少年、決意をした日
今回は、住宅街の女性再登場です
旬は剣士風の男たちと別れたあと
住宅街へと走っていた。
「はぁはぁ・・住宅街・・見えてきた。」
ウッズさんの家から少し離れた場所にある
この住宅街
旬は立ち止まる
「さて、どこなんだろう?アリエルさんの家」
大きい家ばっかりでどの家なのかさっぱりわからなかった
しまった・・目印を聞いておけばよかった
旬は辺りをキョロキョロしていると
ある一つの家に目を向けた
「ん?お爺さんがいるね・・?門の前に。」
老人が門の前で誰かを待っているようだ
「もしかして・・」
旬はタタッと老人の元へと歩く
「すみません。ここにアリエルさんの家を探しているですけど」
その老人に聞くと・・旬を見るなり柔和に笑って
「あなたは、ギルドのお方ですね。お待ちしていました。」
「・・あの、ここで間違いない?」
再度聞くと、老人はコクリっと肯定する。
「はい。ここは、ランダース家のお屋敷でございます。奥様もお待ちです。
お入りください」
おじいさんの案内で俺はアリエルさんの家の中へと入っていった
家の中は、流石に豪華とまではいかないけど
綺麗に行き届いたすばらしい所だった
ある一室の前では・・そのおじいさんが、コンコンっと扉を叩いた
「奥様。ギルドの方がいらっしゃいました」
すると、案の定、ガチャっと音を立て
「ああっ。来てくれたのね。どうぞ、入って」
「あの・・いいんですか?」
「もちろんよ。さぁ。」
旬がその部屋に入ると医者と・・そして、小さな子供がいた。
それも旬の年よりも離れた子供・・それも、少年が
苦しそうにうめいていた。
「はい。このヨルグ草とプルマ草を」
受け取った瞬間・・アリエルは安心した顔つきなった
「ありがとう。これで、お医者様お願いします。」
傍に控えていた医者が治療を始めた
「ああ。早速作ろう」
そのまもなくして薬が完成した。
その後・・どうやら、子供の熱は下がったようだ
安心して眠りをつく様子を見てホッとしたものだ。
「ああっ。ありがとう。神様は、見捨てはしなかったのね」
そういって旬に振り向いた
「あなたには改めてお礼を言わないとね。ありがとうございました。
これで息子の熱は下がります。えっと、貴方のお名前は?」
そういえば、俺名乗っていなかったっけ。
「俺、旬といいます」
「そう。じゃ、旬君って呼ぶね。本当にごめんなさいね。
急ぎの依頼で・・。迷惑だったでしょ?」
「いえいえ。俺の方こそ・・それと実はアリエルさんに
話しておかなければいけないことがあって」
「なにかしら?」
俺は・・ギルドの人間ではないことを話をしておかないと。
そうじゃないと・・。
いけないような気がしたんだ。
騙しているような・・感じがして。
仕方がなかった。
「俺、ギルドの人間じゃないんです・・といっても、本当は
今からギルドに行く時にあなたに遭遇したというのが
正しいですけど。」
すると驚いたのか次第に申し訳なさそうにして
「まぁ、そうだったの。それは悪いことをしたわ。」
俺はフルフルっと首を横に振る
「いいえ。でも・・あなたの子供を助けられたことは
俺にとってはよかったと思います・・それに・・。」
「それに?」
「今ので決心しました。俺、ギルドへの決心がついたので」
そう、最初はただ・・様子を見ようと思っただけだった。
だけども、助けられた命のことを考えると
逆にギルドに所属してみたら・・と思うようになった
「そう・・よかった。後押しできたみたいね。偶然にも・・
もしかしたら運命かもしれないわね。」
アリエルさんは嬉しそうに笑ってくれた
まるで、歓迎してくれるように・・。
「アリエルさん・・。」
そしてやがて、真剣な顔になった
「あなたは知っているかしら?王宮とギルドの関係」
「・・少しだけなら。かなり、仲悪いと聞いています。」
ウッズさんやシアから聞いた話
そして自分から見た
王宮とギルドが離れすぎていること。
その様子を見ていたアリエルは・・。
「ええそのとおりよ・・その一人として
私の夫はギルド嫌いなの。今回のことを考えれば
本当は、王宮に頼むとか方法があったけど」
「どうして・・ギルドに頼ることにしたのですか?」
すると・・アリエルはフフッと笑って
「私は、そういうのは関係ないと思ったの。だって、私は
一度・・ギルドの方に命を救ってくれたことがあるから」
その瞳は・・奥には、炎が見えたような気がした
「・・!」
どうやら、アリエルさんは・・・何かあったのだろうか。
その瞳はひどく懐かしさと切なさが見えたのだ
「でも、私はギルドをよく思っていても・・夫は違う。」
「えっ・・。」
アリエルは服をギュっと握り締めた
「・・夫は、ギルドを憎んでいる・・とても、強い憎悪を持って」
「あの・・もしかして、あなたの夫は・・?」
なんだか、想像できそうな感じがする
住宅街は王宮関係者が多いと聞いた。
そして、この人の夫はもしかして・・。
「そうよ。王宮の専属騎士の隊長をしているのよ。騎士ももちろん
一般兵もまとめあげているの。頭の固いお人なのよ。
今日ももし、ギルドの方がいたら問答無用で斬りつけてくるでしょうね。」
「あはは・・怖い話ですね。斬りつけるって物騒どころじゃないですよ。」
なんだか、容易に想像できるなぁ・・。
斬りつけられる瞬間を・・。
アリエルさんは困った顔をしている
「普段はとても優しい人なのよ?
・・・あんなことがあればそうなるくらいわね」
「・・・?」
何か言いかけたような気がする。
でも・・それ以上はなかったのだ。
「ふふっ。それより、旬君。」
「はい?」
「今日は本当にありがとう。それと、あなたにお願いがあるの」
「・・・?」
なんだろうお願いって。
「息子と・・友達になってくれない?」
「えっ・・?」
と・・友達・・・?
なんだか、想像できないことがキタっと同時に思った。
「・・ウチの子は、滅多にお外に出ないの・・だからお友達が少ないのよ。
・・もし、旬君がよかったら友達になってほしいの」
「・・・どうして、俺を友達にさせたいと思ったのですか?」
どうして・・なんだろう?
「だって、私は旬君のことが気に入ったのよ。」
「えっ・・。」
そこには、どこまでも優しく笑っているのだ
なんだか・・何も言えなくなった俺がとったのは・・。
「俺・・・帰ります」
旬の様子を見たアリエル
「・・やはり、駄目だったかしら」
アリエルは寂しそうな顔をしていた
旬は立ち止まって
「・・・またいずれ遊びにきます。今度は、その・・友達として。」
その言葉にパァァっと笑顔になって
「うふふ。楽しみにしているわ。その時は、息子を紹介するわね。
爺」
「はっ。」
傍に控えていた初老の男がうなずいた。
「この方を、門の前まで丁寧におもてなしを」
「分かりました。奥様。さぁ、参りましょうか旬様。」
俺はおじいさんに連れられて部屋を出た
そして、ランダース家の門前に連れられ
「今日は本当にありがとうございました。心より礼をいいます。
これは、ほんのお礼です」
渡されたのはルナが入った袋だ。
「あの・・俺、ギルド所属まだしていないですけど・・?」
そう聞くと・・。
「いいえ、そんなこと関係ありません。我々は、あなたに感謝をしています
どうぞ、受け取ってください。」
旬は仕方なくルナ入った袋を受け取った
「・・じゃ、もらいます。あの・・またここにきても大丈夫でしょうか?」
「ええ。奥様も坊ちゃまもきっと喜んでくださいます」
「そうだと嬉しいです。じゃ、また」
そういって旬は街の方へと去っていった
その様子を見ていた爺は・・。
「あの少年なら・・旦那さまとギルドの関係をよくしてくれるかもしれません
そんな気がしたのは・・私の気のせいではないような気がします。」
そう呟いていたのを旬は知らないのだった。
次回は、旬また、ギルドに行くです。
なんか、ギルド編が始まりますけど
気軽にみてくれると嬉しいです




