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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
第9章 未来のために   ~過去と現在を結ぶ・・最後の糸~
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少年、救いの神

この話は・・まぁ、千里たちについてです。

さぁ、どうぞ

自分が見たのは天使のような人だった

もちろん、俺にはそう見えたのだ。


ただ、その後ろの翼は・・黒かったような気がした

そして、笑っている顔も・・実に悪魔デビルのようだったのだ


まるで、神の振りをした・・何かに


それをうっとりと見つめていたのは・・・。


ソレに魅入られた・・。


あいつは、極限状態だったからだ・・ソレが救いの神に見えたのかもしれない


タダ・・これから起こるすべての歪みに巻き込まれるとは・・。

その時は・・思いしなかったのだ・・。

ハッとしたカズラ


「カズラ君・・?」


「聞いてくれ・・俺達のもっとも絶望した

 恐ろしい・・神の話を・・。」


そして、ラミアたちはゴクリっと・・唾を飲み込んだのだった。


              ****



同時刻・・同じ内容を旬は・・千里から聞いたのだ


まさか・・・


まさか・・・


まさかって・・思った。


神話上に存在していた・・ニルがまさか・・この世に存在することが

すべて・・驚いたのだ


「ニルが・・悪魔デビルだというのか・・?」


俺がかそぼい声で聞くと・・もちろん、千里は・・。


「そうだ。これは僕達しか知らない事実だ。それは一つの大きな秘密に

 なったんだ・・何せ、誰も、大戦の真実を知らないし、そして、誰も

 明かすことはないんだ」


「・・・どうして?」


そう、どうして?と聞きたくなる。


本当にどうしてなんだろう?


明かすことも明かされることもない話に・・思うことはたくさんあるのだ。


千里は気まずく旬には言いたくはないこともあるだろうが

いたしかない顔をしている


「・・歴史の修正さ。あったことなかったことを混ぜ込んだ嘘の歴史を造り

 その歴史により、表沙汰にさせたくない事実を隠すことだったんだ」


その言葉にミリカはハッとして千里の顔を見上げて


「聞いたことあるわ・・あたしも、これでも大戦について調べたけど

 詳しいことは何も・・どうして起こったのも・・全然、書かれていなかったもの」


そうだとすれば・・俺達が知っている歴史もまた・・そういうことになるのか。


「・・・そうさ、一つは、これは・・神によってこのコトは誰も知らないこと

 にされている。記憶の抹消・・それに近いね」


「・・抹消!?でも、お前は・・覚えているだよな!!?」


それだけすごい神が記憶の抹消できるのなら

千里だってその記憶がなくなっているはずなのに・・。


千里は、頷く


「そうだよ。僕たちは仲間だったし同士でもあった・・それよりも

 大戦の中で、ソイツに出会ってしまったんだから・・不可抗力ながら

 記憶の共通ができる。それが、禁忌ダブーな秘密。」


そう答える千里に、俺は・・疑問を抱くのだ。


「そうなると・・お前は・・ニルと戦場で出会ったということになるよね?」


「・・・その通り。僕たちは、大戦の中で、生きたのさ。敵も味方も

 どちらとも見当がつかない中で・・精神的に追い詰められていた・・

 僕だけじゃない。クレーエもカズラも・・本当にギリギリの中で生きていたんだ」


想像できないな。

どれほどの苦しみだったのか

俺には・・。


ミリカは驚いたかのように口をだす


「・・・あのクレーエが・・アイツ最初から狂っているじゃなかった・・の?」


そう、信じられない顔をするのも無理がない。

なぜなら、俺達が会ったはずのクレーエは本当に狂っているからだ。


千里は・・うつむく。


「・・・クレーエはまともだった。想像もできないけどね

 ああ、見えても誰よりも泣き虫で真面目な奴だった。どうして、こんな奴が

 召喚されたのかも・・分からなかった程に。」


それだけ言ったのだ。

まとも・・だった・・?

しかも、真面目で泣き虫・・。想像もつかない

千里は、にこやかに笑って


「ふふっ・・さぁ、行こうか。続きは歩きながら話そう。

 時間がない」


「時間がない・・?」


千里は何か考えることがあるようだ


「・・・ああ。ここにいるよりもワープに向かったほうが

 いいかもしれない・・行こう。」


そう歩きだそうとする千里に、ヤドリは叫ぶ


「ちょっと、待てよ!!リーフルはどうするんだ?

 俺っちが抱え込むのか?」


肝心なことを忘れていた・・ケット・シーのリーフルだ。

すると、千里はあっと思い出したかのように


「・・リーフルは僕が戻すよ。だって、僕は主だもん。」


そういって、リーフルに杖を向けると、大きな光に包まれ

杖の中に入っていった。


それに感嘆したのはもちろん・・ミリカだ。


「すごいわね・・。」


その鮮やかな姿に感心すると、隣でアニマが、


(ツヨイチカラノモチヌシダナ。ショウカンジュウヲジュモンナシデ

 カエセルナンテ。)


「え・・呪文いるんだ。」


(アタリマエダ。コウイナショウカンジュウホド・・カエスノニコトダマガイル。

 ソレガイマデキルノハ・・ゴシュジン、ノエル、センリグライダナ。)


「へぇ~」


ミリカが関心する。興味深いことだったようだ


「そういうわけだから、急ごうか。ワープはこの奥だから

 ちょっと歩けばすぐだよ。」


ワープへと向かって歩く

もちろん、俺達は着いていったのだ。


その中で、ヤドリは今までの話を整理した。


「お前の話を細かくすると、

 つまり、大戦の中にいたのは”ニル”で、そこで出会ったのは

 千里たちだった・・そこまではいいけど、何が起こったんだ?

 俺っち、知りたいな。そもそも、どうしてクレーエは狂う原因があったんだ?」


ヤドリのもっともの意見に対して・・千里は、どんどん・・悲しそうな顔をする


「・・そう、真面目な人間が狂うのは・・その人物が、自分に適わないと

 決めつけ・・そして、依存しそして狂い慕う。それが、狂う原因の一つ」


ポッリっと呟いた。俺達に向けた笑みは・・。

かすかな・・絶望を知っている瞳だった。


「「「「「・・・?」」」」」


千里の瞳の奥に見えるのは・・業火の中の・・映像だった。


ここに来たばかりの千里たちの・・壮絶な道しるべだった。


「大戦の中で、生きるにはもちろんどうしようもなく逃げることだった。

 そんな時だった。本当に死にそうになったことが一度だけあったんだ。」


「一度・・だけ?」


コクンっと頷く。


「そう、どんなに危ない目にあっても僕たちは生還できた。でも

 本当に、危なかったんだ・・その時のことは本当に死を覚悟をした。」


でも・・死を覚悟するほど恐ろしい思いをしたのだ。

それは・・思い出したくもない・・悪夢だ


「そんな時、救いの声が聞こえた。それが、僕たちの始まりとは知らずに

 その声に・・救われた。」


大丈夫・・君たち?


あなたは・・・?


天使の翼を広げて

そして、笑いかける・・ソレに

敵に襲われ・・殺されそうになった所を・・。


救われた。


「まさか・・それがニル・・なのか?」


旬のおそる、おそるな一言に千里はニコリっと鮮やかに笑ったのだ。


その天使のような翼

そして・・手を・・差し出された


「・・・僕は・・いや、僕たち奴のことを救いの神としては少しはみていたのかもれない

 救われないこの絶望に・・一つの光が・・僕たちを包んだんだ。

 それはもう・・極限な状態で生きていたら誰だって思うはずだよ。

 ・・命の恩人といえば簡単かもしれないね。」


その言葉にもちろん、俺はそうだな・・っと呟き


「まぁ・・確かに。それはすごいね、救われたなら・・

 熱中するのは分かる気がする。」


「そうですね・・救いの神ならば誰だって思うことでしょうね」


旬とイレーヌが頷く


「・・・すごいな。一つの教祖じゃないか」

「教祖じゃないわね・・神よ神。」


「あ、そうか。教祖は人間だもんな。」


そういうどこかずれた話をコソコソっと話すミリカとヤドリ

アニマだけは・・。


(・・・・。)


始終無言だった。無理もない

アニマの最初の主人の話だからだ。


だけど・・そんな中・・千里の表情は影が見えるようになった。


「もちろん、その中でもニル様に忠誠を誓ったのは・・クレーエだった

 ・・・僕たちは当然、ニル様に着いていくことになった。

 僕たちにはその人しか・・もう当てがなかった・・でも。」


「・・・でも?」


旬は首を傾けてる


「僕たちはニルさまと共に・・旅するようになったそこまでは良かった・・

 それから、僕はニル様に対して不信感を持つようになった。

 それが、僕たちの人生をもっとも狂わせた・・。」


「・・・。」


「そう・・・もっとも、悲しくて、僕が絶望へと抱くキッカケとなった

 なったんだ・・。」


「・・・・。」


千里はとても辛そうに笑ったのだ

そして、それに反応するかのように

この世界も・・とても寂しく感じたのは・・。


きっと・・気のせいではなかったのだった・・。


どんな事件が起こったのか?

それは・・・。

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