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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
第3章 ~人形王女~
26/485

少年、悩む

さて、宿屋に戻った旬達は・・?

さぁ、第26話開始です。

俺たちは、セイクレッドに来て

赤い月について探ることにした

だけど、そこは神話だけではなく発掘も兼ねている街だった

俺とラミアは、発掘して頑張ったけども結局何も出なかった

だけど、俺たちよりか先に来ていた人が見つけた石・・。

俺は、あの石を見て

この本に関係あるか分からないけど

だけどもその石を見た時

何かがドクンっと駆け巡った

それが何か分からないけども

これからの展開に必要なモノだと

ただ、感じ取ったのだった



                  *******


あれから俺とラミアはジンと合流して

現在、宿屋にいる

当然、もう夕飯は食べ終わり

部屋で報告会をしていた

もちろん、俺は発掘された石についてジンに話す

すると、何かを考えているのか


「なるほどな。お前たちがみた石か」


「うん。俺が見たあの石・・きっと何か必要になる

 と思ったんだ」


ただその直感が当たるとはかぎらない

でも、それがどういうことなのか分からない。


「ジンの方は何があったか?」


ラミアが聞くとジンは頷いて

資料を広げる


「これは・・?」



「残念ながら赤い月に関しての資料は無かった

 だが、面白い資料は見つけたぞ」


その資料を持っていたジンは旬とラミアに渡す


「なになに・・これって・・!!」


ラミアがハッとして目を大きく揺らす

俺にいたってはどういうことなのか分からない

つまり、文字はまだ勉強中な所もあるから

読めないのだ


「これは確かな、情報なんやな?」

「ああ、間違いない」


二人がなんの会話しているのか俺には理解できない

なぜなら、俺には分からないことだからだ


「最高やー。」


俺を見て、ラミアが興奮して俺の首を締めるように

ブンブンっと揺らす


「ぐぇ、ら、ラミア、苦しいよ」


蛙のような呻き声をあげる旬

ラミアはパッと手を離して


「あ、ごめんな、それより旬!!」


思わず俺はビクっと震える


「な・・なに!!」


「これは、結構ええ、情報や」


パシパシっとその資料を叩く


「俺、読めないですけど・・。」


俺は正直に言うと二人は顔を見合わせ


「ああ、そうやったな」

「仕方ないな」


落胆する二人

失礼だよね。

俺が読めないことをいいことにこの二人に

少しイラっときたが

その怒りを抑えながら話を聞くことにした

ジンが俺に向き合いその資料について話し出す


「これはな、お前が言っていたあの石に関してだ」


「・・・石?」


「ああ、この資料にはあの石は、”封じられた遺跡”への鍵なんだ」

「封じられた遺跡?」


俺は思わず身を乗り出す


「この街は、謎が多い。なぜなら、その遺跡がまだ見つかっていないからだ」

「遺跡が見つかっていない・・で、でも封じられたって・・。」


そうだ、なぜ封じられたんだ・・?

遺跡は、ただの歴史に過ぎない。

そして、古くからしる歴史を再現させる力を持っているだけのはず


「歴史だけだろ・・その遺跡は」


するとジンは首を横に振り


「違う。歴史だけではなくその遺跡には、何かの宝が眠っている

 その資料にそう書かれているんだ」


俺の考えを覆すことをジンは話し出す

それは、遠い昔の物語を説明しだす


「遥、昔・・ここには遺跡があったことが確認されていた

 だけども、邪悪な欲望によって遺跡の力を利用しようとした

 奴らにその力を利用されないために、遺跡を封じ込めたんだ

 だから、この遺跡は、まだどこかに眠っている可能性が高い」


その説明に俺は、不思議な感覚を持っていた

なんだかよく分からない感じが・・した。


そしてラミアが得意気に話し始めた


「その封じられた遺跡を開けるのが石だということが分かったところやけど・・その石が」

「・・ま・・まさか」


俺は、先ほどみたあの不思議な石を思い出す


「そや、あの石が遺跡の鍵かもしれへん」


ラミアが細い目をする

まるで猫のような目だ。

獲物を見つけた目でもある。

俺は、ただこれからのことに身を案じていた


「・・どちらにしろ、知らなけれならないことだ・・。」


そう、それは、俺たちにとって重大なことだ


「それと、オークションのことだが」


「ああ、あの面倒な貴族の遊びか、これはまた嫌やな」

「貴族の遊び?」


「そや、貴族の嗜みかしらんけど面倒な連中やで?」


「へぇ、貴族ねぇ。」


やっぱり、身分高い人が来るというのは本当だよね。

でも、そうなったら・・と、


「貴族なら、一般人は無理じゃない?」


「それがな、この街の面白い所なんや」


「面白い・・所?」


「この街は、気軽にオークションを解放しているのや

だから、貴族だろうと一般人だろうと関係があらへん。」」


ラミアが自身満々に言うとジンが頷き


「つまり、我達が誰であろうとも怪しまれない

 ということだ」


ふぅん、便利だね。俺、納得してしまったよ。

そういえば・・と思った俺は二人を見る


「どうしたんだ?」

「肝心な所を忘れていたよ」

そう、

俺は、ふと何かを考えていたのか

声に出した


「オークション・・か。お金はあるからいいけど

 俺たちがもしもその時競り落とすことが出来なかったら

 どうするの?」


そう、一番の問題はそのことだ。

もし、競り落とすことが出来なかったらどうする気なんだろう

すると、不気味な笑い声が聞こえる

俺は思わずビクっとした。


「決まっているやないか」


ニヒっとラミアが笑った

俺は何か嫌な予感がした


「盗むに決まっているやろ?」


あくどい顔で盗むって言われても

俺は小心者だから困る


「で、でも、それは犯罪じゃ・・。」


俺は盗むことに対してラミアを止めようとする

そんな俺をみてラミアは反撃する


「じゃ、何も手掛かりをつかめないままでええんか?」


それも困る

手掛かりがあるのにここで終わりたくない

俺はこれでいいのか?

でも・・俺は・・。

盗むしかもう方法はないの?


「腹を括れ・・旬」

「ジ、ジン!!」


どうやら、ジンもその気のようだ

盗むことはしたくないけど

でも、もうこれしか俺には無い

先ほどまではそんなことひとつも考え無かった

俺の正義感が打ち破れた瞬間だった


「・・分かったよ。」

「ほな。決まりやな」


俺は深いため息をする

どうやら盗むことは前提のオークションになりそうだ

ラミアがその落ち込んでいる旬を見て

ポンっと頭を撫でる


「うちも本当は、旬の言うとおり競り落とすだけで

 終わらせたいと思うけど・・でも、何が起こるかわからん」


たしかにそうかもしれない

先ほど、ラミアが言っていた

王族の関与があるということ

もしかしたら、明日のオークションに必ず出てくるかもしれない

奴らは、タダものではない。

俺よりか力がある者たちだ・・。

そんな奴らなら仕方ないかもしれない。


「だから、ごめんな」


謝らないで欲しい

俺は、無知だから・・。

だから・・。


「ほな、うちは部屋にもどるわ」


そういってさっさと部屋に戻ろうとするラミアに

俺はつい、礼を言ってしまった


「・・ありがとう。ラミア」


本当はラミアはとても優しい

俺の意思に尊重してくれている

ラミアはフッと笑みを浮かべて


「礼を言うのはこっちのセリフや。」

「え・・。」


俺は驚いた

どうして、そんな顔をして俺を見るの?

優しそうな顔をするラミアに俺はただ呆然とした


「ほな。おやすみ」


パタンっとさっさと部屋に戻っていくラミア

俺は、首を傾ける


「ふっ。」


ジンは笑みを浮かべていた

俺は不思議に思って聞くことにした


「ジン?」

「お前もまだ子供だな」


なんだよ、ジンの奴

笑いやがって

俺は不貞腐れる

その様子をみてジンは


「仕方ないさ。すべて我達はお前のためにやっていることだ

 お前がそんな顔しなくていいんだ」


ラミアと同じようにジンは頭を撫でてくれる


「俺、もう子供じゃないよ?」


「我から見れば、お前はまだ子供だよ・・しかも、お前

 今、退化しているじゃないか」


「ぐっ、そういえば忘れていたね。」


痛い所を・・。

俺は、自分の現在の状況を忘れていた

思わずその小さな自分の手を見る

俺は、身体もすべて幼い

だから、悔しい。

何もできないことが多いんだよ・・本当ね。


「へこむな。お前はまだ何もしらない無知だ。

 だからこそ、知ってこそ・・お前は本当に一人前になれる」


「・・・。」


今の状況から

いつか、俺が大人だって認めてくれる日がくるだろうか

退化し、子供の俺は、まだ認めてはくれないけど

いつか・・。


俺の葛藤のよそにジンは厳しい顔をして俺を見る


「明日は、お前が思うような世界ではない。だけども我もラミアもお前の力になる。

 だからこそ、安心しろ」


「・・・ありがとう」


俺はうつむいた

なんで俺はまだ、無知のままなんだろう

綺麗事ではないって分かっているのに

それでも、綺麗でいたい俺って・・。


「大丈夫、お前なら絶対・・な」

「・・・うん。」


俺はうつむくだけ

ジンはポンポンと頭を軽く叩き


「すべては、明日だ。」

「そうだね」


「我は寝る。お前も寝ろ」


あいからず、すごい速さでジンはさっさと眠ってしまう

おやすみ3秒前だよね・・。


俺は一人取り残されたような気がした


明日・・すべてが始まる

俺は、いまだの自分の不安と葛藤に悩まされながら

俺は眠りについたのだった・・。


旬はいろんなことで頭がグルグルしています。

でも、そんな旬をこれから暖かい目で見てくれると嬉しいです。

では、またどうぞ。

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