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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
新章 間章 ~飛行船ヴェリタス~
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少年、飛行船”ヴェリタス”

さぁ、新章が始まりました。

今回は、新キャラが登場です。

俺は新しい世界へと旅立っていく


そこは、苦難であるけれど、苦しいこともあるけれど


どこか希望がみえたんだよ


だから、信じることにした


色んな不安があるけど


大丈夫だと・・そう思えた


さぁ、一歩、踏み出して行こうよ


もっと遠くて果てしない旅のために


俺の物語は・・また始まる。


                   ***


目の前の人物に旬達は目を離せなかった


というか、新たな仲間が旬たちに力になってくれるのだ


その人は・・どこか、人のよい


不思議な人だった


「お待ちしていましたよ。」


ニッコリと笑って旬たちを歓迎する


「はじめまして。エルレイド社の社長をしています。

 アルカ・エルレイドと申します」


なんていうか、さわやかなタイプだね


うん、裏表もなさそうだ。


「はじめまして。旬です」


「ラミアや。」


「アニマだよ」


「ウッズッス」


それぞれの自己紹介にアルカはニッコリと笑って


「よろしくお願いしますね。私は運営責任者なので

 皆さま方の足を引っ張らないようにします。

 他にも乗務員やらいるのですが皆、操縦など忙しいので

 私が代表で代わりにあいさつを申し上げます。」


旬はそこれ・・アレっと思った


どうして社長さんがこの飛行船に乗っているだろう・・?


旬は素朴な疑問を感じた


「えっと・・あの、社長さんが運営責任なんでしているの?」


そう聞くと、アルカはコクリっとうなずいて


「エルレイド社は、まだ小さな航空会社な訳でね。

 それに、シュネーの国の方はお得い様なんですよ。

 聖女様からの要請ですしね。喜んでやっています。」


「はぁ・・。」


「社長はんなのに大変やな」


「すごいッス。幅広いッスね」


「すごーい」


それぞれ嬉しそうにこたえる


なんていうか、かなりできる人みたいだね。


ラミアは最新設備の壁をバンバンっと叩く


それも遠慮なく叩くのだ


「だけど、すごいな。こんなに最新設備やろ?

 ええんか?ウチらのような人間にやすやすとなぁ?

 あんた社長はんやろ?見知らぬうちらに

 そんな最新設備を見せてええんか?」


ラミアがそう挑発的に言うと


「ちょ・・ラミア」


旬があせると・・・アルカは真っすぐにラミアに笑みを浮かべる


「構いません。貴方がたの支援できることは我々としても

 これからの事業の進化につながります。それに、私は

 貴方がたの方がお偉い方を相手するよりマシのマシです。

 肩が凝るものでね。」


なんていうかこの人は・・。


色々な意味で・・面白い人だ。


「はぁ・・大変ッスね。」


ウッズは何気に同情気味だ


しかし、ラミアは・・目を細めて


「ええんか?見返りはないかもしれへんで?」


ラミアの言葉に・・ウッズはハッとしている


「そうッスよ。そういうのって、後々に面倒になるッスよ?」


その言葉にアルカは安心させるように笑って


「ええ。もちろんです。我々にしてもエルレイド社の最新設備は

 シュネーや諸国やらが助けてくれて開発ができたもので

 これは恩返しのようなモノです。」


そのお人よしオーラーに・・。


旬は・・。


「うわぁ・・・。」


ここまでなんか、キラキラな瞳で自慢気で言われると


奉仕精神が強いというか・・なんていうか


大丈夫なんだろうか・・この社長さん


その旬が何気に心配していると


後ろではコソコソっとラミアとウッズ、アニマが話をしている


(このかいしゃだいじょうぶなのかー?)


アニマが心配そうに聞くとウッズがコソコソっと・・。


(多分大丈夫ッス・・心配するかもしれないッス。

 エルレイド社は小さくても信頼は№1ッス)


(それだけでも、心配というか危機感だくわ。

 社長はん人が良すぎて騙されるか心配するわ。)


ヒソヒソっと話をしているラミアたちに対して


何気に失礼だよ・・ラミア、アニマ、ウッズさん。


旬は呆れている


アルカは?っと顔になって・・。


「あの・・何の話を・・?」


旬は苦笑いになりながら


「あははっ・・気にしないでください。」


まさか、ここまで心配されているとは・・


エルレイドの社長さんって・・・。


しかし、アルカは嬉しそうに笑って


「ふふっ。愉快な仲間達ですね。」


「はぁ・・それはどうも。」


旬は、その朗らかな笑顔に少し・・笑みを返す


「ところで、行き先は西の国と言っていたね

 国境を越えてからだから、3日かかるかな。」


「ああ、そうなんですか?」


国境を越えてから・・・3日もかかるんだ。


それでも、速いかもしれないね。


歩くだけでもかなりかかりそうだ


「そうだよ。だからゆっくりと旅を楽しんでくれるとうれしいね」


朗らかに笑われると・・うん、ラミア達の気持ち分かるね


なんていうか・・いい人すぎて騙されないかどうか心配する


ニコニコ朗らか青年オーラ。


エルレイド社の”善意”かもしれない。


だからこそ、心配するね・・色々と。


「あの、西の国はどんな国なんですか・・?」


すると・・アルカは顎を弄りながら


「西の国は、知識と精霊の住まう国だよ。

 国の名前は・・”ドライアド”」


すると・・旬は呟く


「精霊・・!?」


「精霊の国・・”ドライアド”・・番人に守られる国ッスね」


ドライアドの話題に出すとウッズが会話に参加してきたのだ


「ああ。西の国は知識の国である番人が知識だけではなく

 精霊を使役しているという噂でね」


「ほぉ、それは面白い情報やな」


ラミアやアニマも会話に参加してきたのだ


「すごいなーあにまもみてみたい」


精霊を使役・・?


これまた、新情報だ・・!


「その番人さんに俺・・会ってみたい。」


会ってみたい・・なんだか、神秘的な匂いを感じ取った旬は


瞳をキラキラさせる


だが、アルカは難しい顔をして


「会えるかどうかもわかりはしないんですよ」


「えっ・・・どうして?」


アルカは・・それはもう何か考えているのか・・。


「番人に守られている国と言われているけど、

 番人は人に姿を現さないですよ。」


「どういうことや?」


「これも噂だけど・・番人は人ではないからだよ。」


「・・・!」


人ではない・・。


「つまり、人外ってことッスね」


「精霊に使役できる人やからな。人外はありえるわ。」


ラミアたちの言葉


そして、アルカは・・問いかける


「・・噂程度でしかないんだそれでも君は会いたいのかい?」


会えるかどうかわからない


でも、決めたから行くよ。


「はい。俺、知りたいことがあるし。それに、会えなくても

 構わない。」


「どうして?君が知っていることすら教えてくれるだろうに?」


アルカさんにそう聞かれると俺は口元に笑みを浮かべた


「真相を知るのは自分の力が時に必要になるから。

 人が伝えるよりも自分から進んで調べた方が

 ・・より真実へと近づける・・俺は、そう思います。」


すると、ラミアもニッと笑う


「うちもや。旬に着いていくだけの価値はあるからな

 情報は自分から調べてなんぼや。」


「あにまもーそういうのだいすきー。」


アニマも同様に嬉しそうだ


「という訳で自分もッス。自分の目で確かめた方が

 よりいいッスからね」


アルカは・・その旬達を見て


とても嬉しそうに笑って


「うん。合格だ。」


そう言ったのだ


「へっ・・合格?」


旬はマヌケな顔になる。


何、合格って?


「なんや。試していたんか?」


「ひどいよー」


「ひ、ひどいッス」


アニマとウッズが非難する


「ごめんごめん」


アルカは旬達に謝る


「何か事情でもあるんですね?」


旬がそう問うと・・すると、アルカは腕を組んで


「私は君たち自身がどのような人物なのかは分からない

 だからこそ、少しだけ問いかけたんだ。

 どんな人物か知るために・・結果。

 君たちの言葉を聞いて信じられる。恐れることもなく

 前に進める力は素晴らしい。私は君たちが気に入ったよ」


確かに一理あるな。


口では恩とか言っていたけど


実際には、なんだかモヤモヤとか色んな感情があるんだと

旬は感じ取った


でも、アルカさんは俺達を認めてくれた


今までにもない笑顔でアルカは、旬たちにニッコリっと笑って


「改めて、この飛行船の名は”ヴェリタス”

 誰よりも速く、鋭く、吹雪や嵐にも負けない飛行船だ。

 どうぞ、これから末永く頼むよ。」


それは、後に俺たちの力強い味方になる


アルカさんとの出会いだった。


彼は、旬を試した理由は、この人達と世界を旅を共にしても

大丈夫だろうか?という不安があったわけです。

しかし、旬たちの真っすぐでどこか純粋で

自分と似たところがあると感じた彼は、旬を認めました

次回は、旬と例のあの本のお話です。

お楽しみに

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