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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
8章 グランドクロス ~踊り子たちの乱舞~
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少年、戸惑う瞳

はい、今回は少しギャクとシリアスが入ったお話です~

色んな過去を巡って

俺は歩き続ける


そして、結びつく先は・・今だ。


たとえ、どんな答えが待っていたとしても


止まってはいけない


だって、止まってしまえば・・・。


アイツを・・救えなくなってしまうから


だって・・


俺は約束したんだ。


たった一つの約束を・・・。


果たせなくなった・・・約束を・・。


             *****



その頃、ヤドリとミリカは次の世界に入っていた

もちろん、アニマが二人のお目付け役となっていた


「・・・・・。あ~あ、旬たち、何を話しているだろうなぁ」

「・・・どうかしらね。見当はつくわ。」


そこには、どこか寂しそうなミリカがいた


「ミリカ・・?」


ヤドリが心配そうにミリカ


「どうかしたのか?」


そう聞くと、ミリカはポッリっと呟く


「・・・・あたし、旬はあたしたちに黙ってほしいことが

 恐らくあると思う」


「黙ってほしいこと?」


すると、ミリカは仁王立ちになって


「旬は、推測が当たっていれば・・恐らく、記憶の半分

 思い出した可能性が高いわ」


「・・・!!」


ヤドリは驚いた顔をするそして気付いた顔をして


「じゃ・・さきほどの異変は・・?」


ミリカはうつむいて


「恐らく、そのショックによると思うわ。

 記憶のショックの影響とか分からないけど

 旬が、急に様子が変になったのも

 多分・・そこだと思うわ」


すると、ヤドリは・・。


「・・・なんで俺っち達に話てくれなかっただろう」


寂しそうだ。

ミリカはその様子を見て


「・・・旬も、怖いからよ。その話をしてもし、嫌われたり

 そして・・恨まれたりすることが・・・それが

 あたしたちなら・・なおさらね。」


「そんなこと・・俺っちたちはしない!!」


怒鳴るヤドリの声は思ったより大きい声だったのか

ミリカは耳を抑える


「叫ばないであたしでも気持ちは同じよ。どんな旬でも

 大事な仲間であるのよ。」


「・・大事な仲間」


ミリカは強気に笑う


「・・そう、だからあたしたちは信じなければ

 疑惑に打ち勝つていかないとね・・。」


ニコっとミリカは気丈に笑う姿に心打たれるヤドリ


「さぁ、旬たちがくるまで、ここがどこなのか

 調べましょう」


「・・・ああ!!」


元気が出たのかヤドリはその辺を探索する


ミリカはその辺をキョロキョロしながら探す


「それにしても、今度は・・どこかしら?」


妙に明るい世界だ


なんていうか、コポコポっと奇妙な音が聞こえる


「川・・?でも、虹色に光っていて・・怖いわね」


虹色に奇妙に光って


美しい世界なのに・・・少し、恐ろしさを感じる


(ココハ、ホシノセカイダ。キレイナセカイダロウ?)


「・・星の世界・・。」


キレイだが・・なんか、違う


ヤドリは、げんなりした顔で


「・・・つくづく、変な世界だな」


「・・・そうね。頭が痛くなりそうだわ・・この世界

 といい、鏡の世界といい・・朽ち果てた世界といい

 ニルはなんのために造ったというのよ・・・。」


ミリカはこの世界の不気味さには頭痛を訴える

アニマは・・遠い昔を思いながら


(ニルハ、ヒトコトデイエバ・・・きさいナノダ。

 ダカラ、マァ・・ヘンジンデアッタガナ。


「ヘンジン!?」


(コレダケオオクノセカイヲツクルコトハフツウデハアリエナイ。)


「それは・・そうよね。」


かといって、変人と聞くと、なんだか理解できなくなる


そして、もうひとつ、疑問がでる


「でも、世界を造ることができるじゃないのか?他の神々は」


(ムリダ。コレホドノセカイヲツクルトナルトバクダイノエネルギーガ

 ヒツヨウナノサ・・)


「ニルには・・そんな力があったというの?」


(アッタノサ。ソノチカラハ・・・オソロシイチカラダ。

 ニルハホカノカミガミヨリモ・・チカラガツヨカッタ)


「力が強かった・・この世界を造れる程・・。」


(マァ、ケッカテキニハ、コノセカイハイラナクナッタ。

 ソウイウコトニナルナ)


「・・・力がどれだけあっても、いらなくなれば・・意味がないのか

 悲しい・・話だな」


(シカタナイセカイダカラナ。イミガナケレバ

 ドウニモナレナイ・・マァ、スベテハ・・・

 ニルノオモッタセカイガ・・チガッタダケサ)


「違っただけ・・。」


(ソレヲ・・シュウセイシタノガ・・アニマヲ

 ヒロッタカミサ)


「アニマを拾った神ねぇ・・・なんで、覚えていないの?」


すると、ピクリっと反応して


(ソウダナ・・イロイロ?)


その言葉に、ミリカはなんか、怪しいと感じたのか


「ねぇ、あんたは・・・アニマは・・何か知っているでしょ?

 いや・・・知っていたじゃない?」


(ナニガダ?ムシロ、ナニヲダ?)


不思議そうな顔をするアニマにミリカはニコっと笑っているが

”ぐわし”っと力強い手でアニマの首を掴む


「・・・あんた、本当は、旬のことを前から知っていたじゃないの?」


(エッ!?)


ビクっとアニマは震える

首を握っているミリカに震えが走る


「あんた。どこかで旬にあったじゃない?旬が去る時

 妙にあんたの様子がおかしかったから・・気になったのよね」


(・・・!!)


「ど、どういうことだ?」


ヤドリは驚いた顔をする


「妙に、旬の記憶の部分であんた何か知っているようだし

 ・・・旬の目をごまかしても・・あたしの瞳は

 ごまかせないわよ・・・?」


(アニマヲバカニスルナ。)


すると、いつのまにか、ふぃっとミリカから

離れる


「あっ・・いつのまに!!」


(ふっ・・。)


アニマは余裕そうだが・・ミリカも同様だ。


しかも、強気だ。


どこからくるのか・・分かりたくないが・・。


「でも、あんたには喋ってほしいことが

 あるのよね?これが・・。」


睨みながら追い詰めるミリカに

睨まれたアニマは後ろに下がる・・が


ドンっと音がした


(ヒィ・・!!)


後ろには・・いつのまにか、ヤドリがいた


当然、ヤドリはミリカ同様になんだか

笑っていないのだ


そこが恐ろしく感じるアニマは逃げられないのか

恐怖だ。


「ミリカがそういうのなら、俺っちも気になるのさ

 なぜなら、俺っちも旬の仲間だからなぁ?」  


二人の微笑むに、震えるアニマ


(コ・・コワイ。)


「さぁ、言いなさいな。あんた・・言わないと・・・」


その脅しにアニマは震えあがり

仕方ないという顔をして


(ヒィ・・ワ、ワカッタヨ)


「・・・分かればいいのよ。話しなさいな。」


すると、アニマはため息を吐き


(ソレハ・・アイツダ)


「あいつ?」


アニマは・・ため息を再度吐き


(ダンペンテキニカオハオボエテイナイガ・・・ソイツニヨッテ

 シュンノキオクニカンスルコトヲシッタ・・ソコデ・・アニマハ・・。)


「・・アニマは?」


(・・・トンデモナイ。コトヲシッタンダ)


「とんでもないこと・・!?それは・・一体!?」


その時、何かを感じたのか


(カマイタチダ!!)


アニマは、風の呪文を使う


(トルネード)


カマイタチはアニマの風によって相殺される


「何・・!?」


「何だよ・・これ!?」


すると、ニヒヒヒっと笑う声がした


「困るニャ。オイラたちの秘密を話すなんて」


すると、そこには猫がいた


「あんた・・あの時の!?」


「猫だ・・お前」


「ケット・シー。リーフルにゃ」


「リーフル・・あんた、何よ。旬の秘密にあんたにも

 知っているというの!?」


「きゃんきゃん、五月蠅いにゃ。オイラじゃないのさ

 正確には・・オイラの主さ」


「主・・まさか・・!?」


すると、そこから大きな炎がくる


「うわっ!!召喚獣よ!!」


ミリカは杖を出し


「バリア!!」


厚い壁を造り、ミリカ達を守る


「・・・召喚士だ!!」


ヤドリは前を向く


そこには・・・


「・・・。」


いつのまにか、千里が姿を現していた


「おや、分かってしまったにゃ」


猫の召喚獣、ケット・シーは陽気に笑う


「ケット・シー・・・猫の召喚獣・・・

 何よ、あんた・・気に食わない。」


ミリカは杖を出し、呪文を唱える


「アース!!」


すると、大地が千里を引き裂くが

千里は・・・そこから飛び

召喚獣とともに飛び越え


淡い光・・いや、赤い光が・・


「ヒート」


そのとたん、大きな炎がミリカたちの方に攻撃が来る


「きゃぁ」


「うわぁ」


ミリカたちは、その攻撃の強さに後ろに下がる


「何よ・・こいつ」


ミリカは、イライラする

旬がまだ来ていないというのに・・困ったこと。

目の前にみえるのは・・・なんなの!?


その時、ゆらりっとヤドリが揺れた


「ミリカ、俺っち、こいつには借りがある」


そこには、いつのまにか、武器を手にしたヤドリが・・。


「・・・・俺っち、許さない」


今にも攻撃を繰り出す気満々だ。


「ヤドリ、よしなさい!!それに、いつ、武器なんて」


「俺っちを誰だと思っているんだよ・・」


アイテム合成の力のことを思い出したミリカはハッとした


「あっ、そうだったわね・・って、違う!!

 あ、こら!!」


ヤドリは好戦的にケット・シー、いわゆる、リーフルと戦う


「旬はまだかにゃ・・お前じゃ役不足にゃ。」


「役不足?それはどっちに言える言葉だよ!!」


互いに戦う姿にミリカは困った顔をする


「本当。困ったわ。」


目の前の存在に深いため息がでてくる程だ


それよりか、目の前の千里をみて

目を細める


「あんた、一体何なの?」


「・・・。」


もちろん、千里は何も言わない

ミリカは負け気と、なんとか

言葉を割らせようと必死だ


「そして、どうしてアニマの話に途中で割りこんだのか

 何か・・関係あるのではないの!?」


ミリカは叫ぶが


「・・・。」


千里は話すこともない

傍にいるいかつい顔をした召喚獣がグルルっと唸っているのが分かる

何なのかわからない


それどころか・・見たことがない・・!?


「・・・くっ・・・。」


先ほどのヒートをなんとか、バリアで抑えているが


炎が大きくなる


どうしよう


旬・・・旬!!


「テンペスト」


炎が、強い風と相殺される・・いやされた


「・・何?」


そこには、ハァハァっと荒い息をした旬がいた


「ヤドリ、ミリカ!!」


「旬・・・イレーヌさん!!」


ミリカは安堵する


「旬・・遅いわよ!!」


旬は、ビクっと震えて


「ごめん・・・これでも急いできたんだよ、ネ。」


「そうです。間に合ってよかった」


イレーヌ声に、ミリカは・・


「二人とも・・。」


そして旬は目の前にいる存在にただ、笑いかける


「久しぶりだね・・千里。」


「・・・。」


そう・・旬が、笑ったのだった。

千里はフード越しながら・・・ピクリっと反応したのだった。


千里という存在はここでは謎が多い存在

それも、いよいよ、明かされます。

そして、アニマのいうことはどういうことなのか

何か知っているのか?

それが、どんどん明かされます

では、またどうぞ

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