少年、神秘の木
今回は、ウッズと旬だけしか出ません。
では、どうぞ、
俺は、ウッズさんの家に向かっていた
国は、ざわざわとしていたし
でも、普通の町並みに見えた。
その時・・俺は立ち止まった
「旬、どうしたッスか。立ち止まって」
俺が見えたのは・・シュネーの王宮方向にある
とても大きな木が見えたから
立ち止まった。
「あ、ウッズさん!!あれは・・何?
王宮方向に、あんな大きな木初めてみた。」
俺は、その木の大きさに驚いた
まるで、シュネーを全体を包み込むような
不思議な木。
「ああ、旬。あれは、精霊の木ッス。シュネーの守り木様。」
そう、ウッズさんは誇り高そうにその木のことを話をしてくれた。
「へぇ・・この国全体のシンボルのようだね。」
俺はその木をずっと眺めていた
「そうッスね。あの木は自分たちを守ってくれるッス。
自分はあの木は子供の頃から見ているッス」
「子供の頃から・・」
すると、ウッズさんはすごく嬉しそうに笑う
「皆、あの木が好きッス。自分たちの成長と共に
見守ってくれているッスからね。」
旬はその木を眺めた
俺は、その木がとても神秘的に感じた
なんだか・・とても優しい感じがしたんだ。
「・・・。」
旬がそんな気分でこの木を眺めていると
ふいに、ウッズが声をかける
「さぁ、こっちッスよ。いつでも、木は見れるッス。
さぁ、行くッスよ。自分の家へ。」
「あ、待って」
名残おしいなと思った
もっと見ていたいと俺はその時思った
それだけ魅力なモノなのかわからないけど
俺は目が離せない程だったのは・・確かなんだ。
旬はウッズの後を追った
ウッズと歩いていくと、どんどん住宅街なのか
家がぞろぞろと見えてきた。
「うわぁ。家ばっかりそれに大きい。」
旬は、どの家も大きな家であることに驚いている。
「この辺は、王宮関係の人間が多いッスからねぇ。」
「へぇ~」
俺は辺りを見渡しながら物珍しそうに眺めた
でも・・よく見てみると
「水色の宝石・・?」
そうなのだ、どの住宅にも水色の宝石が
壁にはめこまれていた。
「・・・?」
旬は、それを不思議に感じながらウッズの後をおっていく
どうやら、ウッズの家は、住宅街から離れた方面にあるようだ。
「なんだか、どんどん住宅街から離れてきているね。」
そう聞くと・・。
「住宅街は、お金がないと暮らせないッス。懐が寒い自分には
無理な話ッスね。ほら、見えてきたッス」
切々な事情が伝わってくる内容だね・・。
それと、どうやら、ウッズの家は・・あの小さな家のようだ。
「ここが、自分の家ッス。小さいッスけど。」
「ううん。煙突がついているし、なんだかとても暖かそうな
家だね。」
「旬。あんたとても優しいッスね。まぁ、いいッス
入るッスよ」
そうウッズさんは鍵をもって家を開けようとしている
「あ、ここにも・・水色の宝石が、壁にはめこまれているね。」
俺は、ジッとウッズさんの家の壁にはめこまれている
水色の宝石を見た
「それは、シュネー国の氷宝石という。特産品ッス。」
これ、特産品なんだ・・。
「でも、どうしてこんな壁に貼り付けているの?」
その疑問を投げつけると。
「魔除けッス。自分の厄などを取り除いてくれるッスよ。」
「でも、溶けるじゃないの?氷だから。」
「大丈夫ッス。氷宝石は、少しだけ魔力を込められているッス。
だから、溶けないッス。」
「へぇ、魔力が・・」
だから溶けないのか。
その時ウッズさんは旬にこういったのだ。
「この氷宝石は、使い方次第では武器にもなるッス
中には純度の高い氷宝石は、これの倍あるッス。」
その旬は思ったのだ
「・・・殴られたら痛そうだね」
そう、痛そうな問題では済まないかもしれないけど・・。
「本当ッス。だから扱いに注意ッス。じゃ、入るッスよ」
同意するウッズ。
そして俺は家に入った
****
ウッズさんの家はシンプルだった。
でも、小さな家の割には部屋が客室、居間、ウッズさんの部屋
まであるから、広いなと関心していた。
「旬。お茶を飲むッス。そこに、座るッス。」
俺は、椅子に座りお茶を渡されて一口のんだ
「美味しい。」
「良かったッス。」
本当に美味しいお茶だった。
なにせ、ここ数日間、まともなモノを食べていなかったからな。
食べたのはあの奇妙な色をした林檎だけだったし。
旬が一息をつくと・・ウッズは真剣な瞳になった。
「旬。あんた、海の向こうで旅をしていたッスよね?」
「ああ。うん。仲間たちとね。色々あって今は別れているけど」
そう色々あって皆とは別々になった。
というより、異世界から帰還した後だから当然だ。
もちろん、そんなことは言えないけど。
「・・・あんたは、この大陸の国々の事情は知らないということ
でいいッスね?」
先ほどから、ウッズさんは俺に何か確認をしているようだ。
一体、何を確認しているのだろうか?
「・・・何かあるの?」
旬がそう聞くと・・ウッズさんは、とても複雑そうに・・。
「自分から今から、ちょっと複雑な話ッスけど
・・あんた。魔法が使えることは周囲には内緒にしたほうが
良いかもしれないッス」
「どうして?」
俺は訳が分からなかった。
「いや、正確にはこの年であれほどの魔法が使えることは
黙っていた方がいいという方が正しいッスね。」
突然のことで頭が少しだけ呆けていたが
やがて・・頭の中が冴えてきた。
そして・・ウッズさんの言葉に俺は確信した。
そう・・この国の大きな事情があることを。
黙っていた方がいいということも。
「・・・・何か事情でもあるんだね?」
旬の言葉にウッズはコクリっと肯定した
同時に何かを悟った瞳をしていた。
「・・・この国はもう終わった国。
今更、そんな話をしてもどうにもならないことッスけど」
「・・・終わった国?」
どういう意味なんだろう?
すると・・ウッズさんは・・少しだけニコっと笑って
「そうッス。あんたには少しだけ話をしていたほうがいいッスね。
この国の国内事情について。知るべきことを。」
「・・・。」
その重い口を開いたのだった・・。
ウッズの口からもたらされる言葉は何でしょうか?
次回をお楽しみに。




