表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
第1章 ~少年、異世界に渡る~
2/485

少年、決意する。

少年シリーズ更新です。

少しずつですが、更新していきたいと思いますので

よろしくお願いしますね。

いや~世の中分からないよね。


本当にそうだ

友達とゲーム帰りにいきなり激しいめまいに襲われ

気づけば見知らぬ世界

おまけに退化するし、狼に襲われそうになるし

どれもありえないくらい貴重な体験だね。本当に

それに、俺、魔法を使うのは初めてなんだよね

すごくワクワクもしている反面

どうなるだろうこれから

途方にくれそうだよ・・。


                   *************




ぐぅ~っと景気の良いお腹の音がなる

お腹がすいた・・。

そういえば、何も食べてなかったな。

友達とのゲーム中、飲食しなかったしな

思わずジィ~っと狼を見る

美味しそう・・思わず涎がでてしまう。


いやいや喰っていいのか?

目の前の黒こげで香ばしい匂いも放っている

う~ん、食べるのもかわいそうなような・・。

悩む、旬。


ぐぅぅ~

やっぱり腹減ったよ。

果物の採取は全然わからないし

魚なんて自分で取れるかどうかすら分からない

しかも、この身長や、この手で掴むことも採ることも

難しくなりそうだ。うん、喰おう

旬はこの時、迷うことはなかった。

なにも喰わないのもちょっと嫌だな

そう結論に至った俺、早速森の奥に狼を引きずって歩いた


重いな。この狼

俺、現在っ子の特有のひ弱だから困ったな

そうだ!!

空間系の魔法も使えるかも


「ムーブ」


すると、狼がふわふわと動く


「すげぇぇ」


俺、すごくね?

うきうきしながら森の奥へと機嫌よく歩く旬


ドサっと狼をそのへんに置いた


「美味しそう・・。」


真っ黒毛になった狼

食べるもいいかも

ダラっと~よだれがでてくる


でも・・

なんだかかわいそう


いや、そんなこと考えては駄目だ。

でも・・でも


実は旬は犬が好きだった

その犬を食べるのは・・。


ジィーっと犬を眺めた旬


つぶらな瞳の目は虚ろなんだけど

犬好きにはできない!!

俺の良心が試される一瞬だった。

食べたらきっと・・美味いだろうなぁ・・。


どうしよう

食べたらきっと、後悔するかもしれない

うん、やっぱりお腹がすいてもやめよう


旬の心は、葛藤で頭がいっぱいだった

食べるべきかそうするべきでないかというくだらない葛藤が・・。


そのとき、狼がジィ~っと俺を見ていることに気付いた


瀕死なのにそんな虚ろな瞳で俺を見ないで欲しい

おれ悪者じゃないか!?

狼は尚も、虚ろな瞳で俺を凝視している


こうなったら、仕方がない食事なんて水でなんとかなる!!


人間、水で生きているようなもんだ


そうだよね・・うん!


まずは・・・うん


こいつを助けてやる


旬の良心が復活した瞬間だった。


やってやる

俺は、呪文なんて知らない

ただ、こうなれば助けられるじゃないかと

つい口だしてしまう


「この狼を助けてあげて」


すると、狼の身体が淡い光に包まれる

傷も黒こげも異常状態を治す

すげぇぇ

俺、なんでもできるじゃ・・。

詠唱使わなくてできる無詠唱か!?


「ふぅ~」


旬は汗を拭く

いいことした後はいい汗をかくな


「ヴヴッ」


綺麗になり無傷に戻って狼が起きた


「ヴヴ~」


っと、今度は旬を威嚇する

お、怒っている

食物対象として見ていたことがこの狼は怒っているのか?


「やっぱ・・俺殺されるかも・・。」


二度目のピンチ!!

どうなる俺

どうする俺


呪文は何を使えばいいんだろ

あたふた考えても何もでてこない

ど、どうしよう

思わず自分の身を守るように身体を庇う

すると、狼が旬の手をペロペロ舐める


「・・?」


ぐぅ~っとお腹がなる

お腹が鳴る・・。


その音を聞いた狼はクルっとどこかにむかっていった



「・・・?」


俺、助かったみたいだ

俺の手を舐めてどこか行っちゃった。

もう帰ってこないかもね


晩飯が行っちゃった・・。

まだ少し未練が残っていた旬だった。



ひもじいよ

お腹がすいたな


旬はひもじい中、必死に空腹を耐えていた。


グルルル~っとお腹がなる音が止まらない


ここ異世界だから何もない


コンビニに行きたいしレストランにも行きたい


邪なことを考えている自分が哀しい


「ガウ」

「うぉっ」


いきなり狼が現れたので旬はバッと起き上がり

身構えるが狼は口と背中に何かを持っていた


「な・・何だ」


狼が口にくわえているのは魚

背中には、果物だ・・!

そして、ソッとその辺に果物を置いて後退する


「・・・食べていいの?」


狼がうなずいた。


「あ、ありがとう」


思わず手がのびガブガブっと食べる

魚なんて、レアだけど関係なかった

それほど、自分はお腹が空いていた

狼はその辺で寝ている


「ふぅ。」


満足したのか旬はお腹をなでる

食べ終わった旬を見て狼が目を開け、

近寄ってペロペロと旬の頬を舐めた。



「ありがとな。俺は旬。」

「ガウ」


ガウという鳴き声意外何も言わない

犬だから当然か


「助かったよ。これもお前のおかげさ。」


俺の最初の異世界の食物は狼に恵まれてから始まった

動物に恵まれるって・・すごく情けないよね俺

だけど、葛藤のおかげかもね。

あの時助けずに食べていたら・・うん、やめよう

何気にグロテクストだ



ふわぁぁぁ~

思わずあくびをする俺

もう眠いな

今日のことは明日に回そう


とにかく寝る

お腹一杯になったし

ゴロンっと横になる

狼も旬を守るように横になる


「おやすみ~」

「ガウゥ。」


一人と一匹はすぐ寝入ってしまった

俺は夢を見ていた

家に帰る夢を

母さんの小言を言われながらご飯を食べて

学校に行って

友達とゲームして

幸せな夢だった


パチっと目が覚めると

それが夢だと俺は後悔した。


「なんだ・・夢か」


朝日が目にしめた

どうやら夜の森から一夜を明けたようだ


やっぱり昨日のことは夢じゃないんだな・・。

あたりは、木ばっかりで隣には狼が旬を守るようにいる

のそのそっと旬は顔を洗おうと思い川を探す

狼を起こさないように


「あっちかな?」


水の音が聞こえそっちの方へと歩く

川というより小川だが、旬が顔を洗うにはいいスペースだった

バシャバシャっと顔を洗った



俺、これからここで生きなければいけないのかな

水に写る自分を見てため息を漏らす

こんな小さな体でどうしろと?

手も小さいし、全体的世間では、保護されるべきの子供だ

はぁっ、とため息を吐く

あの月は確かに俺の願いを叶えてくれたけど

願いとは反対になぜ俺はこんな世界にいるだろう・・?

分からないことを感じていても仕方がないな


どうせ、いつか分かることだ

今はそれよりも自分のことをなんとかしようか

今の自分はなんだかとても高揚している


「なんだか、とっても楽しいな」


予想外なことは多いけどな

知らずうちに笑みを浮かべる

だって魔法を使えるようになった

ゲームだと思っていたことが出来た

これだけで、すごいことなのに


これ以上、俺は何を望んだらいいんだろう・・?


旬は、その時・・明るい事しか考えられなかった


なぜなら、旬は元からポジティブな性格だったからだ


そうだ、俺これから魔法の特訓を始めよう

そして、狼に採集の仕方を教えてもらおう


「くぅ~ん」


旬の臭いを嗅ぎ慣れてしまった狼は寄り添うように旬の傍にいてくれた。


俺を心配してくれたのか

思わず感動した俺

やっぱり、誰かが傍にいると嬉しいよ

旬は狼の頭を撫でる


「おっ、ごめんな。顔をあらっていただけだ」

「がう」

「心配してくれたんだな。ありがとう」


この狼にもものすごく世話になっている

多分、俺の予想じゃ今から頼りになるはずだ


「なぁ。いつまでも狼扱いじゃだめだな」

「クゥ?」

「名前だよ。お前の」


狼が不思議そうな顔をする

名前を与えた方がいい

その方が呼びやすいし

これから、頼りになる存在だから


「そうだ。今日からお前の名は、ジンだ」

「がう!!」


喜んでいるのか嬉しそうにはしゃぐジン


ぐぅぅ~っとまたお腹がなる


「まずは食料からだな、教えてくれ、ジン」

「ガウウ」



こうして俺はジンと共に異世界ライフが始まった

生活苦労が多いけど一応俺は魔法は使える

ここで生活に約に立つに違いない


「行くぞ!!ジン」

「ガウ」


森へと戻っていく旬

楽しくなりそうだ



おれは絶対生き延びて見せる!!



そして、俺は後に・・。


あの時こそがもっとも、幸せだったと。


思い返すことになる・・。

これから更新を続けますので

どうかお見逃しなく

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ