少女、救世主は突如に訪れる
2話目の更新です。
来週、また更新よていです。
ロランは・・自身が救われたことを話した
それを聞いたミリカは・・問いかける
「救われたの・・?あなたが?」
すると、フルフルっと首を横に振った
「・・いいや私だけではないよ・・救われたのは学園にいた平民だけ
じゃない貴族もだ。メノリは身分関係なしに平等だったんだ」
だから・・・救い主と言われた
「当時、学園は権力という力で成り立っていた。いくら、主
席とはいえそれでも、妬みや嫉妬の嵐だった私に・・意地
悪なことがたくさんあり非難ばかりで・・辛い学園生活を
送っていたんだ。」
遠い過去のことを思い出すロラン
辛い記憶であった同時に・・懐かしいあの頃を思い出す
それは、疾風のように現れた
救い主だった
「・・・そんな時、メノリ・カルディアが来たのですよ」
不思議な少女だった。
なんていうか・・本当に、普通の人間とは違う
雰囲気が変わっていた
そんな目立つ生徒だったから
当然、新しい転校生は噂は噂を呼び
好奇な的になった
中には、悪質な悪戯がメノリに害なす
しかし・・。
ダンっと音をたて少女が高らかに叫ぶ
(ざけんじゃないわよ!!あんたらがこの世で偉いと思うな!!私は人生の先輩として申し訳ないわ!!)
そして、貴族や王族を圧倒された
しかし、逆効果だった
ますます、メノリの風当たりがひどくなる
中には、陰険なものあっただろう・・。
それでもメノリは屈せずに・・笑ったのだ
それも見たことのない嘲笑いが・・見えた
(ふん、負け犬は負け犬ね。こんなくだらないことしか
できない奴こそ、負け犬よね・・本当にくだらない)
それに逆上にしたのはもちろん、貴族だ
王族は静観している
しかし、メノリは・・笑みは消えることはなかった
それが・・とても・・勇ましい姿だったのだ
(笑うのをやめろ!!)
貴族の罵声
(平民の分際で死刑にするぞ!!)
王族の声
すると・・メノリはニコっと笑って
(どうぞご自由に・・でも、あんたが私に勝てたなら
死刑にせよ学園追放でもいいわ。あんたたちが・・・勝て
るなら。それなら、文句はないわ。)
それは挑戦だった
すべての学生に対して・・メノリは・・挑発的に笑った
メノリ・カルディアの・・意図的な・・言葉だったのだ。
「メノリは王族や貴族の前に宣伝したのだ
”自分を殺したければ自分達が知恵で勝ちなさい”
そうすることで挑発だと受け取った王族、貴族・・そし
て、全校生徒の中でも実力のある生徒はすべてメノリに挑
んだ。」
メノリはそれはもう恐ろしい程、剣は強く
錬金術はそれはもう・・恐ろしく早くに術式を完成させる
しかも・・勉学ではロランを突き落とすかのように・・主席になった
ラミアは・・その内容に何か気付いたのか
「・・・あんたと同じように負けたんやろ?」
「そうだ。」
自分も同じように挑んだ
そう、学園全体を巻き込んで
すべての優秀な学生はメノリに挑んだ
しかし、どの生徒も負け
しかも、コテンパンに・・。
だが、メノリは・・・さらに笑うのだ
(もし、あんたたちがこれが終わるのならもっと挑みなさいよ
・・天才を突き落としたいのなら全力で挑みなさい。
あんたたちの意思が強いならそれぐらいできるでしょ?)
メノリは横暴な人でもあった
暴君に近い存在でもあった
メノリは鬼だったが
でも、そこに優しさがあったのだ
なんていうか・・アメと鞭だったのだ
「うわぁ・・お母様、ある意味最強ね。」
普通の平民ならもう処刑レベルじゃない?
「本当ですね~そんなことをしたら即死刑ですよ。」
「ああ。だが、なぜかそういうことは起こらなかった。
メノリ・カルディアを死刑にすることは誰もできなかっ
た。さらに、気付かば・・奴の手によって学園は変わった
のだ」
腐敗していた学園はメノリ・カルディアによって変わった
それはもう・・信じられないほど
「あんなに傲慢だった奴らの変わりようは驚きだった。
ほら、恐ろしい奴だろう?」
「まぁ、確かに・・そうよね。」
お母様は・・色んな意味ですごい人だった
昔のことなんて一度も子供には言わない人だったから
なんていうか・・言葉を表すことはできない
「ははっ・・今でも忘れない・・悪魔のように・・うん・・。
笑う姿は・・なんていうか・・うん・・うん」
ロランの身体は震えている
本当に何をしたんだろうか?
問いかけたい
色んな意味で大変な学園生活だっただろう
今、あたしの頭の中で・・あたしと同じくらいの年の少女の高笑いが見えたのだ
本当に・・一瞬だ。
「・・・でも、もういないんだろう?あんな高笑いや悪魔の
笑みをしたあの・・メノリの顔は。」
あたしの国で起きたあの事件は忘れることがない事件だ
それはもう・・。
「ええ。もう・・。」
ロラン博士は・・とても寂しそうだった
「あの・・お母様に何か聞いていませんか?」
「メノリのことかい?」
この博士なら・・何か知っているかもしれない
「ああ、多少のことなら。」
ミリカは決意して・・。
「・・・これを見てください!!」
「み・・ミリカ様!?それは・・!!」
ミリカの懐から・・・黒い手帳を出す
その黒い手帳を見た途端
博士は、驚愕し、
「これをどこで・・!?」
すると・・ミリカは・・困った顔をして
「・・・ああ、お母様の遺品を整理していて・・その
・・・なんていえばいいかしら?」
言葉が続かないのか・・ミリカは小さくなる
ロランは・・何か悟ったのか
それ以上追及はしてこなかった
「・・・あんさんは知っているんか?」
すると・・・ロランはコクリっとうなずく
「それは、メノリ・カルディアが生涯を通して学んだ術式や
未発表を含めての手帳なんだろう。知っているよ同じ学者
だから・・その黒い手帳のことを」
「この手帳はなんなんです?」
ルークが聞くと
「中身が見れないから詳細はわからないが
おそらく、錬金術やこの国の歴史についてだろう」
すると・・ロランは真剣になる
どうやら・・これは・・お母様の秘密の手帳ってことね
「メノリ様は、かなり歴史に詳しい方でしたっけ?」
「いいえ、お母さまの得意分野は・・あれ?なんだったかし
ら?」
「メノリの得意分野は”構想”だ」
「構想?」
「そうだ・・奴は、あらゆる謎を挑んでいた好奇心旺盛ゆえ
にそれゆえに、この黒い手帳に歴史の答えを構想していっ
たんだ」
「・・それは・・」
ルークの顔は青ざめた
「ルーク、どうしたの?」
「過去や未来に答えをだしていた・・それがこの手帳なんですか?」
「そ、そんなできるわけがないわ。答えなんて・・!?」「できるんだよ。」
「えっ・・。」
「メノリ・カルディアは・・天才だった。できすぎだった。
・・やつは、答えを知ったのさ」
「・・・!?」
できた・・ということなの?
過去の答えは正解なんてないはず
なのに、それができたなんて
「だから・・挑んでいたんですね・・・メノリ様は」
「そうだ。その結果的・・死ぬことになった
・・メノリはあまりにも知りすぎたその結果だ」
「お母様は・・・死ぬことが前提だったの!?」
そんな・・馬鹿な!?
「ただの・・学者だったのよ!!
ただの学者でほんの少し偉くて、あらゆる物事に精通して
いてすごい人だった・・それだけだったはずよ!?」
「・・そうですよ!!」
死ぬことが前提だったなんて
そんなの違う
二人の反論に・・ロランは・・言ったのだ
「ただの学者じゃなかったんだ。メノリ・カルディアは
もっとも禁忌に近づきすぎた者と呼ばれる程の・・学者
だったんだ」
「な・・・禁忌に近すぎた・・・?」
何よ・・どういうこと!?
今まで信じられないことが頭にめぐる
痛くて
痛くて
吐きそうになる
現実感がわかない
たまらない・・警報が響く
それでも・・あたしは聞いてしまう
「どういうこと!?」
「メノリは、人が知ってはいけない領域を知ったんだ。
錬金術や魔法・・あらゆる分野の禁忌に触れたんだ。・・・。」
ロランの一言に・・ミリカは動けなくなる
頭が働かなくなるほどに・・!!
ルークは黙って聞いている
「それが・・この黒い手帳の正体ですか・・。
人の究極の禁忌の材料ですよね。
この手帳」
「・・・ばかなといいたいわな。
だけど、おそらく真実やろ・・これは」
それは・・ミリカの頭の片隅で消えてはなくならない
そして・・・ロランにぶつけるのだ・・その気持ちを
「あなたは何を知っているというの?お母様のことを!!」
ミリカは問いかける
「私は、魔法歴史を専攻にしているが、禁忌に触れた者についても
研究をしているんだ。もちろん、メノリだけを対象としていない
あらゆる歴史の闇の人物たちに迫ることにしたんだ)
「・・・なんか・・分かったんか?」
これは、ラミアは驚いていた
そう・・・それは・・同じ人間を知っている反応なのだ
「大昔のこと、メノリのように同じ禁忌に触れた者がいた
その者は、詳細は不明だが神の怒りにふれ
呪われたそうだ」
「呪われた・・?」
「呪われた詳細はないが・・そのものは、結末には長い歴史を
歩くことになったそうだ」
「長い歴史?」
「そうだ。お前たちも古い書物があったら調べることだな。
有名だぞ。」
古い書物
「ここにはないの?」
「ああ。なにせ、中央にしかない本だからな。
それか古い村や国だ。」
「そなんやな」
「でも、その最初に呪われた人は、そんなひどい呪いじゃないでしょ?
じゃ・・お母さまと関係ないんじゃ・・?」
「それがそうでもないんだ。呪われた者は、数奇な運命を
全員辿っている」
「数奇な運命・・?」
「そうだ。人が体験するはずのないことを
彼らはたどって消え去っていった
・・君は、もう理解しているな。その先のことを」
死へと・・・・?
だけど・・あの時違和感がいくつかあったのは確かだ
あれほど強い母がなんで抵抗もせずに亡くなったのか
その理由が今ならわかってしまう
でも、否定したい
ミリカは手を握りしめる
「わかっているわよ・・そんなこと・・でも・・でも」
涙はポタポタと流れる
誰もが何も話せない
静寂が続く
「あたしは信じたいのよ!!
お母さまは、ただの偶然による事件で亡くなったってそう
信じたいのよ・・。」
お母さまは確かにお父様と一緒に・・崖の底に落ちた
でも・・それが運命だというのなら
「こんなの・・悲しい運命じゃない。」
誰も何も言えない
やがて・・ミリカは・・・。
「・・・ねぇ、あなたは・・それは推測上だといっわね。根拠はあるの?」
「・・・推測の上であるけどね。根拠はない」
ロランの答えに・・ラミアが・・騒ぐ
「な・・・なんや、あんた!?根拠がないくせにいったんか!?」
ラミアは怒鳴る
それはもう激怒していた
だけど・・ロランの顔は・・どこか今までと違った
真顔なのだ
「ただ推測上ではあるが、嘘ではない。多少に魔法歴史は嘘
だってあるだろうでも、その中には真実だってある。」
ロランは静観している
学者というのは、第三者だ
だからなのか・・。
物事に心を傾けたりはしない
つねに
「・・・学者としての答えなんですか?ロラン博士」
ルークが鋭く尋ねると
ロランはやがてフゥっとため息を吐く
「これは本当のことをいえば私の答えじゃないんだよ」
「答えじゃ・・ない?」
「メノリが望んだ先の運命が死なんて本当は認めたくない
だけど・・それも一つの結果なんだ」
苦悩だ
信じたくない気持ちだったある
だけど・・それもまた事実なのだ
「・・・分かっているわ。あたしだって認めたくない
でも・・事実として心に留めておくわ・・。」
「ミリカはん・・うちは・・。」
「・・いいの。あんたたちが怒ってくれたのがうれしかった」
「・・そか、それは良かった」
ラミアはニカっと笑う
「怒ってよかったですかね?むしろ、煽ったほうが」
どこか煽るしか言わないやつにムカッときたのか
「あんたは一言を多いのよ・・ったく」
そのミリカ達の姿を眩しいのか
どこか、ロランは懐かしそうに思い出すのだ
昔の自分を重ねる瞬間を・・。
「ははっ。仲良いね。君たちは」
それをみていたロランは笑いだす
「ほら、笑われたじゃない。恥ずかしい・・。」
頬を赤くするミリカにロランはニコニコっと笑う
「・・君がその手帳をもっていてよかったよ」
「えっ・・。」
そして、ミリカに・・向ける瞳は真剣だった
「ただ、君がその手帳を持っているのなら覚悟をすること
だ。禁忌の謎を解くことにつながるが、同時にそれをうば
うために命を狙う者も出てくるはずだ。」
ふと、黒い手帳を見ると
うっすらと光った黒い手帳
どうやってすれば開けることができるのか
その手順すら今はわからない
これは、とても価値あるもの
究極的な答えをもつ手帳
これを持つということは・・危険なことはいくらでも起こるということ
分かっていた
本当は・・。
でも、手放すことなんてもはやもうできない
だってこれは・・これだけは
「これだけなのよ・・お母さまと今も繋がれるのは
これから何がおころうと大事に守り通すわ」
手帳をぎゅっと胸に抱き
守るように抱く
その言葉に・・ロランは・・口元を緩めた
「そうか、それが君の覚悟なんだね」
覚悟・・か。
そうね、そうなるわね
「僕もいますよ、ミリカ様。守ります。メノリ様の大事なモノは」
「うちもや。ミリカはんのお母はんの大事なものやし
うちも守る。」
「ありがとう。」
ミリカはうっすらと涙を浮かべた
「・・・よかったね。君もよい仲間に巡りあえた
きっと、この手帳は君の手で解かれる日がくる
そう思うよ」
ミリカの頭をポンっと優しく撫でてくれたのだ
「・・・ロラン・・博士ありがとぉ」
ミリカはうるうると瞳を潤ませながら
やはり・・・優しい瞳をしている
なんていうか不思議に落ち着いてくる
ロランは・・そんなミリカを見て
「・・・君ならば、スタイン博士のことも話をしておくべきだな
いや・・知っておくべきだ」
「なんや?何か知っているんか?」
知っておくべき・・だと強調したロランにラミアが奇妙な顔になる
「スタイン博士の孫の君ならば知らないと困るんだ。
スタイン博士は・・なぜ、巨万の富を得ることになったの
かそして、この時代の変革について・・ね
ロランは、そういって
茶色の濁りも一切ない知的の瞳をミリカを鋭いまなざしを向けたのだ
ミリカはただ喋ることも動くこともできなかったのであった。
明日は、こぼれ話を追加します。
少年、異世界の方ではなく
少年の異世界回顧録を連載します。
つまり、ごぼれ話です
どうか、そちらもみていただけると嬉しいです!




