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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
新章 二幕  ~ギルド協会の緩い糸と王宮の衝突~
281/485

少年、終幕の先

今回は、ラミアと再会したあとの話!!

では、どうぞ

もう会うことのない人物にまた会えるとは思わなかった


そして、笑顔でまた・・笑い会える日がくるとは・・・。


「ラミア・・・!!」


俺は驚いたのだ


まさか・・また会えるなんて・・思わなかったから


ラミアはグレーの瞳を旬に向けてニッと笑う


「久しぶりやな、また・・あんさんに会えるなんて嬉しいわ。

 あえてうれしい。元気にしていたか?」


グレーの瞳は歓喜の瞳で揺れている


それも、とても嬉しそうだ


「うん。ラミアこそ。あの時別れて以来だね。」


「あんさんはあいからずちびっこやな~

 でも、全然変わってへんでうれしいわ。」


「うん。」「あの~」


「あ・・ロザさん・・」


そこにはロザが困った顔をしていた


「あのね、この人、俺の知り合いなんだよ」


するとパァ~っと突然笑顔になって


しおれていた薔薇が急速にまたニョキニョキと生えてきて

やがて・・


「知り合い・・!それならば、旬君。あとは頼むわね

 ロザの店一足早いけど閉店するわね~」


ガラガラピッシャーンっと音を立て

ロザの店は勢いよく閉店した


まるで、遮断するかのようにその早技に思わず旬は


「は・・早い」


そう感想をつけた・・しかし、ラミアは違った


「うちの攻撃から逃げられたか・・ちっ、あと少しやったのに!!」


くそぉ~っとグシャグシャと髪を掻くラミアに旬は・・


「・・・攻撃というよりただの迷惑な客だよ・・ラミア」


そう言うと・・ラミアは、フフッと笑いだして


「ははっ。うちらも怪我ばかりするやもん。薬がなかったら

 困るしな」


「うちら・・・?他にもいるの?」


コテリっと旬は不思議そうに首を傾けると・・ラミアは嬉しそうに笑って


「ああ。もう一人・・いや、一匹か。公園におるんや。

 ほら、旬こっちや」


この引っ張られる感覚


「あ・・ちょ・・引っ張らないで~」


懐かしいグィグィっと引っ張るこの感じ


やはり・・懐かしいな。


でも・・・


「俺って、あいからず引っ張られるだね・・いろいろと。」


そう溜息を吐く旬だった


ラミアに引っ張られた場所は・・?


「ここ・・公園?」


そう、ロザの店から少ししか離れていない

公園だ・・。


「ここにおるはずや」


すると、ラミアが声をかける


「どこにおるんや!!そろそろ行くで!!」


すると・・小さな子供がひよっこりと姿を現し


「らみあ!!おわったんだな!!」


子供がこっちにくる



ん?


この子・・どこかで見たような・・?



エメラルドグリーンの髪に・・この黄金に近い

琥珀色の瞳・・。


旬が不思議に思っていると・・その子供は旬を見るなり


涙目になり・・


「う・・うそだ・・・ご・・ごしゅじーん」


子供はうるうるとしだして俺に抱きつく


この言葉遣い・・もしかして・・!?


「わぁ・・ま・・まさか、アニマ!?」


そこには子供化した俺より小さなアニマがいた


しかも、擬人化している!?


「そうだ・・あにまだ!!」


「・・・!」


「またあえた・・ごしゅじん!!」


「・・うん。また会えたね。」


もう会うことのないと思っていた二人に会えた


「旬・・・ははっ。あんさん、泣きそうな顔をしているで?」


ラミアは笑っている


「そうかもしれないね・・安心したんだ。ここはラミア達のいる

 世界だと・・理解ができたから」


すると、ラミアは・・真剣な顔になって


「・・・うちらがおらん中、何か大変なことが起きたようやな。

 ここで話すのもなんやな。旬、今どこに住んでいるんや?」


辺りを見渡す


どうやら、人目があることにラミアは話す訳には行かないようだ


俺もそれは同じだ。


「ああ、俺、今は恩人の所で暮らしているんだ・・ラミア達は

 泊まる所は?」


「ないわ。今日来たばかりやからな。な」


「そうだな。あてもなくたびしているから。」


その言葉に・・俺は確信した。


それならば・・。


「それなら尚更だね。恩人の家に行こうよ。

 信用できる人だから」


「そうか。ならうちも行くわ。な。」


「あにまもいく!!ごしゅじんがしんようできるなら!!」


その言葉に俺はラミアとアニマを連れて


住宅街から向けた・・ウッズさんの家に向かった


「ほぉ、ここが旬が世話になっている恩人の家やな。

 先ほどの金持ちの集団の家からかなり離れているな。」


ラミアは先ほどの住宅街を見てからウッズさんの家を見ている


「うん。でも、中は広いんだ。」


ガチャっと開けると・・あいからず広い


「ほぉ・・広いな」


「ほんとうだ!!」


「そこに座って。」


旬はてきぱきと手馴れたようにお茶を出す


「ほんまに、この生活に慣れているようやな」


「あはは・・いろいろあったからね」


そして、ラミアは、本題に入ることにした


「で、何から話せば・・と前に、旬。あんさん確かあの日

 あの扉で出て・・うちらと別れを経験したはずや

 そのあんさんがなぜ・・この国にいるんや?

 帰ったはずじゃ・・」


すると、そのことについては旬も肯定する。


確かにあの時の記憶違いはありえないからね。


「うん。一度は帰ったよ。ところが、その一年後・・俺が

 17になる前に不思議なやつにを異世界へと飛ばされたんだよ。

 で、気づいたらシュネーの山にいたって訳。」


「そうやったんか・・・」


「でも、その時・・この家の恩人・・ウッズさんにであったんだ。」


「ウッズ・・さん?何者や?そいつ」


「ああ。王宮の見習い兵士をしているそうだよ。で、俺は今

 ギルド協会に所属しているんだ」


「あんさんがギルド協会・・頑張っているんやな」


すると、ラミアは旬の頭を撫でる


「心細かったんやな。もう大丈夫や。うちらもおるから。」


「あにまもいるぞ!!」


「・・・ありがと。」


なんだか安心できるな。ラミアの手


まるで・・母親のような手だ。


さてと・・俺もラミアに聞きたいことがあったんだ


「・・で、ラミアたちはどうしてここに?」


「あんさんが、この世界から去ってから・・なんていうかいろいろあったんや」


ラミアは面倒そうな顔をしている


「いろいろ・・?」


そして、ガリガリっと苛立ちを隠すように頭を掻く


「ああ。あのばーさんの占いでちょっと・・な。」


「ばーさん・・ああ、もしかしてゼノンのこと?」


ゼノンビア・・クランティア王国の専属占い師


謎が謎を呼び


若い姿をしているが、かなりの高齢だと聞いている


しかも、職業は魔女だ。


最後のあの戦いの時に、ゼノンのあの古代魔法には驚かされたものだ


今は・・何をしているんだろうか・・・?


「そや。うちは今はな、クランティア王国で情報分野で働いているんや

 で、こいつはマスコットや。」


「マスコット・・いい働きをしているんだね?アニマ」


「うん。ごしゅじんあにまは、みんなをげんきにするためにはたらいているんだぞ」


そのえっへんと自慢気な姿に旬は嬉しくなる


「そっか。えらいね。」


ナデナデっとなでた


あの時、別れた時・・心配はしていた。


「ねぇ、ミリカたちは元気にしている?」


「ああ。元気にしているで。あの二人の喧嘩も日常茶番として楽しませて

 もらっているわ。」


「らみあは、あのふたりのけんかをおちゃをのみながらみているぞ?」


「なんていうか、謳歌しているね」


旬が苦笑する。


あの二人の喧嘩はすごかったからなぁ・・。


なんていうか、破天荒さがあったし・・。


「ははっ。そうか?でな、今は、王補佐のクロスはんが

 あの国を統一をしているんや。」


「へ、そうなの?」


「そや、で、アリアはんとソリドゥスはんは、国の調査団。

 としてあっちこっち動いているんやで」」


色々あったけどあの二人は元気にしているのか・・。


「それに、ミリカはんは、は、王補佐の一人としてクロスはんの

 手伝いをしているんや。いずれ、帰るはずの存在のためにな。」


「ああ。ジンのこと?」


「そや。あいつが王様になる予定やからな。見つけたら首に縄でもつけて

 こいと言われているもんや。」


ジンは元王太子だっただけど・・。


ある事件によってジンは王太子であることを辞めてしまった。


それからは流浪人になったけど


クロスさんはやはり、ジンを王にするだろうか・・?


包囲網の話を聞くと旬は・・大変だなと思う同時に哀れな・・と思った


「うわぁ・・ジン、可哀想。でも、そっか・・アリアも元気にしているんだね。

 もう・・大丈夫そうだ。安心したよ」


その言葉にラミアは目を細めて


「・・あんさん、ほんまに優しい人間やな。他者にそこまでやれる

 人間はあんさんくらいや」


「ははっ。」


自分でも呆れているかもしれない。


でも・・心配だったからね。


そんな旬にラミアは・・口元を釣り上げて


「まぁ・・そんなあんさんやから、うちらも力になるもんや」


「そうだな。あにまもごしゅじんのためにやるぞ!!」


なんだか・・頼もしいね。


寂しさがなくなりそうだ・・。


「でも、どうしてこの国に?」


「・・ああ、実はな、今回の事件の中心はミリカはんなんや」


「?」


「・・・これ、何かわかるか?」


ラミアが懐から何かを出した


「これは・・・?」


「先月、発見された・・宝玉や。」


「宝玉・・・。」


旬はジッと見つめる


この宝玉・まるで、宝石のよう・・。


どこかで同じモノを見たような・・


まさか・・!?


いや・・詳細を聞いてからにしよう。


「あの・・どういうことなの?」


ラミアは腕を組んで・・溜息を吐いた


なんだか・・重そうな雰囲気だ。


「事件は・・そやな、半年前や。例の事件が完全に終わったと判断した頃

 ミリカはんのお母はんの生まれ故郷がすべての始まりやったんや」


「生まれ故郷・・もしかして・・学者たちの街?」


「まぁな。でな・・ミリカはんのお母はんの父親に会うことになったんや」


「父親・・どんな人なの?」


旬がそう聞くと・・ラミアは首をフルフルっと振った


「・・まぁ、詳しいことはしらんけど。高名な学者はんみたいで

 一代で富を持った人物らしぃな。で、メノリ・カルディアの

 養父やったそうや。」


「へぇ・・すごいねお金持ちなんだ。」


一代で富・・それはそれですごい人だ。

確かに、有名そうだ。


「まぁ、すごいだけじゃないけども、ミリカはんなお母はんのことを

 調べたがっていたんや」


「・・メノリ・カルディアのことだね」


王宮の最後の妃


ミリカの母親のことだ。


王と最後を共にした・・・女性。


ジンに心の傷を残した人物だ。


俺も、よくわからない人物だから謎に思っていたけど


やはり、ミリカは謎の手がかりを探す気だったのか・・。


「そやな。で・・そのために養父であるスタイン・カルディア博士の家に

 向かったやけど・・そこは・・屋敷がすでに廃屋でなもぬけの殻や」


「廃屋・・!?」


「おかしな話やろ?数十年も経たない屋敷が廃屋。ミリカはんは

 どうしても諦めつけずに中に入ったんや」


確かにおかしな話だ。


一代の富を儲けた人間の屋敷が廃屋・・!?


ありえない話だ。


しかも、その話にオチにミリカは・・。


「不法侵入したんだ・・・よく、入れたね」


「まぁ、一歩間違えれば犯罪者の仲間入りやな。」


確かに・・犯罪者の仲間入りしそうだ。


ラミアは引き続きその話をする


「・・・ミリカはんの話やと・・その屋敷は随分昔に廃れていて

 おまけに・・おかしな陣があったそうや・・」


「おかしな陣?」


なんだ・・おかしな陣って・・?


ラミアは・・。


「ああ。大変な目にあったそうやで?

 怪しげな騎士像が襲ってきたそうやで?」


「・・・!」


ミリカたち・・そんな目にあったんだ・・!!


「まぁ、ミリカはんたちが勝利したんやけどな・・

 その戦いのあとこの宝石を見つけたんや。

 今、世界中で、製造が中止になっている宝玉」


ラミアは・・フゥっと一息を吐いて


「平和の実と呼ばれる・・”オーブ”や。希少価値が高く

 製造すらできるはずのない・・実や」


ラミアの一言で俺は・・・驚きこの宝玉を眺めたのだった

この宝玉については、少女、混沌~の方にありますので

気になる方はぜひ、見てくれると嬉しいです。


次回は・・この宝玉の行方です

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