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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
新章 二幕  ~ギルド協会の緩い糸と王宮の衝突~
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少年、はじまる前

今回は、祭りが始まる前になってしまいました・・

では、今回は、リフレイアという人物の話と

後編は・・・?

その日の帰りにギルドに寄ったが・・もちろん、報告しに・・だ。


あいからず、イオナさんが受付とそして書類に格闘しているルリリさんに

挨拶しにいった。


だけども・・ラグナさんには会うことはなかった。


面会はまだできないようだ。


そんなに重症なのかわからないけどルリリさんは、申し訳なさそうな顔をしていたけど


仕方ないと俺は割り切り


結局、話をしておきたいこともできないまま


現在、俺は、ウッズさんの家でごはんを食べている


アニマは嬉しそうにモグモグっと食べているし


ラミアは酒をゴクゴクっと飲んでいる


今日のグラムさんのことをウッズさんに話すと


「なるほどッスか・・・」


少しだけ懐かしそうな顔をしたのだ


そういえば・・どんな人だったのだろう?


公爵家の妹君であった・・リフレイアという人のことを。


旬はウッズさんに聞いてみることにした


「そのさ、どんな人だったの?リフレイアって人」


すると・・昔を思い出すように・・伏せた瞳。


「そうッスね・・自分の父親の妹だったッスけど・・かなり、貴族という

 より庶民の考え方をする人だったッス。貴族の中ではかなり珍しい人

 だったッスよ。自分も覚えているッス。かなり、破天荒だったけど・・

 天真爛漫な人だったッス」


「へぇ・・・破天荒に天真爛漫な人か・・。」


なんだか、想像がつかないなぁ・・。


でも、リゥイの性格を見ると分るような気がする


「本来なら自分の同格かそれ以上の家に嫁ぐ身だった人ッスが

 ガラント商店のグラムに惚れてしまい・・自分の身分を捨て

 押しかけ女房になったそうッスね。」


その時の話に・・ラミアは嬉しそうな顔をして


「なんや、嫁さんの方が惚れてしまったんやな。大恋愛やな。」


ラミアはホォっと夢見る少女のように惚けながら

酒を飲んでいる


「すごいなぁ。でも・・はんたいされたんじゃないのか?」


アニマの言葉に・・ピタっとウッズは止まり


やがて・・・少しだけ苦そうな顔をして


「・・まぁ、そうッスね。婚約者の方とはひと悶着があったとは

 聞いているッス。でも、自分の父親がそれを許したッス。」


それはそうだろう


なにせ、相手は小さな店の主人


そして、自分は公爵令嬢・・。


なんていうか身分違い以上だよね。


でも、ウッズさんの父親がそれを許したのは・・驚くことだ。


「太っ腹な父親やな。」


「そうッスね。偉大な父親ッス・・で、リフレイア叔母上は

 はっきりいえば、恋に生きた人ッス。庶民の気持ちよりよく

 理解し、未来へと向かっている人だったッス・・」


「やさしいひとだっただな・・あにまもあってみたかった。

 うっずのはなしは・・とてもやさしいひびきをもっているな。

 あにまは・・そのはなしがすきだ。」


「ありがとうッス。」


そう・・ウッズさんの話はとても優しい響きをもっていたのだ。


きっと・・一番優しい思い出なのだろう・・。


そして、ウッズはお茶を飲みながら


「さて、旬は他に何か聞きたいことがありそうッスね。」


すると・・旬はとにかくコテリっと首を傾け


「・・・分る?」


するとウッズさんはお茶を飲んでにへらっと笑って


「そりゃ、旬の顔を見れば一目瞭然ッス。で、何が聞きたいッスか?」


顔にでていたかもしれないな・・俺

まぁ、いいや。


聞きたいことはあったし。


「うん。今日・・リゥイと話をした時に・・魔導師のことを聞いたんだ。

 聖女を守る騎士以上に・・強い人だと聞いているけど。」


そう、リゥイの話にあった魔導師の話


ウッズさんなら知っているはず


なにせ、王宮に見習いとはいえ、働いているし


王宮のことは詳しいはず。


「そやったな。うちは細かい所までは知らないんや・・あんさんは

 知っているやろ?」


すると、ウッズはドンっと胸を叩き


「当然ッス。これは、旬に教えていなかったッスね。

 あの王宮に入るのなら・・話をしておくべきッスね。」


「どんな人たちなの・・?」


おそるおそる旬が問うと・・。


「そうッスね・・それぞれの属性を極めた人達といえば簡単ッスね。

 わずか5人しかいない強力な魔法を使う集団ッス」


想像できないことに・・旬はつばを飲み込んだ


「強力な・・魔法。」


旬は呟いた

その時、ラミアも何かを思い出したのか


「・・・そういえば、聞いたことがあるわ。かなり強力な力を持った

 化物共がいるとうちは聞いたことがある。」


化物・・!?


なんか、さらに面倒そうな感じになったな。


「化物・・まぁ、あながち間違いじゃないッス。

 一応、教えておくッス」


ウッズさんは魔導師達の特徴を話を始めた


「属性をそれぞれ極めたモノたちは、聖女様に一番忠誠を誓っているそう

 ッス。何人共、近寄らせない力を持って制する・・一言いえば、

 鉄壁な壁という所ッスね。」


鉄壁の壁という言葉に反応したアニマがウッズに問う


「つよいのか?」


すると、肯定するウッズ


「そうっすね。強いッス。」


「へぇ・・・」


だけども、がしがしとウッズは自分の頭を掻いた


「ま、それよりか、問題が一つどころかかなりあるッスけど・・

 なんていうか・・ややこしいッス。」


なんか、ごにょごにょっと言いづらそうな顔をしている


「なんや、はっきりせぇ。」


ラミアがピシャリっと言うと・・ヒィっと悲鳴がもれた


「実は自分の隊長が率いる騎士、及び・・一般兵とはかな~り仲が悪い

 ッス」


「えっ!?」


なに・・その話・・初耳だよ!?


「いやぁ・・実は自分達のいる兵士・騎士舎と魔導師の館は離れてい

 るッス。まるで牽制するようになんていうか、ピリピリしちゃう

 ような話ッス。」


すると、ラミアは・・・。


「ややこしいな。なんや、なんか理由があるんか?」


するとウッズさんは溜息を吐き


「・・まぁ、一言いえば・・”聖女”様ッスね」


「・・・。」


また・・聖女様か・・。


「傍で仕えていいはずの自分たちより上位な存在が魔導師。

 それが、隊長には気に食わないようッス」


確かに・・あの人をみればプライドの塊の人ならそういいそうだ。


でも・・なんていうか


「・・・気に食わない以上にただの負け犬の遠吠えに聞こえるよ」


「そやな。嫉妬やな。」


旬とラミアは同意する。


なんだか・・そう見えて仕方ないのだ


すると、げんなりしたウッズが・・溜息を吐き


「・・・隊長は、無駄にプライドが高い人ッスからねぇ・・・

 ま、共闘することはないということッス。」


無駄の部分がなんか強く言っているように聞こえた


「それはそれでええかもしれんな。ある意味・・面白くなりそうやな

 それで、侵入ルートはできるんか?」


すると、ウッズは自身満々に笑う


「もちろんッス。自分が幼い時に遊び場だったッスけど・・そこから

 侵入する予定ッスね」


その言葉を聞き・・ラミアは心配そうにして


ウッズに聞く


「大丈夫か・・?うち少し心配するわ。」


「大丈夫ッス。」


その大丈夫っていう言葉が若干不安だけど・・。


はぁ・・とにかく、今日はこれまでだ。


「・・・とにかく、明日は・・どうなるかわからないけど。

 夜に行動を開始。それ以外は普通に楽しもう。」


「あにまもたのしむ~」


「そうやな。気を張っても仕方ないんやけどな。」


「そうッスね。折角の機会ッス。楽しむのも一番っすね」


それぞれの言葉に今日は・・深く考えることにしないことにした



そして・・・ある人物は・・・。


少しだけ悲しみと決意を持って・・。


「明日・・・か。」


握るしめる手からは・・血が流れていく


たくさんの苦悩と共に・・決意をした青年。


それぞれの気持ちよりも強い何かに惹きつけられるかのように・・。


・・・次の日・・・聖女祭が始まるのだった。




次回は、ついについに祭りの始まりです。

誰がどう動くのか必見です!!

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