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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
第3章 ~人形王女~
25/485

少年、ラミアの証言

ラミアの話。

まぁ、特に重要性はないですけど

イベントフラグってやつですね。

とりあいず、どうぞ。

俺たちに共通する赤い月

それは一体・・?

俺はただ、あの日見た月が一体なんなのか

そして、ラミアの衝撃的な発言

なぜ、俺たちに何も言わなかったのか

そして、どうして今言うのか気になったけど

その時はそんな事を考えなかった

なぜなら、考える必要性なんて無かったからだ

ただ、目の前のモノのために

信じて前を進むしか

俺には残された道は無かったのだから・・。



                      

               ********



作業を止めた俺はラミアの衝撃発言にとまどってばかりだった

だけど、事実を知りたい俺は聞くことにした。


「どういうこと?」


すると、ラミアは俺に向かって何か思い返すように語りだす


「うちもあの日見たというわけや。俗に言う、盗みの途中

 やった・・ふふっ。」

含み笑いをするラミア、俺はムッとして


「盗み?あいからず、懲りないだね。」


その言葉にラミアはハッとして笑って


「あ・・いや、ははっ。うちは呆然としていたわ

 ・・あの月は、なんとも言えない不思議な感じがする月やった

 その次の日他の人にも聞いてみたけど、そんな月は見ていなと

 言うんやで?・・変な話だと思わへん?」


確かに

俺やジン、ラミアが見たとしたら

必ず、他の誰かが見たことになる

でも、それが見ていないとなれば・・。

どういうことなんだ・・?


「旬。うちは、赤い月は何かあるはずや、と思っている」

「え・・。」


俺は思わず目を丸くした

あの月は何があるというんだ?


「赤い月は俺を呼ぶ理由になった月・・ただ

 それだけだろう?」


すると、ラミアはそれだけならな・・と呟いた

それは、そうであってほしくない

願望だった


「・・少なくても、うちも同じ考えやった

 だけど、それだけなら、と甘く考えていたんや。」


「それだけ・・?他に何かあるというの?」


ラミアは、周りを見渡して

誰もいないかもしくは聞いていないかを確認する

もちろん、今俺たちがいる場所は

人が通る所も無い場所でしているからだ

この会話も聞こえるはずがない


「まだ、確証はないけど。噂では、王族が動いているようや」

「お、王族!?」


俺は思わず大きな声になった

ラミアはその声を聞いて思わず


「しっ。」


ラミアは旬の口をふさぐ


「モガ!?モガモガァ」


俺は息ができない

く、くるしぃ

酸欠になりそうだ

顔が青くなったのを見て

ラミアは慌てながら俺から手を離す


「あ、ごめんな」

「く、苦しかった」


俺は息を吸ってまた吐く

ラミアはすまん、すまんと旬に謝る


「まだ、噂や。だけども、ただことではないと思うやろ?」

「・・けど、何で?」


王族が絡んでいるなら普通ではない

そもそも、なぜ、王族が・・?


「うちは、先月、あんたらと出逢う前。この赤い月について

 密かに調べていたんや・・その時、知った」


「何が?」


「この街と赤い月の関係・・をな。」

「関係・・?・」


ラミアは頷いた

俺は、底知れない何かを感じた



「王族がこの街に何かしようとしていると噂が出ているからな

 この街は何かあると思う」


俺はゾッとした

見えない力が動いていることが

とても恐ろしく感じたのだ


「だからうちはこの発掘は私欲でもあるけどな」


ニヒヒっと笑う

私欲も入っているのか

あいからずだね・・

そしてまた真剣な顔になり


「もう一つは、はよ、その本を開けたほうがええと思うや」

「この本を・・?」

「ああ。何が起こるかわからんからな」


俺が持っているこの謎の本か・・。

確かに、早く開けたほうがいいかもしれない

でも・・なんでだ?


「何で、俺にそこまで・・・」

「・・まぁ、理由はあるけどな。」

「理由・・?」


「そや、うちはなんとなくだけど、この本はあんたらにとって必要な本・・

 うちにとってもそう・・。」


「ラミアにとっても・・?」


「ああ。あんたの運命にはこの本は重要や」


「ラミアの目的は何なの?」


目をパチパチとしていたが

やがてラミアは苦笑をした。


「うちはな。あんたに救われた。だから力になりたい

 だからこそこの街には眠る何かが旬の力になればと思っとる」


俺はジーンっと感激した

ラミア・・お前それ程まで・・。

俺は涙が出そうだ


だけどラミアは不気味な笑い声を出した


「フッフッフ」

「・・ラミア?」


うつむいているラミア

その表情はわからないが

何気に恐ろしく感じた

そして、バッと顔をあげると


「まぁ、そのためにはここを掘って、掘りまくるやぁぁぁ。」


キランっと瞳が光って

ガッとツルハシを持って

目的のモノをまた堀まくる


何この展開

さっきまでシリアスな展開だったのに・・。

ぶちこわしだよね・・。


「まぁ、いっか」


俺はマイペースでラミアの横で発掘を続けていた

ただ、俺は疑問だけが残った

でも、その疑問に答えてくれる人はいない


「ああ~何かでるといいよね・・。」


そんなことを考えながら発掘を続けていたのだった


           ******



「ふぅ。」


俺は汗を手で拭く

働いたなぁ~

これもいい汗だ


「なんで何もでらんのや~」


ラミアは涙目だ


「確かに。掘っても出ないよね」

「ああ~なんでやねぇぇぇん」


頭を抱え込むラミア

無理も無い

あんなに頑張って堀っていたのに

結局何も出なかったから仕方ない


「仕方ないよ」

「仕方ない?それはうちを馬鹿にしているんかぁぁ」


そういってグィっと俺の襟をキュット締める


「く、くるじい」


なんか最近、酸欠になりかけが多くない?

俺、最近こうだよね

悲しすぎる

心の中で涙を流す旬

その時・・。



「やったぁぁぁ、出た~」


向こうから声がする

それに反応したラミアが手を旬から離す


「なんや?」

「ゲホゲホ、ど、どうしたんだろう」


なんとか息を整えながら

俺とラミアは声がする方へと向かう


「ああ、さっきの子たちだね」


どうやら先ほどであった人が嬉しそうにしているのをみて


「おっちゃん。何か当てたんか?」


ラミアが聞くと

その男の人は嬉しそうに笑い

俺たちに何かを見せてくれた


「そうだ、見てくれこれを」

「!!?」


俺とラミアは覗きこむと

見せてくれたのは石

綺麗な緑色をしているまるで宝石のようだ


「綺麗な宝石やな。」


ラミアがと感激している

俺もその石をみた

その時ドクンっとしたのだ

何かが駆け巡った


「旬?」


「・・これをどうするですか?」


「この街のしきたりに従って、オークションに出す予定さ」


「いつ・・出すんですか?」

「恐らく、明日だね」


旬はしばらく何かを考え

そして・・。


「そうですか・・。」

「じゃぁ。今から申請しに行くから。」


そういって去っていく様子をみて

ラミアが不審に思って旬に聞く


「一体、どうしたんや?」

「ラミア、あの石・・何かの宝の石だと思う」

「ホンマか!?」


パァっと笑みを浮かべる

どうやら機嫌がなおったようだ

ラミアが何かを考えていたのか笑顔で言おうとする


「ほな・・。」「盗みはダメだよ」


ギクっとするどうやら図星のようだ


「何で分かった?」


「・・・バレバレだよ」


ラミアが元々シーフ

盗むのが得意な職業。

恐らく先ほどの人から

盗む気満々だっただろう


ラミアはチェっと口を尖らせ


「じゃぁ、どうする?・・何か考えでもあるんか!!」

「明日。オークションをするって言っていたからね」

「成程。そこに行くやな」

「・・うん」


日が暮れていく

どうやら今日はここまでのようだ


「お腹すいたなぁ」

「そうだね。」


グキュルル~っと景気良い音が鳴った

どうやらお腹すいたようだ

ラミアは我慢できないのか


「腹減ったなぁ・・よし」


「旬、ジンの所にはよ行こう」

「分かったから引っ張らないでぇぇ」


俺はあいからずラミアに引っ張られる

引きずられながら俺はあることを思う


明日、その石が出る

俺は、何が起こるか分からないオークション

そして、ジンとの報告で何がでるのか

楽しみ・・かな。


よくある、当たってほしいけど当たらない

そんな旬達です。

こんな話だけど気に入ってくれると嬉しいです。

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