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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
新章 二幕  ~ギルド協会の緩い糸と王宮の衝突~
312/485

少年、戦いの申し子

今回はルリリ視点とちょっとだけ旬視点も入れています。

ラミアは、神妙な顔をしてユラとある話をしていた


「あんさんが言っていた・・事を・・あれは、ほんまのことなんやな?」


すると・・ユラがコクリっとうなずいた


「魔導師は嘘をいうことないワ。とはいえ、今のワタシには

 何もメリットないもの・・。」


そこには・・どこか哀愁を持った

ユラの姿があった


ラミアは思い出す


あの空白に・・ユラは何を言ったのか


(ワタシたちの・・王宮の中に・・・裏切り者が混じっているコトヲ。

ソイツは、ずっとワタシたちだけじゃなく隊長に監視もしてイタ。)


そう・・・監視をしていた。


そして、王宮の中で混じっている裏切り者の正体


それは・・それで・・気になることばかりだった


ラミアは・・あの言葉の真意を問うことにした


「なんで・・・監視なんてしているんや。」


すると・・ユラの翡翠の瞳が揺れる


「・・・きっと、聖女の護衛だけではなく・・私達が

 何かをするのを見張っていたのでしょうね・・。」


「・・見張っていた・・?」


ユラは肯定する


「奴は金しか動かない、動けない。そんな協力関係が破綻すれば

 ・・・何をしでかすか・・わからナイと思う。

 もっとも、魔導師たちの洗脳が解けた今・・何をするかわからないワ」


「解けたのがわかるんか?」


ラミアの問いに・・・ユラは答える


なるほど・・旬たちが頑張ったんやな


けど・・。


「・・これでも魔導師の端くれだカラ・・奴は、私達に洗脳をかけるときに

 言ったわ・・薄気味悪い・・オッドアイを私達に向けて」


”君たちの願いは、私にとっても都合の良いことでね

 その願いのために・・君たちは、全力をもって

 敵を殲滅することだ”


「・・・都合の良いこと・・。」


なんや、都合の良いことって・・。


なにか・・嫌な予感がする


「裏切り者は、元々、そういうつもりでやったかもしれないし

 もっと、別の目的があったのカモしれないわ」


別の目的・・。


「もしかしたら、うちらは・・足止めに使われたということか?」


「・・・そうでしょうネ・・あなたの強さをみれば敵も

 多分、予想していたでショウ。」


足止めに使われたということは・・・奴は何か狙いがあったはずや


「・・・そやな。なぁ・・ユラはん」


ん?っと


「あんさんの魔法のことでお願いがあるんやけど?」


「えっ・・?」


ユラがパチパチっと瞬きをしていたのだった



             ****



ルリリは、闇から現れた人物を見た


その人は・・・シェリアさんだった


俺は治療を施しながら信じられないつもりでいた


「シェリア・・あんたが、聖女とラグナを傷つけたのね・・。」


「・・・。」


ルリリの激しい怒りを漏らす


しかし、シェリアは何も言わない


「答えなさい!!」


その強い闘気にシェリアは・・笑いが出る


「あははははっ。面白い。こんなことに本気になるなんて

 滑稽だ。」


クスクスっと笑う姿に・・ルリリはイラっときたのか


「あんた、いい加減にしなさいよ・・」


ぎりっと拳を握る


「いい加減にするって?それは、こっちのセリフだよ。

 もう少しで聖女とその剣閃にトドメを刺すところだったのに

 邪魔をしてくれたものだ」


その瞳は・・狂気


それを見たルリリは・・


シェリアの言葉に唇を噛み締める


「・・・!」


「まさか・・シェリアさん・・あなた・・本気で・・。」


ウッズはワナワナと震えていた


「本気だよ。・・今更、どうってことないがね

 さてと、邪魔をしてくれたから、これでもくらいなよ。」


素早く銃を向き


ドンドンっと音を立てた


ルリリは、向かってくる銃の鉛玉を避けるが

曲がりカーブのように、銃が迫ってきた


「る、ルリリさん!!」


旬が叫ぶ


「旬君、あなたはアニマくんと一緒に治療の続きを」


「わ、分かった。」


「ごしゅじん、しゅうちゅうして!!」


旬はアニマに叱咤され


杖を集中する


かなり、精細なコントロールがいるのか


旬君の額から汗が出ていた


杖から光る・・魔法を見て


大丈夫だと・・私は確信した


だからこそ・・・私はやらないといけない


この理不尽すぎる鉛玉を・・壊すために


「ふざけんじゃないわよぉぉぉ!!こんな鉛玉程度で・・!」


「裏拳!!」


すると拳で銃の鉛玉を粉砕した


「ひ・・ヒェ、あ、姐さん・・すごい」


ウッズはビクっと震えた


「ったく、手間を取らせるわね・・この鉛玉は。」


「まさか、鉛玉を粉砕することができるとは・・!」


「・・ふっ。あんたも粉砕してあげようか?」


唸るルリリの拳


そして、シェリアに向けて


ふんっと足を上にあげて・・


「地梢拳」


ルリリは足で床を叩きつける


その途端、辺りが地震でも起きたかのように

揺れる


シェリアは隙がついた


ルリリは、その隙を見逃すはずもなく


ルリリは走り


「ぜぇぇぇい!!」


シェリアを蹴った


しかし、シェリアは避けるがすぐにルリリは拳で

シェリアを殴り飛ばす


しかし、避けるシェリア


だが・・・頬は風圧によってかすった



「グッ・・・」


シェリアは下がる


そして、頬に触れた・・。


血がドロリっと・・。


しかし、ウッズは青く震えている


そう殴ったことよりも・・・


シェリアに何か異変があったのだ


ウッズは震えながら


「肌に・・ヒビが!?」


ウッズはあわあわしている


「な・・!!」


すると、ルリリはニッと笑った


そう・・殴って正解ね。


本性なんて・・すぐわかるもの


「どうやら、それが・・あなたの本当の姿だったのね。」


見えたのは・・シェリアさんの肌から見える


別人の肌


紙のようにペラペラとしている


その肌からは・・うっすらと血が流れている


隻眼もおそらく・・嘘だろうと思う


シェリア?という人物はクックックと笑う


「さすが、アード家の名を継ぐ者」


ルリリの顔色が変わる


「おや、どうやら・・・嫌がっているようだね。

 忌々しいだろう?その名が。」


その名前・・私が一番嫌いな名前


アードを名乗っている今の自分も・・。


家から縛られている・・嘆きの子


「・・・アード家のことを話題するのはやめてくれないかしら?

 あの家のこととかどうでもいいから。今は、ギルド協会の

 専属だけど?」


「アード家と関係ないというのか、面白い。

 ”戦いの申し子”ルリリ・アード」


戦いの申し子・・。


私の・・異名。


忘れることもない・・異名。


「昔の異名なんてどうでもいいわ・・それより、あんたの

 その下手な芝居をやめたほうが人のためになるわね」


その毒舌に・・シェリアは・・ビリリリっと破く


そして・・・見えたのは・・・女性ではない男性


「ふふっ。変装なんて安っぽいことなんてするじゃなかったね。

 まぁ、いいか」


そこには・・・


ルリリは・・何か確信めいたのか・・。


「あんた、隻眼ではなかったのね。」


すると・・シェリア?は笑う


「・・・私の瞳のことかい?確かに隻眼ではない」


すると・・

うっすらと開けられた


隻眼の瞳からは・・・


「・・・オッド・・アイ!?」


「・・・!」


旬は、術を使いながら驚いた顔をする


そして、またもやブレようとするが


アニマが叫ぶ


「ごしゅじん、まほうをけいぞくしないと」


「あ・・そうだった。」


旬は継続に魔法を放つ


少しずつ、二人の顔色がよくなる


旬はそれをホッとする


しかし・・まだ、安心してはいけない。


「ごしゅじん」


「うん、あっちも気になるけど・・次にいこう。」


旬は、次の段階として、銃弾・・・鉛玉を取り出す作業へと移る


それには、もちろん、アニマとのコントロールがないと難しいのだ


その作業の続きをしている


一方、ルリリは驚くよりか


すべての確信へと至る


「あなた・・・!」


ルリリはそう言う


そしてウッズは口をパクパクと呆然としている


すると・・ニコっと笑った。


「本物のシェリアさんじゃなかった・・?

 あんなに、自分に優しかったアノ人が・・・!?」


ウッズはそう問いかけると


「残念。シェリアという人物は、この国に溶け込むための

 模擬人格のようなものだよ。存在なんてしない人物

 つまり、幻さ。」


「そ・・そんな。」


青ざめるウッズ・・それを叱咤するルリリ


「ウッズ、しっかりしなさい。奴の思う壷にハマるじゃないわ。

 ・・さっさと、あんたの正体を話しなさい。」


そしてクックックと笑う声がした


「ご要望通りに、僕の本当の名前を言おうかな。

 初めまして・・僕が国際指名手配中の犯罪者・・・。」


にっこりと子供のように・・・無邪気に


一人称が私から僕になった・・。


こいつ・・・!


「国落とし・・さ。」


まるで、何もかも・・犯罪者には見えない笑顔をむける


国落としは・・ニッと無邪気に笑ったのだった


そこにはまるで・・・何も悪いことをしていないという


顔をした・・悪魔の・・顔がルリリ達には見えたのだった。


ルリリの実家・・アード家

今は、詳しくはしないのですが、いずれ明らかにします

ちなみにルリリ自身、アードの名を嫌っているようです。

その割には、アードの名を名乗っているので

矛盾はしている・・?

そんな、国落としの次の展開とは・・?


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