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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
新章 二幕  ~ギルド協会の緩い糸と王宮の衝突~
315/485

少年、隠密騎士

今回はレオの記憶です。

では、どうぞ

それは、一つの口約束だが


忘れられない約束


”お願いできるね?”


それは、たった一つのお願いだった。


”分かったでありますよ。自分は隠密騎士・・約束は守るであります”


その言葉に・・公爵は寂しそうな顔をした


”この国の未来のために力を尽くしてくれてありがとう。”


ふるふるっと少年は首を横に振る


”いえ、自分はこの国が好きでありまして。今まで、どの国に 

 所属していても、この国以上に素晴らしい国はないでありますよ。”


そう、この国は・・どちらかといえば、王よりも

公爵家の方が権力が高い。


本物の王家は・・もしかしたら、公爵家じゃないかと

思ったことがある


しかし、公爵家はでしゃばることもなく


気さくな人たちばかりだった


そんな人だから仕えたいと思うだろう


”そうだね。そういってくれると嬉しい。”


にっこりと笑うが・・その顔は・・。


とてもじゃないが・・辛そうなのだ


”王は・・なんて言っていたでありますか?”


すると・・。


”王は・・もう長くないと言っていた。我々は・・その隙に

 つかれるかもしれない・・。”


起こることに何らかの危惧をしている公爵


そして・・レオは聞く


”・・・そんなに、重いのでありますか?”


その言葉にうなずく・・。


そう・・実は、王は・・ご病気で長くないという噂が出回っていた。


最初は・・嘘だと思ったが


どうやら・・・公爵家の顔をみるかぎり・・噂は

当たりのようだ。


”・・・。”


公爵様は・・・とても、悲しそうに痛ましいそうに


”私は公爵家としてできることはする。王が亡くなる前に

 我々でどうにか・・この国を安泰するしかない。

 その時は・・君にもお願いする。”


”その時は・・ですか・・現実になってほしくないでありますな。”


”すまない・・我が息子を頼む”


だけども・・自分はうなずく


”当たり前であります。”


”そうか。では・・よろしく頼む。”


しかし、それが現実になるとは・・。


もうすぐのことだった・・・。


                    ****



ウッズは信じらない顔をしていた。


「お・・隠密騎士・・?」


その言葉に反応するかのように、国落としは


あいからずにっこりと笑って


「ある国でそう呼ばれる騎士たちの集団に呼ばれる名さ。

 そいつらはどこの国にも所属しておらず・・謎が深い

 知らないのも無理も無い。あまり、知られていないのさ。

 どうしてかなぁ?」


知られていないという言葉に首をコテリっと傾ける


なんていうか・・・子供のようだ。


旬は・・・。


「隠密であるからじゃない?」


旬はそう半目で視線を向けると


国落としは何か納得したのか


「そうだねぇ・・さてと、基本、奴らはどこの国にも属していない

 つまり、僕のようなものさ・・犯罪者にもなれる集団に

 信じていいのかなぁ?」


そう嘲笑うかのように話す国落としに・・・。


心配になるウッズ


「・・レオ副長」


レオに視線を向ける


それは・・不安だ。


すると、レオは柔和に笑って


「大丈夫でありますよ。自分は・・この公爵家との契約があるので。

 味方であります。」


その言葉にピンっと反応する、ルリリ。


「味方・・・?じゃ、あなたは・・公爵家に雇われているというの?」


すると、うなずくレオ


「そうであります・・だから、警戒する必要性はないであります。

 さて・・国落とし、あんたは世界から指名手配及び、

 罪人としてあんたを捕らえるで・・あります」


キリっと弓を構える


狙いを外すつもりはないようだ。


むしろ、瞳には殺気が漂っている


「へぇ・・ふふっ。怖いなぁ・・・そんなに怖いと」


チャキっと銃をこちらに向ける


「僕の銃で・・遊んであげるよ?」


「・・。」


レオは平然としている

むしろ、銃扱いにはなれているのか・・。


それでも態勢を


まさに、一発即発だ。


旬は、ゴクリっと息をのんだ


国落としの方が早かった


「グラビドンマグナム」


すると、銃を撃たれると同時にキリっと音がたて


その途端、重力が支配される


それもかなり広範囲だ。


おそらく、俺たちにその攻撃が広がるかもしれない


しかし・・レオは叫ぶ


「スパイラルアーロー」


すると螺旋状になり鉛玉をそこに吸い込ませる

パチンっと音を立て消滅する


「す、すごい・・!」


まさか・・そこまで出来る人がいるなんて


この人・・見かけによらずに・・強い。


「さすが、隠密騎士の集団の中でも1、2を争う実力者だねぇ」


それでも尚のこと弓を構え


そして、ただ淡々として・・キリっと音をたて


「ありがとうであります。光栄ですな。」


それは、それで嬉しくなさそうだ・・


それを見て・・ぶっすぅ~っと頬をふくらませて


本当に仕草が子供だ。


「褒めていないけど・・僕もそろそろ帰りたいだよね~」


そういってどうやら帰りたそうな顔をしている


「帰る場所は、牢獄でありますよ?ジメジメしているでありますよ。」


キリっと弓を射る姿はすでに・・逃がさないという顔だ


「そうだ。てめぇの行き先は牢獄だぜ?」


剣を持って向けるラグナ


どうやら、怒気と憎悪は収まったが

逃がす気はないようだ


「そうそう。だから、観念しなさい」


ルリリは、拳をうならせる


「・・・そうね。観念するべきね。

 私が罪を償うならば・・あなたも、するべきだわ

 そして、それを返しなさい・・・後悔するわ。」


ロザの手から淡い光が漏れる


その様子を見ていた国落としは・・クスクスっと笑う


「観念しないし、牢獄にもいかない。

 ついでに、これは返さないよ。あの人の手土産だもの」


まるで無邪気に子供のように嫌というのだ


「へ、屁理屈な・・子供じゃあるまいし、これだけ

 包囲されているだから逃げ場などないわよ!?」


ルリリはそう怒鳴るが・・。


すると・・・フッと・・口元を釣り上げて


「そんなの、僕にはどうでもいいよ。

 包囲されようが僕には関係ない。

 ふふっ。」


その途端、国落としは何かを懐から取る


「な・・何を・・あなたは・・!?」


それは・・白い玉


「僕は、ここでお暇するね~。楽しかったよ。

 模擬人格とはいえ、面白い逸材に出会えた。」


にっこりと笑って


明らかにそれは・・旬を見ていた


「・・・!」


旬はその視線に気づいていた


しかし・・今の状態では何も言えなかった


「待てであります・・!!」


弓を放つがもう遅い


国落としはニッと笑って


目くらましとして何かを放り投げた


レオはハッとして


カッと発光弾か何かが・・光る


「しまった・・!!」


カッと音を立て国落としは消えた


そして・・国落としがいた場所には静寂が戻る


辺りには・・元の聖なる雰囲気が漂っていた


「・・なんだったの・・今のは・・?」


ルリリは、辺りを見渡すが・・静寂だけが

支配される


「ああ・・国落としが消えやがった。

 気配がもうねぇ」


ラグナはため息を吐く


「罪が消えましたね・・もう、この王宮から

 逃げたみたいですね」


ロザは・・その気配にも気づいているようだ


レオは、皆と同じくため息を吐いて


「おそらく、めくらましでありますな。

 全員、無事でありますかな?」


「あ・・はいッス。」


「それは、良かったでありますね。」



その途端、メキメキっと木がの蔓がでてきて


そこから、花びらと共に


ラミアとユラが姿を現す


「ラミア、参上や。」


「魔導師・・ユラ参上・・カナ。」


そういって遅い登場をしたのはラミアとユラだ


「あれ?ここにいるのは全員か?」


ラミアはコテリっと首を傾ける


どうやら、遅かったようだ


「そうでありますよ。遅かったでありますね。」


「あ、あんさん!!」


ラミアが警戒するが


「大丈夫だよ。ラミア、その人は敵じゃない。」


旬が脱力した身体のまま


ラミアに話す


ラミアは旬のその姿をみて慌てて駆けつける


「し・・旬!!あんさん・・大丈夫か!?」


「俺はいいけど・・ラミア、アニマを・・頼む・・ね」


そして・・俺は・・酷い疲れと安心に・・。


気絶した・・。


「あ・・・し・・・旬!!」


ラミアの声が聞こえたような気がした


そして他の皆の声も聞こえた


だけども・・俺には・・それ以上の意識を保つことが


できなかった。


そのあとのことは分からなかった。


国落としはどこに消えたのか


奴の呟いた言葉の意味


それを・・聞いてくれるのは・・。


また・・夢の中だ。


「あれ・・・また、この夢か。」


旬は起き上がる


気絶したと思えば・・・不思議な草原の前で目覚める


青空は見えるが灰色で


そして景色も灰色


色がない世界だ。


でも、色がないけど


安心できる不思議な場所


そして・・・気づけばそのとなりにいるのは・・。


「マッテイタヨ。」


ニッコリと口元が釣り上がる


「ああ・・また会えたね」


そして・・また出会えたのだった。


あの時の・・・不思議な人物に・・。


これは・・必然だと・・旬は実感したのだった。

さて、旬に出会った人物は何を話すのでしょうか?

そして・・?

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