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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
第3章 ~人形王女~
33/485

少年、神聖なる儀式の果て

さぁ、33話目です

そろそろ、アリア編は終わりますね

あと2話ぐらいで・・では

どうぞ・・。

俺の目に飛び込んだのはすべてが真っ白な世界

誰にも染めることのできない世界

そう、俺は真実を知るのだ

すべてをね・・。

だからこそ、困る

真っ白な世界には何もない

そう、何も無いのだ

だから、怖い

なぜか、分かる?

それはね、簡単なこと

何も無い世界にいることが恐怖だからだ

色があれば恐怖は無い

でも・・無いから怖い

ははっ・・笑えるだろう?

俺は、怖がりなのさ

もし、俺一人だったら

何もできやしない

そして・・。

試されるのさ・・・

                   *****



真っ白な世界には、俺とアリア

二人だけ


「・・・。」

「・・・。」


沈黙が痛い

それは、そうかもしれない

なぜなら、疑問があるからだ

アリアは、なぜ

この場所を知っていたのだろう・・?

疑問だけが・・ただ残るのだ


「ねぇ、アリア」

「・・・。」


「どうして、君はこの場所を知っているの?」

「・・・。」


「あの~」


「・・・。」


どうやら、この手の質問は答える気はないようだ

俺はハァっとため息を吐き

仕方がない

俺は、周りの観察をすることにした


しかしまぁ

白いな・・この空間


「この空間・・何もないね」


すると、アリアは俺を見上げて


「・・ええ、だけど、いるのよ」


どうやら、この話には答える気があるようだ

しかも、いるって・・何!?


「え・・。」

「今は見えない・・なぜなら、その能力が働いているから」

「能力・・?」

「・・・。」


真っ白な部屋は無音だ。

何も感じない

果てがあるのかも分かりはしない

アリアは、ジッとその白い部屋を見て

懐から何かを出す

それは、チャリーンっと音がした


「これは・・?」

「・・。」


そう、アリアが出したのは懐中時計だ。

不思議なデザインをしている。

バラを鎖のように閉じ込められた懐中時計

赤い血のようにな色に気味悪いはずなのに

なぜか・・俺はその懐中時計に魅入られたのだ


アリアは、その時計を開けて旬に見せる


「・・針が・・。」


その時計は、あるべきものがなかった

そう、あるべきものとは・・。


「・・針がないよ・・?」

そう、針だ。

時間を示すものがないとすると・・。


「壊れているの?」


と聴くと、ふるふると首を振って


「これは、特別なモノなのよ」


特別・・?

「・・?」

不思議に思っていると


「知らないのなら、教えてあげる」


アリアは、説明する

その時計のことを簡単に・・。

チャラチャラっと金属音がするなか


「・・これは、“時時計”秘宝のひとつよ。」


「秘宝・・でも、針がないよ?」


「そう設計され造られた業物だから仕方ないこと」


「設計・・か。」


変なモノを造っただね・・その人

俺には、わからないよ・・。

しかし、まぁ・・業物ねぇ・・。

確かに、見た目からして神秘的だ。


アリアは、俺の様子を見て

ポッリっと話し出す


「本当は、これを見せるわけにはいかなかった

 けど、貴方をみて考えが変わった」


「え・・。」

アリアはその時計を左へと右へと降らす

すると、その時計を揺らすと


グニャリっと何かが曲がる音がした


「な・・。」


急に、空間が歪み出した

俺は戸惑っているとアリアは平然として


「大丈夫」

「で・・でも」

「大丈夫・・。」


俺に、そう・・言い続けるのだ彼女は・・。


「あなたは事実に背を向けることがないのなら

 怖がることはない。」


「・・。」

空間は揺れるだけだ


「・・俺を、真実に導くの?」


すると、アリアは口元を釣りあげて


「そう・・分かっているのなら

 それならば、決心がつくはず・・もう・・私には

 覚悟はできている・・それだけのこと」


覚悟・・か。

そして、彼女はスゥっと息を吸った

その途端、世界が・・反転する。


「・・何を・・。」


アリアはその懐中時計を下へと向け

目を瞑る

まるで・・神聖なる儀式のように・・。

すると、何かが始まるように

アリアの身体は浮く


「真実の姿よ・・我の前に示せ。時よ、我を導け」


アリアが小さな声が呪文の詠唱を始める

すると、カッと音を立てそれは現れた

真っ白な世界はやがて、色が鮮やかになる

俺は、その鮮やかな色になる瞬間を見たのだ


それは、始まりの場所だったのだ

俺が最初にアリアと出会った・・場所。


「な・・これ、始まりの場所じゃ・・。」


すると、アリアは首を横に振り


「いいえ、ここは、終わりの場所。始まりとは似て非になる世界」

「・・・。」


先ほどの俺が最初にいた所だよね・・。

でも、始まりの場所とは違うのは

未来・現在・過去の時計が止まっているのだ

それどころか針がない。動きもしない停滞しているのだ


それは、確かに終わりだ。


「でも、どうして・・。」

「・・時は、嘘をつかない。」

「え・・。」


何を言っているの・・・

それを聞こうとしたとたん

アリアは、ピクリっと反応して


「アリア・・?」

「来る・・!!」


何かを感じ取ったかのようにアリアは、俺を引っ張る

その途端、感じたのだ・・邪悪なる気を。

俺は、ハッとして、前を見る

前には、何かが迫っている


「な・・闇!?」


それは、大きな闇が旬達に迫っていたのだ

「ど、どうしよう」


すると、アリアはわかっていたかのようにいつのまにか

杖を握っている

そして、タンっと音を立て


「させない・・あなたの思惑には」


すると、陣が浮かびあがり俺達を守る

その途端、闇は引く


「・・な、なんなの?この闇・・意思を持っている・・?」


すると、アリアがキッと闇を睨みつける

その闇が何なのか知っているかのように


「ソリドゥス、いるのでしょ?」

「・・・。」


すると、闇は一箇所に集まり

そして、人の姿になる


「・・・。」


闇の化身へと化した青年

怪しく微笑んで

俺達を誘うように

笑うその姿

それは・・。

初めて邂逅した姿より

凶悪的な印象を植えつける

姿だったのだ・・。




闇の化身と化したソリドゥス

彼はこれからどうなってしまうのでしょ?

次回・・必見です。

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