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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
8章 グランドクロス ~踊り子たちの乱舞~
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少年、真実の鏡

今回の冒涜は・・旬視点で送りいたします。

とういわけで始まりますよ~

真実を知ることは怖いのは人には誰でもあるかもしれない。


知ってほしくないこともきっとあるはずだ


でも、知ることもまた必要なことかもしれない。


それが必要である場合なのだ。


そして知った後


後悔するかもしれない


絶望の波にのまれるかもしれない


色んな危機もあるけど


俺にはその鏡を映る自分はどんな姿をしているのか


考えるのだ・・・・。


16歳の自分か


それとも幼児化したままの自分か


どちらも分からない自分の姿に


ただ・・ただ・・・その鏡の存在に・・恐れるのだ。


               ****



門の向こうに存在する世界は。


あちらこちらに輝く鏡の世界


「すごいな・・鏡や・・。」


「本当だ。鏡の世界だ」


あちらこちらに鏡がある。


「この世界は一体なんでしょう・・?」


イレーヌが不思議そうに鏡を見る

でも、映るのは・・自分の顔だ。


自分たちの顔が映るのはいいが


なんだろうかこの世界は?


アニマはこの鏡の世界を見て一言を漏らす


(ココハ、シンジツヲシルコトガデキルカガミノセカイ。)


「真実?」


自分の身体が小さく見えたり大きくみえたり


はっきりいって、不思議な空間だ。


アニマはその鏡を自分の姿を映しながら


「ソウダ。ココニアルスベテノカガミハタダノカガミダガ

 ヒトツダケ・・シンジツヲウツスカガミガアルンダ」


思い浮かべられるのは・・ピカリっと輝く鏡だ。



「一つだけ・・真実を写す鏡・・。」


「どこにあるのよ?そんな鏡。」


すると、アニマがため息を吐いて

やれやれという呆れている


(コレダカラ、ニンゲンハワカッテイナイ)


「何よ!!失礼するわ!!真実の鏡の場所くらい

 教えなさいよ。」


すると、アニマは鏡に触れ

そして、深いため息を吐く


(オシエルモナニモアニマシラナインダ

 シカモ、ドコニアルノカモ。)


知らないという言葉に皆一瞬止まる


「はぁ!?まさか・・ここの鏡は・・。」


(ソウダ、ダカラ、ダミーノカガミガオイテアルンダヨ。

 モチサラレルトコマルシナモノダカラナ・・。)


成程と面々が頷く


「見たことはあるの?」


(イチドダケナ。フダンハニルガコノセカイノドコカニカクシタトイッテ

 イタガドコニアルカハセイカクニハシラナイ)


アニマは見たことがある。

箱の中に存在する鏡


それは・・・美しいきれいな鏡だったことを。


「で、その鏡が見つけたらどうなる?」


旬が聞くと、アニマはキラリっと瞳をかがやせる+


(シンジツノカガミニフレルト・・ホントウノコトガワカル)


「本当のことが・・ってどんなこと?」


(タトエバ、ジブンノショウタイヤラ、スジョウヤラ・・

 カコヤラ・・ヒトコデイエバ・・。)


ゴクリっと皆つばを飲む

そして、なぜか冷や汗がでてきたのだ


薄暗い顔をしているアニマに俺達は一歩引きたくなる・・いや

もう引いている・・。


(シンジツヲシルトイウコトハ・・・ドウジニフコウモ

 アジワウコトニナルノダ。)


「同時に不幸も・・!?」


(アア・・アニマモソノカガミノカガヤキハイマデモワスレラレナイ

 ニルハソノカガミヲオソレタノサ・・。)


「ニ・・ニルもか・・・?」


(ソウダ。ナニセ、シンジツヲシルカラナァ・・ニルハ

 ジブンノカオヲミタノサ・・シンジツノカガミデ。

 ソシテ・・・ニルハ、ジブンノスガタニオドロイタ

 ナゼナラ・・ソノスガタハモウ・カミデモナク・・

 カミノカタチヲシタデビルデアッタノダカラ)


その言葉に皆、ゾッとしたのだ。



神でもなく

その姿は・・悪魔デビル・・?


それぞれが、一歩、一歩と下がっているのに


なぜか、ミリカだけは下がらない


「・・・あたし、どこからかこういう話きいたことがあるわ」


う~ん、っと思いだしているミリカ


「ミリカ・・?」


そして、ポンっと手で叩いて

もちろん、頭には電球が幻覚ながら見えた


「確か・・思い出したわ!!神話の一部よ

 これと似たようなお話があったわ・・

 確か、創世期の物語で・・・・・

 確か・・”鏡物語”だった・・わね。」


鏡物語・・!?


「か・・鏡物語?なんじゃそりゃ、俺っちでも

 聞いたことないぞ?」


すると、フフンっと挑発的に笑って


「それはそうよ。学者の話では有名な物語よ

 まぁ、メジャーな話でもないし。一般では

 あまり公になっていない物語だもの」


そう解説するミリカに対して旬は

その物語について聞く


「どんな話なの?」


ミリカは思い出すように・・目を閉じて話をする


「大体、アニマが言ったような感じね。最初は、ニルが自分の姿を

 映すために造ったみたいなのよ。物語の初めは、そういう純粋な話

 だったわね・・でも、途中から、無我夢中で鏡だけではない

 あらゆる、芸術品を造ることによって・・ニルはゆがんだ考えを

 持つきっかけも書かれていたわ・・やがて、出来上がったのは・・・」


俺は思い浮かべられる

ニルが鏡を造っている所や様々な芸術品を造り

幸せそうな顔


そして・・まもなくして

芸術は変化を変えて出来上がったのは


一枚の・・鏡。


その鏡を覗き込む姿を旬はやすやすと想像できた。


「”真実の鏡”ともいわれる。不思議な鏡。ニルはその鏡を覗き込むと

 そこには、自分の姿ではない・・邪悪な顔をしていた真実の姿

 それに発狂したニルは、その鏡を叩き割ったでこの神話は

 終わりなのよ。でも、これが事実なら鏡は・・・割れなかった

 ということになるわね」



アニマは、頷く

どうやら、ミリカの話は図星のようだ。


(ソウダ。ソレユエ、カガミヲワルコトハデキナカッタ。)


「なんで?割ればよかったのに」


そういうと、アニマは首を横に振る


(マリョクデミタサレテイタカラナ。ニルモイチドワッタガ

 シュウフクサレタンダ)


「な・・!!」


「嘘よ・・。」


(ウソジャナイ。マァ・・シンジツノカガミハジジツヲウツスカガミ

 デモアル。シュウフクヲスルチカラモアルカラダ・・・ホラ

 ニルノエモマタオナジダ)


「ニルの絵?なんだ?」


ヤドリは不思議そうになる


「あたしのお兄様が所有していた絵よ・・まぁ、正確にはお父様が

 持っていた絵だけど、その絵は、壊れることもない修復を可能にする

 呪われた絵よ・・」


「確か、絵が変われば人を襲うだよね」


「そうね。恐ろしい絵だったわ」


確かに恐ろしい絵だった。


そのせいで、彼女の姉である”アリア”は間違いなく

殺される所だった。


もちろん、俺達で阻止はしたが・・。


当然、そんなことヤドリにはそんなこと言えるわけがなかった


その言葉にヤドリは冷や汗をかいているのか

鏡のことも同じように見ているのか


「俺っちその鏡に触れるのは・・ちょっと怖いかな」


「真実を知るのも怖いわね」


「まぁ、確かに」


(コワイノカ?)


フッと皮肉に笑うが・・


「「「「「・・・・・。」」」」


アニマに聞かれて面々は・・・と黙る


「ま・・・・まぁ、怖いけど・・でも、なんでそんなものが

 この世界に?」


(キュウメイサ。)


「究明?」


(ニルハ、”ゲイジュツシン”デアルカラニシテ

 サクヒンヲタクサンノコシテイタ・・サイショハ

 ジュンスイナサクヒンダッタ・・ダガ・・。)


一息をついてアニマは黙る

やがて・・遠い日々を思う


(コウネンノニルハ・・ウラミトゼツボウサ・・モチロン

 ソンナジョウタイデツクッタサクヒンハ・・・・

 コノヨデモサイアクナノサ)


「この世でも最悪・・」


(ソウ、ソコデウマレタサクヒンガ”ニルノエ”デ

 アッタリ、マタ・・・ソノコウネンニヨッテツクラレタ

 ユガミヲモッタ”シンジツノカガミ”ナノサ」


「歪んで生まれたのが・・真実の鏡・・なの?」


(・・・・ニルノキモチヲシレバワカルハズダロウ?

 ゼツボウニハゼツボウシカウマレナイ。ソレガ

 シンジツナノサ)


「「「「「・・・・。」」」」


戦慄するね・・この話は・・。


もちろん、その問いに答える声はなかった

イレーヌはフゥっとため息を吐いて


「では・・探しましょうか」


イレーヌはペタペタと触る


「探すって・・このダミーの中を?」


「探してどうするの?」


一同が聞くと・・イレーヌは、ただ・・物悲しそうにして


「知りたいことがあるのですよ・・鏡を持つことは

 確かに危険でもあります。でも・・私は真実を知るには

 必要な鏡だと思うのです。」


「必要な鏡って・・何か知りたいことあるの」


「ええ・・それは・・。」


イレーヌが何か旬に言おうとした

その時・・・!!


「~♪」


「な・・またこの声」


頭に響くこの声

どこまでも俺達を追い詰める音


「オーッホホホホホホ」


「こ・・この声は」


「間違いないわね」


「ええ」


「間違いない」


そうどうやら皆も分かったようだ


この声が誰なのか


そして、同時に声を出し


「「「「幽霊歌姫ファントム・プリンセス!!」」」」」


その互いに見上げると

そこにはフードを被った人物が姿を現すのだった・・。


幽霊歌姫ファントム・プリンセスあっさりと登場いたしました。

さて、イレーヌさん自身は何者なのか?

というわけで、皆さんもイレーヌさんもこの物語における重要な人物なので

どんな役割をするのかは・・お楽しみに!!

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