少年、ただ、一つの魂
今回は冒涜はなしで・・では、どうぞ
互いが激突している中で、俺達は鏡を探していた
そして、俺はニヒルに笑って
あることを提案する。
それは、ヤドリの持つ・・もうひとつの力のことを・・。
「ヤドリの力を貸してもらおう・・そうしたほうが早いかもしれない」
すると・・
「なによ、このヤドリは特殊能力は・・もうないはずよ?」
ミリカは不思議そうな顔をする
「いや、それがあるんだよ・・・これが」
その言葉にミリカは驚き隠せないのか
「ええっ!!」
と思わずヤドリを凝視する
もちろん、ヤドリの方は、凝視されて居心地悪そうだ
「以前、君が言ったじゃないか・・アイテム合成能力を」
「・・・アイテム合成能力・・?」
そう、ヤドリの中に眠る・・・もう一つの能力
それは、禁断の力・・”コピー”能力だ。
しかも、厄介なことにそのコピーをしてしまえば
半永久的にその能力を保持を可能にしてしまう
だが、問題はもちろんある。
ヤドリ自身はそのアイテム合成能力は本来の特殊能力ではない
うまく扱えるのか・・未知数でもある。
そして、もうひとつはヤドリ自身の負い目だ。
これは・・奪った力なのだ。
でも、今は・・・。
もう・・大丈夫なはずなんだ・・。
「できるね?」
俺は問いかけると、ヤドリはしぶっていたが
やがて、頷く
何か考えていたこともでもあるだろう
「ああ。できるさ。ただ・・問題は一つある。
何を造るかだ・・それに材料も必要だ」
そう・・か材料か。
「何かある?材料」
ヤドリに聞かれ俺はう~っとうなりながら
探す
「・・一応、俺は、ナイフやらはルナもあるけど。
後、本やら杖かな。」
そういってバッグから出すのは他にも服やら本やら
とにかく色んなものが入っていた
もちろん、ルナとは最近でていなかったけど
この世界の共通のお金なのだ。
もちろん、使っているけど・・あまり描写は入れてはいないので
久しぶりかもしれない・・。
ミリカはその旬の荷物に呆れながら
「ルナはお金じゃない・・私なら、宝石を一つもっているわ。
装飾品にしようと思ったのよ・・ルビーね」
赤い宝石を出す
さすが、王族というところか。
この赤い色は見事な色をして美しいが旬はそれはそれで聞く
どうしてこの宝石を持っているのかを・・。
「なんで、宝石を持ってんの」
すると、ミリカはため息を吐く
「だから、装飾品にしようと仕立て屋にもっていこうとおもったの
それに・・もしもお金とかなかったらコレ売ろうと思っていたのよ」
「何で!?」
俺は口をあんぐりと開ける
この宝石を・・売る!?
「決まっているじゃない・・ルークよルーク・・あいつ
見た目によらずに大食いだから。食費がかさばるの!!」
「へぇ・・大食いなんだ。」
以外な真実を聞いた俺
もちろん、ルークさんは現在、ある世界に一人残っているので
詳細は知らないが・・事実となると恐ろしい
「ええ。だから王族に持たされたお金も底につくかもしれないのよ
それにここまで来たのは・・まぁ、非公式だけど馬車だけどね」
なんだか、悲壮感が見えたのは間違いじゃないかもしれない
しかも、ちょっと泣きそうなのは気のせいでもないかもしれない
そんな、ミリカの尻目にヤドリは何かを探している
「俺っちは、そうだな・・・これかな」
きょろ、きょろと辺りを見渡すと
もちろん、向こうにはいけない
なぜなら、イレーヌと幽霊歌姫が戦っているので
容易には近づけまい
「なにこれ?」
その辺にある鏡の破片を拾う
「破片?」
もちろん、その鏡の破片は、イレーヌたちの戦いによって割れた破片だ
「ああ、破片。・・恐らく、真実の鏡もその破片の一つに
なっていると思う。」
「なんで?」
「元々は同じ材料だからな・・もしかしたら、真実の鏡は
ニルの魔力によって普通の鏡は違う、鏡になっていると思う。」
「・・・成程ね」
「じゃぁ、どうするの?」
「まぁ、見てなって旬のナイフやミリカのルビー
そして鏡の破片を入れると探しやすいかもな。」
「本当に探しやすいの?」
疑惑の瞳を向けるミリカ
「・・・ああ。腕しだいだけどな。アイテム合成の成功確率は
実にいえば半々だしな」
「・・・半々。」
「でも、まぁ・・・半々に賭けるのも悪くはないと思うがな
何ができるかは・・まぁ、期待しないでおくれ」
ヤドリの手・・左は青い光・・右は赤い光
その光は・・・とにかく未知の光だったのだ・・。
「じゃぁ、始めるぞ・・。頼む・・俺っちに力を貸してくれよ・・
アデル・・。」
キュゥゥゥっと音を立てたのだった
****
精霊の傍に控えるイレーヌは、ニコっと笑っている
相手側は、死神を従えているのだ
もちろん、イレーヌは、そこから動かない
「あいからず、そこから動かないのだな?」
「・・・。」
イレーヌは、何も話さないむしろ・・この精霊を維持するために
力を使っているから話すと消費する
もちろん、相手側も同じはずなのに
その名残すら感じられない
化け物だ・・そう痛感したイレーヌ
「では、こちらから参ろうか。」
すると、狂ったように歌い出す幽霊歌姫
半音を少しずつあげる声
そして、死神の力がグングンと上がる
「ラブソディー!!」
そのとたん、グォォォっと声を出し
攻撃を繰り出す
もちろん、イレーヌは先ほどのヒム(讃美歌)を歌い続ける
精霊は静かに目を閉じている
「もらった!!」
鎌が振り落とされようとすると・・
精霊が目を開け、なんと死神の鎌を受け止めている
「・・・!!」
「~♪」
イレーヌはその歌声を精霊に指示をする
すると精霊は手から淡い光を放ち
その死神に強い光の攻撃を当てる
鎌でそれを抑える死神
イレーヌは喉を押さえ
そろそろいこうかしら・・?
そして、イレーヌは、始める・・気付かない攻撃を・・。
その声は、先ほど以上の美しい声だった
精霊は、どんどんその声に従って死神を追い詰める
もちろん、追い詰められていることに気付いた幽霊歌姫は
半音をあげていたが・・。
やはり、先ほどの様子を見て・・これは本気でしないと気付いたのだ。
「ふん、まさかこれほど以上の力を隠しもっていたとはな・・・では・・こちらも
攻撃するか」
すると、こちらも今までの声よりも高い声で歌い始める
死神と精霊の摩擦がすごい
イレーヌは、チラリっと、幽霊歌姫を見上げる
そろそろかな・・?
すると、精霊から強い光が加わる
「な・・!!」
その光に死神が受けて・・幽霊歌姫は焦る
「なんて・・・力だ・・!!」
死神は、精霊に掴みかかろうとするが精霊は、その光を攻撃をしながら
やがて・・ピタリっと死神は止まったのだ
「・・・!!」
死神が急に静かになった・・そして、精霊の前に鎌が振り落とされるはずの斧を
落とし・・攻撃が止まり・・やがて、落ちた
そして、一つの闇の塊となりイレーヌの傍に戻ってきたのだ
「貴様・・一体何をした!!」
すると、イレーヌはクスリっと魅惑的に笑うのだ
「ワタシはただ、その死神さんを元のあるべき場所に戻しただけ
まぁ、最初からそうするつもりでしたので」
そして、ハッとしたのだ
自分は嵌められたということを・・。
最初から死神と攻撃をするのではなく
恐らく、死神をあるべき場所に戻しただけ
「ですが、この通り、最初に宣告した通り、ワタシ・・負けるわけには
いかないですよ」
精霊は淡い光を
すると、それに気付いた幽霊歌姫は精霊が放つ光に避けることもできずに
攻撃を受ける
「・・・。」
イレーヌはその姿を目の前でみたが・・。
「クックッククッ」
おかしな笑い声が聞こえた
「やはり、面白いな・・・。」
その光から出てきたのは・・ボロボロの衣装をした幽霊歌姫
フードもボロボロでもう被る意味がない
ビリ、ビリと音をたてながらフードを破く
「あ~破ける・・だが、こういうのも悪くない」
そう笑った姿
そして・・驚いたのは、フードに隠された顔が
見えた時だ・・
「・・・!!」
イレーヌは今度こそ驚いたのだ・・。
その人物を・・。
もう声を発せられない
なぜなら・・本当に衝撃だったのだ
「おや?驚いたかい?この姿に」
その姿は・・ずっと、自分が探していた姿
そんな訳がなかった
だって・・あの人は・・
あの人は・・・・。
あの人は・・・!!
(お姉さん・・・)
にこっと笑う姿は、女神さまのようで
そして、踊る姿は美しかった
絵本を読んでくれた
笑ってくれた
どんな時でも味方でいてくれた・・。
憧れの存在・・ワタシのたった一人の・・・家族
自分とはまた違うが黄緑の髪
でも・・瞳は同じ・・モスグリーンだ。
間違いない
間違いないのだ・・!!
「お姉さん・・・!!」
そう・・自分の姉だったのだ。
でも、どうして
そんなに凶悪な顔をしているの?
どうして・・
どうして・・!!
「お姉さん・・?ああ、この憑代の娘の家族か?」
「・・・!!」
今・・なんていった・・憑代?
じゃぁ・・この人物は一体・・?
「あなたは・・一体何者なんですか?
なぜ・・・姉にとりついているのですか!!」
そう叫ぶように言うと
「ああ・・名前教えていなかったな・・・。
わしはニーヴェ。ニルにより生み出された魂さ」
何を言っているの!?
姉を憑代にした魂だけの存在・・?
そう幽霊歌姫・・もといニーヴェは笑ったのだった
「この世に存在が許される・・ただ一つの魂さ・・。」
イレーヌは、姉を探していたことを判明しました。この物語のどこかにイレーヌの心情も入っていますのでぜひ、読んでみてくださいね。
では、また次話で。




