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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
新章 二幕  ~ギルド協会の緩い糸と王宮の衝突~
302/485

少年、好戦的な相手

さて、冒涜は・・?

遠い昔でもない・・ちょっと、昔


自分たちの幸せも確かに・・そこにあった。


ここは、シュネー・・もっとも幸せでもっとも寒い国


炎の魔導師としてこの国の一人として戦うようになってから


自分は・・どこか希望があった


どこか・・前にむいていける・・そんな時代だった


公爵家の恩恵と王の信頼によって


成り立っている昔が・・なんとなく・・懐かしかった


「アスク」


幼い子供の声が聞こえる


「なんや、坊ちゃんかい・・なんやまた抜け出してきたんか?」


赤い髪と紅の瞳の少年・・アスクは、にっこりと笑う


「う・・っ」


すると、図星だったようだ

幼い少年は、困った顔をすると


アスクは、くくっと笑う


「ははっ。冗談や。ワイは、口固いから。内緒にしてやるで?」


すると幼い少年は嬉しそうに笑う


「あ、アスク・・本当に優しいね」


その言葉に少し照れた顔をして・・


「・・ふん。ワイは、楽しいことが好きやからな

 公爵様には一緒に怒られてやるから元気だし」


「・・・うん。あの・・さ」


幼い少年は・・何か言葉を濁している


「なんや?」


「僕は・・公爵家の跡を継ぐべきだろうかなぁ・・?」


「・・・そんな細かいこときにしているんか・・坊ちゃんは」


呆れた顔をしているアスク


「・・・だって、重いから・・」


少年は幼いながら重圧にはとても耐え切れない


そんな顔をしていたのだ


そんな少年をみてアスクは・・ニッと笑って


少年の頭を撫でる


「大丈夫や。ワイらがあんたの力になる。

 これは決定事項や」


「・・・!」


幼い少年は・・その言葉に驚いた


「・・・だから、そんな顔をすんなや。ワイらは

 あんたを主と思っているやから」


アスクの言葉は幼い少年の自身へと繋がっていく


「うん・・ありがとう」


遠いどこかで約束したことは・・・


もう遠すぎて・・曖昧になっていく


それでも・・忘れられない気持ちだけは


とても強く・・残っているのだった。

           

           ~とある少年の記憶~より


                  ****


対峙する旬とアスク


「紅蓮の魔人・・アスク・ヒューセル」


旬は、その赤い髪に・・紅の瞳


まさに、紅蓮の魔人という異名も分る気がしたのだ


高い魔力の証の瞳


・・だけども、どこか・・普通の瞳は違う気がしたのは


きっと・・俺の気のせいではないはずだろう


旬は、アスクに問いかける


「ねぇ・・君を倒さなければこの先にはいけないの?

 それと、もう一つは、隊長さんを気絶させたのは

 君なの?」


旬はそう問いかけると・・


すると、アスクは・・炎の飾りの杖を旬に向けて


ニッと笑う


「二つ問うてきたなぁ・・答えたるわ」


すると、旬を見て、問いに対して・・


「一つは、残念ながら・・ワイを倒さない限り向こうは無理や。

 もう一つはそこの、隊長には、気絶させてもらった

 これでええやろ?」


的確に問いを答えるアスク


その笑みは、どこかしてやったり・・という笑みだ


「怪我はさせてないようだけど」


そう、焦げ臭いはあるが・・怪我はなかった


だからこそ・・恐らく


「・・・幻影の炎・・だね」


旬は、倒れて焦げた臭いを漂わせているギルバートを見る


炎によるやけどはなかった・・つまり、これは高度の魔法


幻影関係だと旬は・・そう、感じ取ったのだ


「さすがやな・・ワイが見込んだだけはあるわ・・

 そや、ワイの優しさを馬鹿にしてはイカンで?

 ワイは、完璧主義者とはちゃうから魔法を使えない

 シロウトには手加減はしているんや。」


そのどこか、沈んだ・・というか、ドロリっと濁った瞳は


なんていうか・・・別の感情を俺は見たような気がした


「・・・ということは、使える人間には手加減しないんだ」


旬はそう淡々と言ったのだ


すると・・そこには・・紅の瞳に狂気が走ったのだ


「何言っているんや。当たり前やろ。ワイは、そこまでお人好し

 じゃないんやで・・そこの隊長はんはな。ワイにどなって

 斬ってきたんや・・だから、当身と炎を食らわせたんや。」


「・・・!!」


旬は・・ギュッと杖を握ったのだ


この人も・・危険だ。


旬は、そう感じたのだ


「アスク・・あんたまで・・何があったんッス?」


ウッズが・・問いかけてきたのだ


すると・・ウッズに気づいたアスクが笑う


「お~、これはこれは坊ちゃんか。久しぶりやな」


どうやら二人は知り合いのようだ


しかし、ウッズさんはどうやら信じられない顔をしている


「・・・久しぶりの前になぜ・・こんなことを・・!?」


そう・・本当にありえないという顔をしているのだ


まるで・・こういうことをしなさそうな人だと


ウッズ自身知っている・・・


するとフゥっと・・落胆のため息を吐いたアスク


「・・・ワイはもう、あの頃のワイではないんです。

 ・・・・沈んだ気持ちが欲しいだけや」


それは・・どこか、冷めているのだ


すると・・杖をウッズに向けて


攻撃をしかけてきたのだ


「ファイア」


初期魔法を向けてきたのだ


旬は、すぐに、杖を向けて


「ブレス!!」


すると・・風と炎が相殺され・・消える


「ほぉ・・さすが」


「し、旬・・!!」


そこには、足がガクガクっと震えて

動けないウッズの姿があった


旬はそれを見て・・・


「ウッズさん・・下がっていて」


多分、ウッズさんは戦えない


それならば、俺がなんとかするしかない。


「で・・でも。」


ウッズさんが悩んでいるのだ


知り合いとは戦ってほしくない気持ちが・・


「そうよ、旬君。私があいつを・・」


ルリリの拳を握る


どうやら、ルリリは戦うようだった


しかし・・それだけは譲れない


「ううん。それは俺に任せて二人は・・

 下がっていて・・・アニマ」


旬は、アニマを見た


「お願いね。アニマ」


アニマの目をみると・・アニマは何かわかったのか


こくりっとうなずいて


「あいよ。ごしゅじん。」


ニコっと笑ってすると、スッと手で・・・


「ウィンドウ・バリア」


すると、アニマの周りに、バリアが張られていく


もちろん、ウッズさんやルリリさん、ギルバートさんたちを

守るための壁だ。


「しゅ・・旬!?」


ウッズは驚いたのだ・・旬のいきなりの行動を


「旬君!!あなた・・どうして!?」


そしてルリリも信じられない顔をする


「ルリリさんたちは、手をださないで」


そう・・これは、俺の戦い


誰にも邪魔なんてさせやしない


「で・・でも、相手はリーダー格の紅蓮の魔人よ!?」


「・・そうだね」


「危険な相手ッスよ、どうして」


俺は・・なんだか・・気のせいではないのかもしれない


危険な相手でも・・なぜか、気になるのだ


この雰囲気は・・。


まるで・・そう・・何かを欠落したような感じをする人を・・。


「・・・なんだか、俺が戦わなければならないような気がしたんだ」


そう、あの時・・目があった瞬間から


この人との戦う宿命を感じ取っていたのだ


「ほぉ、ワイの相手は、あんたか。あの日、眼があったのは

 あながち間違いではなかったようやの」


どうやら眼があったことを正解だったとアスクは思っているよだ


「そうだね。あの時、眼が合わなかったらこんな展開なんて

 誰も予想なんてしなかった。」


「そやな・・さてと、ワイらも戦おうやないの

 茶番はここまでや」


どこか濁った瞳をしながらも挑戦的な瞳に旬は・・


「・・そうだね」


どうやら・・・戦うしかないようだ


でも・・ワクワクするね・・この好戦的な気配は今までにないほどの・・!


互いに杖を持つ


どこかで・・戦いのコングが鳴った気がした


その瞬間・・旬とアスクの攻撃を開始したのだった。

ついに、旬とアスクが戦います

二人が出会ったことで

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