少女、笑う悪魔
その少女~から、吸収された話を連載を引き続き開始します
では・・。
あたしは、お茶を飲んでいた
この人に家を通されて
なんか知らないけど
おもてなしされている
「どうやら、好意的にみられているようですね~」
「確かに、そうみたいや。お茶・・毒入っていないもんな」
ずずーっと飲むルークとラミアに、ミリカは呆れる
「あんたたちというやつは・・緊張感ないわね」
ミリカは再び部屋へと視線を戻す
なんていうか、本ばかりの部屋だ
だけど・・不思議と居心地がよさそうな部屋だ
よく見れば若そうな雰囲気だ。
”20代”と言っても過言じゃない程だ
髪は茶色で瞳も茶色
でもその茶色の瞳は知的な雰囲気を晒していた。
「でも、ロラン博士は、確かもうすぐ40代近いといってましたけど
若いですね~」
「そやな。」
えっ・・40代!?
ありえない
この人が・・高名な博士・・・!?
ロラン・ドランド
魔法歴史学の学者・・。
「君たちはスタイン博士に何の用だったのかな?」
ソファに座って早速話だすロラン博士
ニコっと温和に優しくと問いかけてくる
なんか・・緊張してきたわ
「あ・・あの、あたし・・スタイン博士の孫なの」
すると・・男は驚く
「君たちが博士の・・孫?」
あたし、ラミア、ルークを見て驚く
そりゃ・・驚くかもしれない
「正確には私が孫よ。孫。祖父の顔は知らないけど」
「本当なのか?」
信じれなさそうにジト目だ。
むしろ、信じたくなさそうだ
「疑い深い顔をするのはやめてくれない!?・・・証拠はあるわ。」
「証拠?」
「ええ。私の母親が、メノリ・カルディアなんだけど」
すると・・・。
「・・・!!」
その時、ズザっと音をたて・・下がる・・それも一歩・・三歩だ
お母様の名前を出した瞬間・・下がったのだ
しかも、顔色が・・なんていうか・・顔が白い
「め・・・メノリ・カルディア?う・・嘘だ!!」
かなり動揺しているようだ
「あ、あの女の娘!?ありえん、嘘だろ!?」
疑惑の目をされている
本当・・なんだけど?
しかし、信じ切れていないようだ
ラミアは・・フゥっと呆れてニヤリと悪徳に笑う
「ミリカはん、証拠みせればええんや・・たとえば
そーやな・・母親がどんな人物であり特徴的なこととか」
「そうですよー信じてくれなさそうな人ですし」
なんていうか二人ともひどいわね。
というか面白がっているわ
仕方がない・・信じてもらおう為にも
「・・そうね。お母様は・・容姿のことを話せばいいかしら?
それともお母様がクランティア王国の・・妃になったことでも?
それとも・・学園に入ってたことも?」
すると・・・ロラン博士は・・その発言によって
ミリカの顔をみて・・さらに動揺する
「まぁ、いいわ。あたしはミリカ・カルディア・ラゥ・クランティアというの。クランティア王国の第2王女よ。」
「・・・!!」
男は・・やがて・・・。
「その・・まだ信じられない?姫ということより・・あたしが・・その」
小さく・・お母様の子だということを・・。
すると・・ロランはハッとして
「い、いや、今の君の発言で十分だよ。容姿は・・・
よく見れば似ているよ・・うん。」
「似てるの?」
「似てる、にてる」
何やら冷や汗をかいている
顔はさらに白くなる
ラミアが・・ジッと見つめて
「どうしたんや。この人、冷や汗かいているで?」
「本当だー、汗びっしょりですねー。タオル貸しましょうか?」
博士はとても震えている
とても・・とても寒そうに
それはもうここが極寒か何かのように震えている
「博士、あなたは・・お母様の同期の方とお聞きしました」
すると・・ロランは震えるのだ・・さらにそれも悪夢をみたように
「お・・・おおおお思い出したくないあ・・あの悪魔の話は!!」
ブルブルっと震えている
「あ・・・あのロラン博士・・?」
「大丈夫か?博士はん、ほら、水や。落ち着くんや」
「あ・・ありがとう」
水をゴクゴクっと飲んで・・やがて
「お・・落ち着いたよ」
「大丈夫ですか?博士」
ルークが聞くと・・・。
震える口からロランは語る
「私はね、王立アカデミーの主席だっただよ。」
「ああ。」
ポッリ・・ポッリっと語りだす
「あいにく私は貴族や王族でもない平民だった。
それでも誰にも負けたくなかった・・主席になったときは
とても喜んだよ・・とてもね」
それは最上の喜びかもしれない
誰も取れない栄光を彼は掴みとった
しかし・・。
「ところが、メノリ・カルディア・・奴が、この学園に転入したことで私は・・私は」
ある日銀色の悪魔がきた
笑う悪魔がきた
そして、悪魔は私より・・・天才になった
そのとたん・・・ラミアが一言・・。
「なるほど、次席に落ちたということやな」
ピシャーンっと今音が鳴ったわ
「くっ・・・」
何かの壊れる音が聞こえドザっと落ちた
主にロラン博士の身体が
「・・ちょ、しっかりせいや」
ラミアが慌てて起き上がらせる
「あの・・あくま・・・あくま・・あくまのせいで
私の学園生活がぁぁぁぁ栄光が砕け散ったぁぁぁ」
あの頃を思い出して泣いているわ
ミリカ達はロランの取り乱しように・・。
「・・・かわいそうね。不憫だわ。」
「・・・そうですね。」
「・・・そうやな」
三者三様に不憫、不憫と言っている
博士は、ううっと泣いて震えている
よっぽどな状況だったのでしょうね
お母様・・・なんていうことを。
でも、多分お母様は悪気がないと思いたい・・。
「ほら、ハンカチ貸すから・・涙を拭きなさい」
そう渡すとロランはハッとして
ハンカチを受け・・涙を拭くそして一言、救いをみたかのように
「君はメノリ・カルディアの娘にしては優しい。
うん・・うん。」
なんか・・感謝されたわ
よっぽどのことをしたのね・・きっと。
ラミアは同意しているのか
「よっほどの人やったようやな。あんさんの母親。」
「ええ・・・そうみたいね。」
あまり覚えていないけど
お母様・・大変な存在だったようね
ハンカチで涙を拭いて
ようやく・・かなり落ち着いたのか
「・・・とはいえ、失礼した。メノリ・カルディアは私を次
席に落としたことは忘れないが・・恐ろしい女だった」
ようやく冷静になったようだ
「恐ろしい?」
知的な茶色の瞳が揺れる
「・・新しい術式を展開し、そして錬金術をあらゆる練成の方法を探ったどこまでも恐ろしい女だった。」
そこまで・・すごい人だったの・・?
あたし・・何も知らないのに
ロラン博士の口からは母はどんどん知らない人の話になってくる
「・・・先ほどから恐ろしい女・・ばっかり言っているわ
な」
ラミアが問いかける
すると・・・ククッと笑ったのだ・・ロランが
「そりゃそうさ、我が母校のアカデミー学園ではこれまでに
もない天才だった。私は何度も彼女に挑んだ。しかし、そ
のたびにメノリは私を叩きのめすだよ。あらゆる面で私を
打ち砕くためにしかし、私は負けなかったどんな時
も!!」
そのなんか演説っぽくなっているわね・・うん。
黙って聞いているミリカ
「えらく、執念深いわぁ」
ラミアがちょっと引いている
「本当ですね。」
「うんうん」
それぞれがうなずく
「博士は・・その、栄光を取り戻したかったの?」
すると、ロランはうなずく
「それは、私だって主席を取り戻したいからさ。だから実力
で真正面から向き合ったしかし・・奴は、本当に天才だっ
た。だが、一度も勝てないという屈辱感が続くのだよ」
「・・うわぁ。」
その様子は、思い出すたびにロランは震えている
どうやら、相当な屈辱だったに違いない
「でも、その割には博士・・震えているけど・・少し、嬉し
そうですねぇ」
ルークの指摘に・・ロランは笑う
「・・・そうだろうな。私にとって、メノリ・カルディアは
恐るべき女だったが・・だけども・・信頼できる学者だっ
た」
「・・・!」
信頼できる・・学者?
「王立アカデミーは、権力が強い学園だ。だから、私は実に
いえばあまりよく思われていなかった。だから、彼女の存
在はまさに・・・救いだった。」
王立アカデミーってそんな所なのね
「なんや、平民だって通えるんやろ?」
「いや、平民でも身分が存在する。王立アカデミーは
黒い闇があったんだ・・権力という闇に」
ロラン博士は・・厳しい顔をした
「でも・・・あなたは、救いだったと言ったわ。」
ロラン博士にとって母は・・救いだったの?
「そうだよ。私たち学者にとって・・救いだったのさ。
本当に・・恐ろしい憎らしい程ね。」
懐かしい過去を思えば
遠い過去でも思える
厳しい顔をしたロランが・・なんだか、嬉しそうな顔になったのだ
それは・・どこか・・懐かしい思いをしている
ロランは・・ミリカたちに優しく・・笑ったのだった
次回は、今日の夜に掲載します。
夜のやつは大幅は書き足しを行っていますので
お楽しみに




