少年、時の神殿
さぁ、始まりました
31話目
この話は核心の部分でもあります
ではどうぞ
扉は時を刻む
俺は、ただこれから始まる何かに畏怖を抱き
そして、恐怖になるのだ
それが、当たり前だ
そう、逃れることもできない
俺の運命だから・・さ。
*****
ぐっ・・。
俺は、目を覚ます
「ここは・・。」
俺・・確か、あの扉に入ったはず・・。
とりあいず、起き上がろう
「イテッ」
痛いな・・さっきの弦のせいで身体を打ったせいか・・。
とりあいず、周りを見るか
「・・!!?」
その時、俺はとんでもないモノをみたのだ
何だ・・ここ!?
そこは、時計がたくさんあった
でも、変なのは、その時計がすべて違った時間を示していること
「・・?」
俺は、不思議に感じた
ここは・・一体?
「あ、そういえばラミア達はどこに・・?」
俺は、歩きだそうとすると・・
「イテッ・・。な、なんだ」
何かが俺を行かせないように引っ張っている
俺はそれがなんなのか確認することにした
そこには・・。
ヴェールをつけた少女がなぜかいた
しかも、俺の服の裾を握っている
「・・・。」
「・・・・。」
「あのぉ・・。」
俺はとりあいず声をかけることにした
「・・・。」
少女は何も話さない
「もしもし、どうして俺の服をつかんでいるの?」
「・・・。」
それでも、話さない
「ちょっと、俺の話を聞いて!!」
俺は涙目になりそうだ
嫌、もう泣いている
「とりあいず、手を離してくれないかな?」
「・・・。」
俺は、どうしようかと悩んでいると
少女は、何も喋らずそれどころか微動すらしない
人形のようだ・・。
しかし、このままでは何も始まらない
ドカっと俺も座る
「・・・。」
「俺の名は、シュン・ヒナセ・・旬だよ」
すると、今まで微動すらしなかった少女が俺を見て
「・・・旬。」
「うん、そうだよ!!」
俺は思わず嬉しくなり返事をする
「君は?」
「・・・・・・・・・・・・アリスティ・アルティア・ラゥ・クランティア」
すると、少女は長い沈黙を得て自己紹介をする
「えっと・・なんて呼べばいい」
「・・アリアって呼んで。」
「でも、アリスティって。」
「・・・・。」
無言の沈黙が痛い
俺は、慌てて
「わ、分かったよ、アリアね。」
すると、少女はかすかに笑う
俺はとりあいずアリアと名乗った少女に話を聞くことにした
「君は、どうしてここに?」
「・・気がついたらここにいた。あなたは倒れていた・・ただ、それだけ」
「・・・そうか、俺の傍にいたんだね」
すると、少女は頷く
なんだか、感情の乏しい少女だね
まるで、そうさっきも思ったように
人形のような・・。
「・・どうしてここに?」
「・・止めにきただけ」
「止めにきた・・?」
少女が視線をそらす
そこには、階段が続いていた
「すごいね・・。」
俺は呆けるように階段を見た
すると、少女は立ち上がって
「・・行こう」
「・・どこに?」
「ここは、まだ始まり場所。」
「始まりの・・ところ?」
意味が分からない
すると、俺をみてニコっと効果音が聞こえる
「・・終わりまでの道のり、一緒に行きましょう」
不思議なことを言って
少女は長い階段を下まで降りる
「あ、待って」
俺も少女の後についていった
降りていく中で
俺は聞くことにした
「ここは、一体何なの?」
「・・・ここは、時の始まり」
「・・始まり?」
「見えるでしょ?時計。」
「ま、まぁね・・あれがどうかしたの?」
カチコチと音を立てて動いているあの時計達か
妙な時計だよね
「あれは、過去・現在・未来の時計。」
「・・だから、バラバラだったんだ」
もし、それが本当なら
すごいな・・ココ
「・・ここは、時を司る神殿。」
「・・時を司る?」
「・・こんな、話・・知っている?」
「・・いきなり何を」
「損はないわ・・。」
ヴェール越しからは表情が分からない
先が見えない階段の中を降りる
俺に、少女は気晴らしに話だす
「・・。」
俺は黙って聞くことにした
「昔、ここには時の住人がいた」
「・・?」
アリアの足取りは軽やかな足取りだ
「時の住人達は、ここで時を司り。そして、その沈黙を守り続けた」
「ある日、時の力を悪用にしようとした悪者がいた。
時の住人達は、抵抗した」
「・・・。」
「だけど、敵は、どんどん彼らを追い詰めることになった・・彼らは
彼らは力を使い、この地を封印した。すべてを」
「・・すべて?」
「・・この世に出てはいけない力よ」
「この世に出ていけない・・力」
かなり危険な力だな
「・・君は、何を知っているの?」
すると、アリアはピクっと反応したのか
「・・・。」
また、人形のように喋らなくなった
都合が悪くなったらダンマリか
はぁ・・ため息を吐くね
とりあいず、話を変えよう
「ねぇ、君のつれはどうしたの?」
「・・・いなくなったわ、気づいたら。」
「・・つまり、はぐれたんだね」
「そうとも言うわ。」
おっ、素直だな
少し、扱いが慣れたかな
とりあいず、俺も自分のこと話すか
「・・・俺も仲間がいなくなったし・・どうなっているんだ?」
「最深部・・かもね。」
「最深部?」
「・・・。」
「また、だんまり・・か。」
本当に何なの!?
さっきから都合が良くないと喋らない
まるで、そう訓練受けた人形のようだ
「・・あなた、幼いのにしっかりしているのね」
そういえば、俺幼いままだったな
「・・まぁね。」
アリアはうつむいて
「・・私もう少ししっかりしていれば・・あんなことに
ならなかったかもね・・。」
「え・・。」
あんなこと・・どういうことなんだろう?
そういえば、あの騎士は、この人を姫と読んでいたよね
そして、姫と呼ばれたこの少女は
騎士の命令を聞いていた
まるで・・立場が逆になっているような・・。
「さっきの騎士と何か関係があるの・・?」
「・・。」
何も喋らない
じゃ、俺は言うしかない
今、何かを知っておかないと
きっと、後悔すると分かっているから
「君は、姫様じゃないの」
「・・・どうして、わかるかしら?」
人形のように身体を動かし俺に向けるだけ
ヴェール越しからは何もわからない
「だって、あの騎士が、言ったじゃない・・姫って」
説明をすると少女は納得したのか
「ああ・・そうだったわね」
平然としている
どうやら、どうでもいいことのようだ
俺は、確信めいたことを言うことにした。
「あの時、あのソリドゥスっていう青年の言いなりになっていたよね」
「・・あの時は私の意思・・ただそれだけのこと」
そう切り返すがそうはいかない
なぜなら、疑問は解決すべきことだからだ!!
「もしかしたら、君は、騎士に逆らうことができないのでは?」
「・・!?」
そう、あの時少女は人形のように
動いていた
まるで逆らえない
それが命令だとしたら・・。
アリアは動揺した、どうやら図星のようだ
そして、少女は静かに呟いた
「仕方ないこと・・逆らえないのは。」
「え・・。」
「私は・・・追放されそこなった・・・王女だから」
えっ・・。
俺は、衝撃だった
この少女の秘密が・・
今、明らかになったのだ・・。
どうでしたか
ここから半分は内容を変えます
あらすじ前のと見直したら
少し、これは・・と思ったので
この話を楽しんでいただけたら
うれしいです
では、また次話で




