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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
第2章 ~シーフ、ラミア登場~
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少年、孤児の村 ~道化師との邂逅その①~

孤児の村編です・・さぁ、始まりました。

これは、道化師との出会い

そして新たな始まりとなります

ではどうぞ。

俺は、旬。

異世界にある日飛ばされた少年だ。

何があるか分からない世界に飛ばされ

ジンやラミアと出会った俺

本の街で、俺は自分の金と本をラミアに盗まれた

だけど、盗んだモノを返してくれた後

その理由を問うと答えてくれた

実は、ラミアは何者かに脅迫され

盗みを繰返し続けたのだった

俺は、そいつらと多分戦うかもしれない

だって、そうだろ?

聞いてしまった以上後戻りはできない

それが、俺だから・・。



                  *******


俺たちはゴブリンを倒した後、草原の一目のつかない所にいた


「ラミア、結局どこにあるの?その孤児院は?」


ラミアは、懐から地図を出した。

そしてそれを広げる


「これは・・?」

「地図や、それも細かい所まで書かれている優れもんや」


たくさんの地名が書かれて分からないが

とても見やすいように書かれている

ラミアは、順をおって説明する


「現在地はここや。」


そうってトントンとヴェルター・ブーフを少しでた草原を指し

それからツッ~っと線を引くように、目的地を二人に見せる

そしてある場所に手を止め話し出す


「ここから、北の方にある村や。」

「村・・?」

「地図にのっていないぞ?」


ジンがその地図を見てもその村の名前は無い

ラミアは当然という顔をしている


「当たり前。とても小さい村やからな」

「へぇ~」

「ほな、行くか」


さっさと地図を片付ける

そのあまりの速さに旬は、聞く


「もう行くの?」

「・・はよ、行かなければ危ないしな・・。」


その神妙さはただことではなさそうだ

それほど、ラミアには余裕がないってことか

俺は何ができるだろう・・?

でも、このまま放っておけないから

俺は、俺でできることをしなければならない

ジンも俺が言いたいことを分かっているのか黙っている。


よし。


「行こうか」

「ああ」

「さぁ、行くでぇ」

「あ、ラミア、早いって」


三人は歩きだした

ただ、前を見るだけ

他には・・何も無いのだった。


               *********


草原から歩いていくと


「こっちや」


ラミアの案内その方向へと歩いていく

当然、二人はついていく

ラミアの道案内はうれしいが

どんどん、道が険しくなっていく

それどころか、道がなくなっていく

なんだか、妙な場所へと歩きだす


「な、なんなの、ここ道がないよ」

「そや、秘境ちゅうやつや」

「秘境・・この獣道だぞ?」


ジンは呆れている

なにせ、草をかきわけて歩いている姿は

どう見えても普通の道ではない

ラミアは真顔で言う


「仕方ないもんや、本当は別の道があるけど

 あえて、この道の方が安全なんや」


安全なのか・・?

どう見えても、ありえない程危ないし

いつモンスターが現れるか分からない状況を見て・・。

俺は、怖いと反面に仕方が無いと思い

ラミアについていく。

俺は何気なくラミアのその様子に思わず


「慣れているね」

「ああ・・うちは、この辺が遊び場やったから

 道は知っている方なんや」


草をかきわけて迷う様子もなく歩いている姿は

よく知っている証拠だった。

どんどん、奥へと行くと

俺の前に、ある村が見えた。


「あれが・・ラミアが育った村?」

「そや、いい村やで。食べ物も美味しいし

空気もええで。」


ラミアは上機嫌で話し出す

俺の瞳には小さな村が確かに見えたけど

だけど、どこか違う

俺は、妙な感じがした・・その村に


「ラミア、あの村・・変じゃないのか?」

「え・・。」


ラミアは目をよく凝らして見ると

ハッとして何かを見たのか


「・・!!」


いきなり走り出した


「あ、待って」


ジンと俺は走りだすラミアを追うために

ラミアは血相を変え走っている

俺たちは、その村に急いで走っていくことにした

その妙な嫌な予感を背負って・・。



                   ********



「な・・なんやねん」


ラミアは呆然としてその村を見ていた

自分にとって信じられない予想外のことだったのだ

ただ、その村を眺めていると

後ろから、荒い息をした旬が、


「はぁはぁ、早いよ。ラミア」


と、必死に息を整えようとする

ジンは平気なのか息一つも乱れていない


俺は、いきなり走り出したラミアに何かを言いたいけども

息で言葉が出ない・・。

そんな、俺の横でジンが村をみて目を丸くしている


「・・旬。見ろ」

「え・・。」


俺は、息を整えて目の前をよく見るとそこには・・。

それは、俺の息苦しさを止めるとんでもない物だったのだ


すべてが最悪だった。

村は、焼け焦げて

無事な家もあるけど・・だけど・・。

とてもじゃないが、人が住める様子では無い

その酷い状態に俺は、もう言葉が出ない


「なんてことを・・!!」

「ああ、一体誰がそんな酷いことを・・。」


そんな俺とジンの隣で、呆然としていたラミアだったが

キッと何かを決意して

焼け焦げた村の家に足を踏み込んだ


「おばちゃん、いるか!!ラミアや」


焼け焦げて中は何もない

それどころかラミアが叫ぶように言っても

シーンと静まっている


「おばちゃん・・。」


ラミアは、うつむく

目に映るのは優しい顔した女性の姿をラミアは思い浮かべる



「・・ラミア。」


諦めきれないのか、ギュッと手を握る

後ろには旬とジンが、ラミアの後で待機していた。


ラミアは、そんな旬とジンのことを見て

涙を見せないように首を横に振り


「おばちゃんが・・おらん。いや、誰か一人ぐらい

 いるはずや旬、ジン、うちと共に村の中を探すで!!」


一人でも、無事な人間を確かめるために

ラミアに俺達は動く


「ああ」

「わかった」

 

俺たちは手分けして村人を探すことになった。

けれど、誰もそこにはいない

無人の村だった

子供も大人もいない焼け焦げた村

悲惨な状態の村にラミアは、口を噛み涙を耐えている

俺は、ただそのラミアに聞くことにした

事実を・・。


「なぁ、ラミア。お金を渡す気だっただろ?脅した奴らに」

「そや・・・うちは今日で終わるはずやったのに・・。」

「終わるはず・・?」


頷くラミア

ポッリと話し出す


「ここは、孤児の者が集まる村なんや。焼けこげているけどな。」


「孤児が集まる村?」


「ああ、ここの村人の代表はおばちゃんでな。

 そのおばちゃんがあっちこっちから来た孤児の者

 を引き取って・・皆、ここで暮らしていたな・・。」


「・・ラミアも?」


すると、ラミアは肯定する


「・・そうや、うちの村もこんな感じやった・・この世の

 地獄の中でおばちゃんの優しさは・・うちにとって

 うれしかった・・。」


ラミアは懐かしそうに話す

とても嬉しそうだ


「へぇ~」


確かに、ラミアはその辺で遊ぶのが好きそうだ

現代っ子の俺には味わえないよな。

こういう外で遊ぶことがすべて

ラミアは楽しそう思い出話をする

それは、俺には考えられない程の幸せな話だ


「うちは、幸せやった。ここでずっと暮らせることが・・。

 だけどな、それが終わりへと迎えたんや」

「・・・。」


顔が曇った


「うちらが楽しく遊んでいたとき奴らが姿を現した」

「奴ら・・?」

「ああ・・脅迫者や」


それは、突然だった

村で楽しく遊んでいた自分らの所に

怪しげな人間が自分たちの所に来て

急に、子供を人質に取ったのだ

”返してほしければ金をわたせ”

さもなければ、子供を殺すと脅しをかけてきたのだ


「うちらは、当然金なんて無かった

 だから、うちがシーフになって

 返済を続けていた・・どんなことがあってもな。」


「その返済を今日でおしまいだった・・ってことだな」

「ああ、そうや・・それに」


ラミアは怯えるように、話し出す


「うちが、逆らうと皆が殺される。

 だから金すら手に入れば解放するその条件に

 今まで死ぬ気で集めていたんや・・。」


ラミアの言葉を聞きながら俺は周りを見た。

周りはみればひどい焼き打ちにあった後

どうみてもこれはただことではない

俺が思うにこれは・・恐らく。


「騙されたんじゃないの?」

「なんやと?」



キッとラミアは旬に近づき襟首を掴む

キュッと締められる


「い、痛いって」

「旬、撤回しぃ。」


すごい剣幕で

襟首つかまれる俺

締められて痛い

しかも・・。

い、息が苦しい


「くるし・・い・・よ」


もう酸欠で苦しい

そんな俺に気づいたのか


「あ、ごめんな」


慌てて襟首離し、後ろへと下がるラミア


「ゴホ、ゴホ」


「大丈夫か、旬」

「あ・・うん」


「でも、うち・・そんなことありえへんのや

 約束は守ってもらわないと困る・・。」


その、あまりにも約束に敏感で、

しかも、破るはずがないと信じているラミアに

ジンは厳しい一言を言う


「約束はあくまでも契約だ・・破られて当たり前じゃないのか?」


ジンは当たり前の事をいうと


「そ・・そんな・・」


ラミアは動揺が激しくなり震え出す

顔はすでに蒼白だ。

そんな、ラミアを見て旬は声をかけようとすると


「くすくす」


どこからか声がする


「誰!!?」


旬は当たりを見渡す


「間抜けな子、可哀想、可哀想。」


「姿を現せ!!」

「そうだよ!!」


ジンと旬が怒鳴ると


「おおっ、怖い、怖い血の気が盛んだよね」


男の声はくすくす、とおどけたように笑う

ジンはイラっときたのか


「我は気が短い・・早くしろ!!」


キッと強い殺気を送ると

そのジンの殺気にその声は笑いながら


「くすくす、仕方ないなぁ~」


ポッポッと火が舞をしているように旬たちに近づく

やがて火が集まり一人の人間の姿を現す

そこには、笑みを浮かべた青年が姿があった

ラミアは、その男の存在に気づいて

ますます震え出す。


「くすくす。」


陽気に笑う男

その男はまるで道化師のような男だった

本当のことを隠している道化師(ピエロ)のような・・。

底の知れない男だった


俺は、ただそう感じたのだ。

嫌な予感は・・当たる。

すべては、運命と共に

俺は男と対峙することになるのだった



道化師の登場です。

彼はこの物語上で、これからも出ますので

お見逃しなく。


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