少年、神の歌声
さぁ、今回の冒涜もまた・・。
幼い頃に見た世界は
とてもきれいだったのは覚えている
孤独の自分が見た世界は・・多分綺麗もあったけど
半分は・・恐らく残酷だと錯覚しただろう
うれしい時も
かなしい時も
くるしい時も
どんな時でも、強くなりたかった。
一人で生きるのは、難しい
でも、生きなければならなかった。
どんなことがあっても生き続ける
死ぬことなんて許さない
会うまでは・・。
生きて会いたい人がいたから。
世界にどこかにきっと生きているはずだから
それを信じて
今日まで・・頑張った、
そして、ワタシが真実を知るのは・・もう近いのだ・・・。
誰の声も逆らうこともなく
それは・・突然・・へと。
やがて、確信へと
変わるのだ・・。
****
鏡の世界に現れたのは、幽霊歌姫だった
もちろん、フードで姿を隠しているから分かっているが
自分でもわかるこのまがまがしい殺気
そして、俺達を睨みつける姿
どこまでも・・恐ろしい。
「なぜ・・あんたここに!?」
ミリカが後退しながら聞くと
ニヤリっと笑う幽霊歌姫
「ここで、足どめするのもよいと思ってな。それにしても
坊・・お前、死んだのじゃなかったのか」
ヤドリを見据える幽霊歌姫
ヤドリはキッと睨み返し
「俺っちを勝手に殺すな!!あんたらが俺っちをわざと
はめやがって!!百倍にして返してやる」
ヤドリは強気だ・・だが、幽霊歌姫はフッと笑い
「言いたいことはそれだけかい?」
そう愚弄される言葉を使う、話は終わりか・・それだけでは
終わらない・・終わらせてたまるか!!
「・・・それだけじゃない!!」
旬は前に出るそこには、怒りに震えている旬がいた
そう、身を案じている二人がいる・・
それについて聞こうと思っていたのだ
「お前・・ルイン達はどこにやった!?それに皇帝のことも
何を企んでいる!?」
俺が叫ぶように聞くと、そういえば・・と口をだして
「ああ、あの二人か・・・もう手遅れだな」
しみじみと語る幽霊歌姫にそれぞれがピクリっと反応する
「ど、どういうことよ!!」
すると、幽霊歌姫は陽気に笑う
「あの二人・・踊り子と皇帝か・・特に皇帝は重要人物だ。
我々と契約を交わしてもらうための重要な駒だ。」
「計画・・!?駒・・!?一体どういうことだ・・!?」
こいつら・・どういうつもりだ・・?
「さぁ、おしゃべりはここまで。この歌声を聞いて
苦しみな」
「まだ、話は終わっていないわよ!!」
ミリカの言葉を終わらせつもりなのか
幽霊歌姫は・・歌い始める
「~♪」
それはこの場を揺るがす歌声だった
「うわっ、超音波付きだ・・・ぐぁぁ」
頭を押さえる旬
「きゃっ」
「ぐっ・・。」
(なんて・・歌声だ・・重圧に押しつぶされそうだ。)
それぞれが頭を押さえていると
「こんな歌声ごときにワタシが負けるとでも?」
その言葉と同時に・・何かが放たれた
「えっ・・。」
「プレリュード!!」
その時、歌声だ同時に相殺された
それは、とても美しい声だった。
天使の声が・・・した?
目の前には・・イレーヌさんが、
「な・・・。」
「イレーヌさん!!」
「あなた・・!!」
「やはり、慣れませんね。このような攻撃の詩は・・
出遅れましたが・・ワタシも戦闘に加わります」
ニコっと笑うイレーヌ
「でも・・あなた・・どうして?」
「・・貴方達と話して分かりました。もう、ワタシは恐れる必要性はない
ということは、戦っても平気だということです」
そう言って、イレーヌは、キッと幽霊歌姫に対面し
「あなたの化け皮をはいでくれましょうか」
「面白い、お前が勝てると申すのか?」
「・・・ええ。勝ちます。そうではないと。示しはつきません」
「イレーヌさん・・」
旬がこちらくると、イレーヌはボソリっと声を出した
もちろん旬の耳にその声が届く
「ここは、ワタシにお任せを・・あなたたちは真実の鏡を探してください!!」
「・・えっ・・でも」
目の前に見えるのは最悪の敵だ
はたしてこの人に敵うかどうかだ。
すると、イレーヌはそれでも言うのだ・・。
「鏡が必要なのです。ワタシにとって・・でも、一番必要なのは
もしかしたら貴方自身なのかもしれません」
俺自身・・・。
その時、俺はうつむいた
そう・・・イレーヌさんも鏡が必要だ
そして・・俺も同じなのだ
本当のこというと・・俺だって怖い
自分の真実の姿を映す鏡
でも・・だからこそ・・。
「・・・分かっていたんだね。イレーヌさんは」
「・・・ええ。それに、貴方自身のことです。
とても悲しそうだから・・ですよ。」
イレーヌさんは、俺にそう言った
でも・・なんで・・俺が悲しそうなんだ・・?
イレーヌさんは、まったく理解不可能だ。
でも、真剣だから・・視線を逸らすこともできやしない
ましてや・・逃げることもできない
「俺が・・?」
「ええ、貴方にとって鏡というのはある意味鬼門でございましょう
それは仕方ありません・・でも、その時はもう近づいているのです」
「その時・・」
何のことだろうかと聞く前に
もうこれ以上は話すことはできない
なぜなら・・目の前には幽霊歌姫が
優雅に笑っているのだ。
そして、これ以上話したらでイレーヌさんの迷惑にもなる
「さぁ、早く。ここはワタシがくいとめるので
鏡を探して・・!!」
「うん!!」
俺が、ミリカ達と一緒に鏡で探し始める
もちろん、イレーヌと歌姫は対面している
「くっくっ、さすがは、吟遊詩人というところか」
「・・・ええ。これでもワタシは、歌を中心に活動しているので
ですが・・・」
イレーヌが呟くと陣が現れる
「ほぉ、面白い・・その力・・・この、幽霊歌姫
に見せてみろ」
すると・・イレーヌが歌いだす
カタカタと物音が聞こえ始まる
それは、イレーヌを覆うように守っている
「な・・なにとぞよ・・この歌は」
歌い続ける姿はまさに、美しい
だが・・やがて、歌はこの場を大きく揺るがしていく・・
そして、ニコっと笑ってイレーヌは幽霊歌姫に攻撃を繰り出す
「”プレリュード”」
そのとたん、先ほどと同じような大きな光が幽霊歌姫を襲う
だが、ニヤリっと笑い
「甘いぞ・・」
こちらも歌いだす、それはとても力強い歌声
やがて・・それは、闇の光を幽霊歌姫を包み
「”クウィックステップ”」
こちらは、闇と光が混ざった不思議な光で
プレリュードを覆うだが、それでもイレーヌは歌うのを
やめない
「ほぉ・・・じゃぁ・・これでどうだ」
そこに、半音をあげて、追い詰める
ビリビリっとこちらにくる
「くっ・・・!!」
やはり・・強いですね。
ワタシの詩をここまで追い詰めるとは
いったん、ここで引きましょうか
そして、イレーヌは喉を押さえ
歌うのをやめる
そして、向かってくるのはもちろん、大きな攻撃だった
「”バリア”」
とっさにイレーヌはその攻撃をバリアで防ぐ
もちろん、防ぐことができるが、後ろに下がった
「ほぉ、歌で勝負するのではなかったのか?」
そう聞かれる幽霊歌姫に・・イレーヌはニコっと笑って
「まだまだ、ですよ・・ワタシは、本気をだしていないので」
「・・・。」
次に行くか・・ワタシの目的はあくまでも攻撃ではない
相手は恐らくまだ気づいていない
しかし・・まぁ・・・相手はフードを被っているとはいえ
おそらく、人ならずのもの
顔を拝見したいものの・・ここからではどんな人物なのか分からない
ですが・・・ここで終わらせるつもりはありません。
そういって、イレーヌは息を吸い込み
「~♪」
響く歌声は、今度はプレリュードとは違い
荒々しい歌声
それも何かを呼びかける声だ
「ほぉ、まだこちらに攻撃を仕掛けるつもりか
では、こちらも応戦しようではないか」
「~♪」
幽霊歌姫は死を連想させる歌声を響き渡せる
やがて、こんどは真っ黒なオーラが幽霊歌姫を囲む
やがて、それは一点へと集中し、姿を現す
翼が現れる・・もちろん、黒の翼
黒いフードをかぶって、鎌を持つ
そして、ギシャァァァっと叫び声
真っ黒でどこまでも恐ろしい存在
それは、死神だったのだ・・。
「デッド・マーチ」
そのとたん、死神は鎌を持ち、ニコォっと悪魔の笑顔でイレーヌを襲う
が・・・
「ヒム」
すると、美しい声で死神の目の前に聖なる光を発動させる
「な・・・!!」
何かを呼び戻すように歌うと・・やがて、一点からは
聖なる光を浴びて姿を現す
聖なる翼
そして、人がいを纏う空気
それは、神の使い
”精霊”だ
「ほぉ、お前もできたのか?コレが」
すると、イレーヌは、フゥっとため息を吐く
「長年、生きていれば歌を強めるだけでは歌い手としてはまだまだ
真の歌い手になるには、心から歌うしかない。それを追求することで
やがて、手にしたのは、やはりこういう究極の力という奴ですから」
どちらにしろ・・光と悪の対決だ
「ほぉ、我が死神に恐れなしということか・・よかろう。
お前をこの我が死神が、息の根を止めてやろう」
死神の鎌は、すでにイレーヌに迫っている
「・・・それは、困りますね。ワタシ、死ぬ気はないので」
ニコっと笑いながらも、強気だ。
「小癪な!!」
互いに激突する力・・。
それは、どこまでも、強い力だった・・。
一方、旬たちは、その二人の攻撃を観戦しながらも
真実の鏡を探す三人
「あれは・・・なんだ?」
「旬・・あれは、精霊よ」
「精霊・・!?まるで・・天使のようだ。」
「そうだな・・きれいだ」
「吟遊詩人の中でも特に優れた歌い手は召喚ができるそうよ・・それも、高位召喚が・・。」
「召喚士なの?」
すると、ミリカは否定する
「いいえ、召喚士ではないわね・・・神に愛されし歌姫は
精霊を召喚することができる歌い手がいる。でも、それは
本当に稀なのよ」
「稀・・・?」
「歌い手は、神の使い手というから・・あの人も不思議な人でも
あるけど・・ただの人でもなさそうね」
その様子を眺めながらも、作業に戻るミリカ達
「さて、どうしようかしらね?この鏡の中でどうやって・・。」
鏡はこの
「そうだね。全部割る?俺っちが協力するぞ?」
その言葉に、それぞれが反応に困る
「割るって・・全部?」
「そうだけど?」
「「・・・・。」」
割るねぇ・・。
全部の鏡を割ることは恐らく難しい
となると・・。
思わずヤドリを見つめた
そういえば・・ヤドリにはもう一つ特殊能力があったのを
思い出した。
「そうだ、君の力を使えばいいんだよ・・ヤドリ?」
「へっ?お・・俺っち?」
思わずうろたえるヤドリ
「な・・どういうことよ?」
「そう、君のもうひとつの特殊能力でね・・?」
ニヤリっと笑う旬はどこまでも可愛くも見えたが
同時に・・二人は恐ろしさを感じたのは
気のせいではなかったと・・思ったのだった
これからどうなるのかこれらの視点によって始まる
この騒動・・・どうなるでしょうか
まぁ、いつもどおりに長い目でお願いします。




