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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
新章 二幕  ~ギルド協会の緩い糸と王宮の衝突~
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少年、旬の決意

旬の決意編です。

では、どうぞ

「旬・・どういうことや?」


ラミアが聞いてきたのだ


俺が次にすべきこと


それは・・この国を去り


新たな国に行くことだ。


・・・それも西の国へ


「・・・驚異は去った。俺が次にすべきことのために

 動くんだよ。ラミア。」


そう・・次だ。


驚異去ったからこそ・・次に動かなければならない


「つぎ?」


コテリっとアニマが首を傾ける


それは・・このシュネーを去り、続けていなかった


旅を再び始めること


「またたびをするのか?」


アニマが聞いてきた


俺はうなずいた


「うん・・・。名残惜しいけど。」


そう名残惜しい


でも・・行かなければならない


「追うんか?国落としのことを?」


もちろん、追う

奴が何を企んでいるのか・・気になるが


今は、それとは・・別の目的がある


「それは追々だよ・・俺は、どうしても知りたいことは別にあるから」


「・・何ッス?知りたいこと?」


俺は簡潔に言う


俺の目的は・・・。


「歴史だよ」


「歴史?」


コクンっと頷いた


今のレオさんの話を聞いて


ますます・・知らなければならなくなったのだ



「・・・国落としのことだけじゃない・・この国、この世界

 すべてのことを知る必要性があるんだよ。もちろん、ラミアの

 調べたいことも」


その言葉にラミアもそうか・・っと声をだし


どうやら納得してくれたようだ


「なるほどな。うちが調べたいこともそのひとつになるということか

 ・・ここにはそれほどの情報はなかったしな。」


そのラミアの言葉に少しだけ安心した


反対されたらどうしようかと思っていたことだ。


しかし・・ウッズだけは違った


「旬は・・行ってしまうんッスね」


すると、俺は・・・嘘は言わないから


それも・・決断したことを曲げることなどできやしない


「・・ごめんね。俺もこの国が好きだよ。でも、ここに留まっている

 場合じゃないんだよ。俺は・・行かなければならないんだ」


「・・そうだった・・ッスね・・・ごめんッス。

 少し、時間が欲しいッス」


立ち去ったウッズの後ろ姿を眺めたラミアが


旬に聞く


それも・・心配そうに・・。


「決めていたんか?旬?」


そこには、すでに覚悟を決めた旬がいた。


目を伏せているのだ。


そして・・・どこか遠い瞳をしている


「・・うすうすとはね。いずれ、千里たちを探しにいかなければ

 ならなかったから。どちらにしろ・・いつかは去る必要性が

 あったんだ。」


そう、千里のことも気になっていたんだ。


この世界のどこかにいる親友達を探さないといけない・・。


ラミアは瞳をパチクリとして


「・・・千里はんたちもこの世界に・・?」


そういえば・・ラミアたちには千里たちのことを

教えていなかったよね・・。


「うん。断言はできないけど・・おそらくは。」


すると・・ラミアは腕を組んで


ふむふむっと声をだした


「千里はんたちも一緒にこの世界にきていたんか。

 なら・・仕方ないかもしれんな・・それともう一つ・・

 何かあるな?」


ラミアも、フゥっとため息をついて


旬に問う


すると・・旬は・・。


「・・・もしかしたら、だけど・・この世界には・・俺と同じような

 人達が迷い込んでいるかもしれない」


そう・・これは確信に似たこと


「な・・!?」


ラミアは驚愕の瞳になる


「ほんとうなのか?」


アニマは信じられない顔をしている。


「・・・うん、先ほどのウッズさんの父親の件といい

 なんだか、俺意外にも多いじゃないかと思う。」


そう、イオリ・シルフィード


おそらくは・・俺と同じく日本人だ。


そして、この国に溶け込んだ人だ。


俺の推測は・・おそらくあたっている。


「迷い込んだ人々は何も俺たちだけじゃない。

 様々な用途を探るためには・・」


「歴史を探る・・そういうことやな?」


ご名答。


さすが、ラミアってことか・・。


「うん。あの時は、あまり歴史のことを触れることはなかった

 だけど、今回は違う」


「・・・。」


俺は・・前までは分からなかった真意を問わなれけば

ならない。


どうして・・ってね。


「俺たちがなぜ、この世界に呼ばれたのか?

 そもそも、なぜ・・俺たちのような存在がいるのか?

 それを知らないといけないから・・もちろん、俺の力のこともね。」


そう・・俺は、今まで謎に思えていたのだ


なぜ、力を使えるのか?


俺が子供になった理由・・。


いろんな意味で謎があるんだ・・。


「・・そやな。あんさんたちの秘密を知るのはうちも興味あるわ

 けど・・ええのか?ウッズ・・あいつ、寂しそうやったで?」


「・・・仕方ないんだよ。俺だって寂しいよ、でも・・行かなきゃ。」


寂しいけど・・


これも、運命・・と割り切るしかないかな・・。


「ごしゅじん・・・あにまは、ごしゅじんのみかただよ!!」


アニマは、旬を見ている


旬は、アニマの頭を撫でる


「ありがとう。アニマ」


その旬の様子を見ていたラミアは・・フッと笑って


「それもしゃーないか・・・旬がそこまでいうならうちはもう

 何もいわん・・旬、用意ができたら。聖女・・ロザさんの所へいくで?」


ラミアは、これ以上何も言う気はなさそうだ


「え・・どうして?」


いきなり、ロザの所へ行くことになった旬


「なんか、旬に話があるようやで?」


「話?」


ロザさん・・


「うん・・確か、王の間前の廊下・・イドの木の入口で待っているようやわ。」


「ああ・・王の間の前の廊下ね・・でも、王の間はいいの?」


「ああ・・今、あそこは立ち入り禁止や。」


「・・なんで?」


「ほら、色々あったからな。」


な、なるほど


確かに・・戦闘後とか色々あるようだし


修復が大変そうだ・・。


「あ・・なるほど。」


納得していると、ラミアは・・さらなる笑みを浮かべて


「よし、ほな行くか。」


ズルズルっと引っ張られる旬


「う・・うんでも・・言うよ・・ひっぱらないでぇぇ。」


旬はラミアによって引っ張られる


アニマは、そんな二人を見て


「あ、まって、ごしゅじーん」


後、追うことにした。


                    ***


王宮では、今までみたことがないほど、たくさんの人が行き来い

していた。


「すごいね」


「そやろ?うちも驚いたわ。意外と仕事しやすい所かもな。

 思ったよりな」


王宮関係者が仕事をしっかりしている所をみて


この国は・・機能しているんだなぁ・・っと感じる


「確かに、俺もそう思うよ。」


忙しく行き来いをしている王宮を真っ直ぐと進む


そして・・やがては、人が少なくなる


なぜなら、王の間の廊下だからだ


真っ直ぐ行けば、王の間


左に曲がれば・・イドの木


そこには、騎士、二人が待ち構えていた


もちろん、王の間の方もそのイドの木がある方も同様に騎士が厳重に守っていた


どうやら、王の間には方には行けない・・イドの木の方も・・だ。


だけど、ラミアは、騎士に問う


「なぁ、聖女はんに言われてきた者やけど

 イドの木はこっちでええんやな?」


そう聞くと・・騎士は肯定する


「はい、そうです。聖女様もお待ちです

 お入り、ください。」


どうやら、通してくれようだ。


左の方の道は、とりあいず通れるようだ


「そか。ありがとな。旬、アニマ、行くで?」


「うん。」


「わかったー。」


旬とアニマは・・。


イドの木がある場所へと歩く


やがて・・扉が見えた


「ここやな。」


ラミアが扉を開けると・・


そこには・・たくさんの陣があった


よくわからない文字で形成された陣だ


これは・・・魔法陣・・だね。


「ほぉ、これは驚いたわ。魔法陣たくさんあるなぁ」


ラミアは感嘆する。


「すごいね・・こんなに、魔法陣があるとは・・。」


しかし、俺としては驚くばかりだ。


すると、アニマは嬉しそうな顔をして


「あ、これはてんいのじんだ」


「転移の陣?」


「うん、あらゆるばしょへとてんいしてくれるんだよ

 まほうをつかうひとならできるんだよ」


旬はまじまじっと改めて見る


「へぇ・・・さすがだね・・さてと、どの陣だ?」


陣が5つもあるので・・わかりにくい


どれが入口なのか・・わからない


「そやな・・ほんまにどないしようか?」


「大丈夫よ。私が案内するわぁ~」


すると・・後ろから声がした


「ぎゃっ。びっくりさせんなや」


アニマは心臓を抑えた


「ロザさん。」


「旬君。待っていたわ~」


ロザさんがにっこりと笑った


当然、ヴェールを被っているから声しかわからな・・・い


い・・いや・・今・・・・背景のバラが見えた


「ろ・・ロザさん?あいからず・・背景の薔薇が・・。」


「ウフフ。」


すると、ラミアは胡散臭そうに目を細めて


「・・あんた、営業用にせんでええわ

 通常通りの聖女の顔でいけや」


その辛辣で容赦ないラミアの言葉に・・あらあらっと声を出して


「・・・あら、残念」


「あんたにはよぉ~騙されたからな。

 今更、遠慮している場合やないもん」


「フフッ」


そこには背景バラが消えていたのだ


なに、自由自在に出せるの!?


すると・・そんな驚愕な旬の前に・・。


「うふふ、企業秘密よ?」


今、企業秘密って・・・


「・・・あんた、ほんまにええ性格しとるわ」


げんなりしているラミア


「うふふ・・じゃ、行きましょうか?」


「行くってどこへ?」


すると・・今まで、朗らかな雰囲気を持ったロザさんが


急に人が変わったかのように真面目になり


「イドの木よ・・そこならば、人払いもできる。

 ついでに、この魔法陣が全部、イドの木へと

 入ることができるわ。」


「え、そうなの?」


「それより、イドの木ってなんや?」


「・・・善悪の木よ。この国の守り神様の木。

 さぁ、行きましょう。あ、ちなみに全部の魔法陣は

 その入口だからどこを使っても大丈夫よ。」


ニコっと笑って

迷うこともなく足をすすめるのだ


5つあるうちの・・1つの転移の魔法陣に向かって


ロザが一つの魔法陣の所に乗ると・・・


シュッと音を立て消える


どうやら、そこが入口のようだ。


「じゃ、俺達も行こうか」


「そやな」


「あにまもいくー。」


それぞれの魔法陣に乗って


旬は・・思う


善悪の木か・・・どんなことが待っているやら

そう思いながら


旬たちは・・イドの木へと向かったのだった。

聖女との話・・さぁ、どうなるか?

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