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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
第9章 未来のために   ~過去と現在を結ぶ・・最後の糸~
199/485

少年、すべてのために

旬編です。すこし、コメディーを入れています

では、どうぞ

俺は夢を見ていた


一人の神の話だ。


優しく誰よりも優しかった

だが、やがて人間の欲望に神が叶えることは難しくなった


神は嘆いた

願いにより人間が争いを始めることに


神は憎んだ


人間さえいなければ・・。と


そうだ


そうだ


自分の力で造った作品を


完成したのが・・”ニルの絵”であったことを


この絵を見た時


これこそが自分だということを・・錯覚したのだった。


このゆがんだ自分こそが・・と。


               ****




俺は、落ちる夢を見ていた


底のしれないどこかに落ちる夢


手を差し出しても・・誰も


助けてはくれない


「うわぁぁぁぁあ」


と声をあげていると・・グンっと誰かが

自分の手を握ってくれていた


誰・・?


ダイジョウブ・・。


えっ・・。


「大丈夫だよ・・少年。」


えっ・・!?


その人は・・。


その人は・・。


「うそだぁぁぁぁ」


と俺は思わず声をあげていた


目をパチっと開く


「こ・・ここは」


アニマが心配そうに・・いや、哀れそうな目で

俺を見ていた


(ゴシュジン・・ダイジョウブカ?

 スゴイコエダッタダゾ?)


「う・・うん」


「旬、起きて良かったわ。何かにうなされていたみたい

 だから心配していたのよ」


そこにはミリカが心配そうな顔をしていた

俺は、どうしたっけ?


確か、覚えているかぎりは、確かニルと対峙して

ニルが逃走した時


ミリカが俺とアニマ、ヤドリを掴んで・・ニルの逃走を追って


俺は・・気絶した


「ミ・・ミリカ。」


「旬、とにかく良かった。さぁってと」


ミリカは立ち上がったその顔に俺はビクっとする


なんだか、恐怖をかんじたのは気のせいではない。


そして、ミリカはギギギっと音をたて

誰かを見ていた


もちろん・・視線の向こうでは・・


「ZZZ・・お腹一杯・・もうたべられない」


ヤドリは幸せそうに寝ているのを、ミリカは・・

ツカツカっと歩み寄り


「ヤドリ、起きなさい!!いつまで寝ているのよ!!」


ドガっと腹に一発・・その瞬間に


「グヘっ!!」


蛙のうめき声のような声が聞こえた

涙目でヤドリは起きて


旬を見るなりさらにウルリっと目に涙を浮かばせ


「ひでぇ、旬とアニマの扱いが違うじゃないかぁぁぁ」


「起きるのが遅いからよ。さぁ、立って」


「ひでぇ。俺っちもう涙しかでない・・。」


涙目のまま、ヤドリが立ち上がる

俺はヤドリを慰めるために


「ほ、ほらハンカチあげるから、泣かないでよ」


旬がハンカチを差しだすと涙目のまま


「旬、お前優しいなぁ・・どっかの暴君とか違うぜ」


ハンカチで涙を拭くもちろん、地獄耳のミリカは


「何か言ったかしら?ヤドリ。」


その般若顔に思わず、ひぃっと旬は喉に言葉飲み込んだ

残念ながら当事者であるヤドリは


「な、なんでもないデス」


(コワイナ。キオクヲトリモドシアアトノツヨキト

 イマノカンジハ。)


すると、俺は同意するように頷いた


「もう、ミリカには・・怖がる必要性はないとおもうだよね

 真実を知ったら」


真実は、重いものであるが、同時に・・優しいものでもある。


ミリカの母親はきっと優しい人だっただろう

強い人だっただろう


それだけ分かれば・・十分だ


(ゴシュジン・・。)


逆に、ニルのあの瞳をみたら・・ゾクっとする

あの・・冷え冷えした瞳を。


「僕だって怖くはないさ・・コワクナイヨ・・といいたいね。

 でも、奴の中にある憎悪の声が聞こえて怖い」


「憎悪の声?」


「・・・恨んでやる。苦しめたい。それが声となって俺に伝わってくるんだ

千里の時も聞こえたよ・・ニルは憎悪の塊だから・・恐怖だったのさ」


それが、恐怖だった。

ニルは、人間を恨んでいる


「大丈夫よ、旬。」


ミリカは俺の前で微笑んでいた


「ミリカ?」


なぜ、笑っているのか分からない

でも、ミリカは前を見つめていた


どこまでも・・強く


「・・・あたしだって怖いわよ。でも、お母様の無念を晴らしたいわ

 そして、それには恐怖を乗り越えないといけない。」


ミリカもきっと恐怖はあるだろう

今も・・


でも、ミリカは強かった・・特に記憶を取り戻してから

俺も・・もっと、強くならないと自分自身に


「・・・・そうだね。」


悩んでいても始まらない・・か。


ミリカは・・顔をうつむかせ


「ニルは悲しい神よ。あたしたちができるのは・・終わらせること」


「そうだな。俺っちたちだけでどこまでできるか分からないけど

 俺っちはできるような気がする・・。」


(アニマモ。デキルカギリスルヨ。ニゲナイヨ・・

 ドンナニツライコトデモ。)


三人とも決意と強い意志が伝わった


俺も・・最期まで頑張るか・・。


「うん・・ありがとう。でも、ミリカ・・俺達

 確かニルと一緒にいたはずだよね?」


すると、ミリカは思い出したのか自分の頭をグシャっと

弄る。


「弾きだされたのよ。あたしたち」


「弾きだされた?」


「そう。アイツにね」


あいつ・・って


「もしかしてニル?」


「そっ・・転送の途中にニルの強い力によって

 あたしたちも弾きだされた・・まぁ、ここは最深部

 みたいだし、そこまで遠くはないはずよ」


「最深部・・って、いやに・・青い空間だな」


ヤドリは気付いたのか辺りを見渡した


「確かに、海にいるようだね・・この色。」


この世界は色素が青かった

何もかも・・。


ミリカは、


「・・それもそうよ、ほら」


指をさす・・すると、今まで見なかった場所に・・


「な・・こ、これす・・水槽だよな?」


水に反射しているから青いのか・・?


「でも、人はいないみたいね。」


ミリカは恐ろしい話をしだした。


「ひ、人?」


ミリカはニヒっと笑う・・それは悪徳の顔だ。


「・・ずいぶん話に聞いたことが会ってね。

 行方不明の人間たちはどこにいるかって一度話題になったことがあるの」


「・・話題?」


なんだか、聞きたくない話だ。


「・・・ええ。で、もうひとつ面白いうわさがあって・・その人たちは

 水槽の中で眠っている・・・とね?」


「「ひぃぃぃぃ」」


な、なにこの話・・軽くホラー

ホラーだよ


すると、ミリカはあははっと笑いだす


「あははっ、冗談よ。冗談・・そんな噂。嘘に決まっているわ

 ほら、この水槽触れてみなさいよ・・」


「えっ・・」


「ホログラムよ。触ったら消えるわ。」


すると、俺達が触れてみると、消える。


「本当だ・・ホログラムだ」


「嘘・・だろ?」


「でしょ?あんなのただの噂よ。あたしだって信じていないわ。」


「・・・そうだね・・。」


本当にホログラムで良かった。

もし、ホログラムではなかったらどうしようと旬は身震いした。


「どうやら・・この空間は、ニルにとって重大な空間みたいね」


「・・・そうだね。」


俺達は歩き出す


水槽がずっと・・・続いている

ホログラムとはいえ・・気味が悪い


「この空間はプログラムの世界だよね。」


すると、隣にいるアニマが頷く


(アア・・コノセカイヲササエテイルノハ

 ニルジシンダガ、ジッサイハ・・

 プログラムデササエテイルンダ)


「そうか、だからこの世界は捨てられても

 プログラムあるかぎりは・・」


(ソウイウコトダ。ニルハ、ソノプログラムノ

 ナカノ”ハカイシステム”ガメアテダッタ

 アノ、システムダケハモチハコビモデキナイ)


「持ち運びができない・・なんで?」


ヤドリは不思議そうな顔をするすると、アニマがげんなりして


(フウインサレテイルカラダヨ。ゲンジュウニ。)


「だから、封印が解けているのになんで発動しないんだ?」


すると、アニマはうつむいた。


(ハカイシステムニハ・・フウインヲトケテモ・・ニルノマリョクガナケレバ

 ハツドウハシナイ。デモ、ニルニモカンガエガアルヨウダッタシ・・)


「ニルの考え・・か」


(コノヘヤハ・・ニルノスベテダ。)


「ニルの・・すべて?」


(ソウ・・ニルニトッテダイジナバショ。

 ダカラ、アニマモイチドシカハイッタコトガナイ)


「一度しか・・?」


(デモオボエテイル。コノバショハ・・ムコウノヘヤニイケバ

 ニルノマガアル。)


アニマは微かな記憶を頼りに歩く


遠い向うでは・・ニルが、その場所で研究をしていたことを

覚えているからだ。


アニマは無言でトコトコっと歩く


もちろん、後ろから旬たちが着いてくる


「アニマ・・複雑そうね」


ミリカが、俺に話をかけてくる


「・・・元主だし。それに、きっとアニマ自身・・大好きだったはずだよ」


「・・そうね、きっと信頼もしていたはずよ・・だから、複雑そう。」


「・・・。」


俺は、アニマの後姿を見て・・ただ、思う。


この戦いでアニマはどうなるのか?と。


その時、ヤドリがピクっと反応した。


「旬・・ここから、妙に気が強くなった」


ヤドリがコソコソっと俺に忠告する


分かる


ニルがいることを。


とても怒っていることが分かる


「・・・近づいてくる。」


この強い気が・・。


どんどん・・と。


俺は・・気を引き締めるように・・歩いていったのだった





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