギラリっと光るナイフを自分に向けられて・・動けない


それはどこまでも光って・・怖い。


その様子をみた旬は・・。


ウッズさんの底にある恐怖


つまり、そう人の纏うオーラ、そしてその瞳に・・。


ウッズさんは・・蛇に睨まれた蛙のように動かない


「・・・怖がる必要性はあるかもしれん。けど、大事なことは・・一つ。

 ・・・恐怖に打ち勝つことや。今ある恐怖の上にさらなる恐怖が必要や。」


「・・・!」


ウッズは信じられない顔をしている。


俺も分かる気がする


恐怖は誰でもあるんだ


その恐れ


ラミアがジリジリっと近づくと


ウッズさんは、下がる


もちろん、俺は下がることもなく


アニマも下がらない


俺はそのウッズさんの様子を見ているだけ。


もちろん、助けることすらできやしない。


恐怖は自分で打ち勝てなければ・・前に進めない。



「・・どうして・・自分にこんなことを・・!」


ウッズは震えながら後ろへと下がる


すると・・ラミアはポッリっと呟いた


「・・・うちは、最初に超えた恐怖は、この”殺気”や。

 そして、次に超えたのは・・この”刃”や。」


ラミアはギラリっと光るナイフに触れる


「・・・!」


「死の瞬間は、あっという間。それならば、恐怖に打ち勝ち

 動ける人間の方がええ。その方が・・まだええんや。」


死ぬのは本当に一瞬だ。


分からないだけじゃすまない。


その言葉でもウッズはすくみあげる


「・・・ラ・・ラミアさん・・自分・・は・・

 怖くて・・む・・無理ッス・・!

 動けない・・ッス」


ウッズは涙目だ。


怖くて・・恐ろしいだろう。


俺までも伝わるこの声


恐怖で震えた・・声だ。


しかし、ラミアは辛辣に断言する。


「・・・できる、できないは関係あらへん。

 ・・あんさんがこの先、生き残る最後の術や

 ・・その為に壁を越えて・・そして壊すんや。」


ラミアは、知っている


誰よりも孤児として生きて


そして荒波を越えて


今がある自分を誇りに思っている。


だから、ウッズの超える壁にも気付いて


そして・・・前に進めと勇気づけられる


「ラ・・・ラミアさん」


「・・・あんさん自身・・負けとうなかったら

 ・・うちに殺す気で全力でかかってこんかい!!

 あんさんならいける・・さぁ、こいや!」


「・・・は・・はいッス!!」


ウッズは、泣くのをやめて・・動く


ラミアは容赦なくウッズに技をたたきこむ


ウッズは痛いと泣いても・・それでも立ちあがり


ラミアに挑む


その様子をみていたアニマは・・。


「・・うっずはおそらくつよくなるぞ」


アニマはそう言った


「・・・わかるの?」


旬がそう聞くと・・アニマは悪戯っぽい顔をして


「どりょくはてんさいをりょうがさせる。

 てんさいにもまけないちからになる。」


「そうだね。」


天才は素晴らしい才能の一つだ。


でも、努力はそれ以上だ。


何者にも負けない努力はその人を強くさせ


そして、目標へと進んでくれる


ウッズさんは・・まさにそれだろう。


「負けないッスー!」


一生懸命に前に進む・・ウッズさんに・・俺は・・。


「・・・ここはじゃまになりそうだ。ごしゅじん、いこう」


「あ・・・」


旬は一瞬、ラミアとウッズを見た


真剣でそして・・その上にいこうとする姿をみて


俺も立ち止まってはいられないと思った


「・・そうだね。邪魔したら・・悪いね。」


俺も皆を守りたい


ラミアやアニマ、ウッズさんたちを悲しませたりしたくない


だから今まで以上にそれ以上に強くならなきゃ


よし!

俺も、ガンバロー!!


そう決心をしてラミアたちの鍛練場を後にした。


次回、操縦室~一気にこの飛行船の秘密に聞いて

アルカとの話です。

では、お楽しみに

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