少年、沈んだ世界
今回は、新キャラ集団の来襲です。
ひとまず、ノエル編は、またいずれ更新します。
では、どうぞ。
答えなんてない
研究以外
何もない
ただ、残るのは、普通に生きることが難しくなった
自分たちがいた
どこまでも愚かで
どこまでも助かることすらない
渇きを飢えたモノたち
たどりつくものは・・・ナニモナイのだ。
研究以外しか、自分たちに生きる糧はないのだ・・・。
手を伸ばしても届くこともない
心のありかを・・ずっと・・。
****
旬たちは、どこかに飛ばされた
その中で
ヴィーンっと音を立て
どこかの空間に飛ばされてしまったのだ
「うわっ・・!!」
ドターンっと大きな音を立てながら
皆が、その場所に落ちる
(ゴシュジン、ダイジョウブカ?)
「うん。クッションになったから」
「皆、大丈夫?」
旬が声をかけると
「俺っちは・・大丈夫」
「あたしも・・。」
「我も」
「僕も」
「うちもや・・。」
「・・・こちらも大丈夫です」
それぞれ、起き上がる
「また・・どこかに飛ばされたみたいだね」
「そやな・・どこやろ?ここ」
「大丈夫かな・・ノエル?」
「大丈夫だと思うわよ。」
「ミリカ?」
「なんだか、あの人・・初めて会ってあたしの評価だけど。
ただものではないと思うの」
「まぁ・・確かに」
思い当たることがあるのか、頷く
「それに、僕も思うのですが・・あのカズラという男は
”再戦”だと言っていましたし・・そこまでひどくはないと思います」
ルークが言うと・・ミリカはそうね・・っと呟く
「あたしも思うわ。それに、旬も信じているでしょ?」
「えっ・・?」
ミリカはくすっと笑うばかりだ。
シンジテイル・・?
「ノエルは弱くないわ。あたし、短い間の付き合いだけど
なんとなくわかるもの。それに、旬、あなたが一番信じなければ
いけないはずよ?」
「俺が・・?」
「そうよ。信じないと・・会えなくなるわよ。」
ミリカは物悲しげに行ったのだ
「・・・ミリカ・・?」
「本当に、信じていればいいのよ。
疑心暗鬼だけにはならずに・・
そうれば・・きっと。」
そう苦笑して俺に言うのだ。
なぜか・・ズキっとした心が・・。とても。
やがて、ミリカの傍に控えているルークに対して
「それにしても、あんたも真面目口調には驚くものだけどね」
気味悪がるミリカに対してルークはにこやかに
「おやぁ。ミリカ様にはやはり、僕という存在に驚いてばかり
じゃだめでしょう?」
ミリカはため息を吐く
「いや、あんたのその変わり身の早さに驚いているだけよ
あんたもしかして、多重人格とか言わないでほしいわ」
二人の漫才を見ていると・・なんだか、不思議と笑いがでてくるのだ
そうだよね・・俺が信じないといけない。
信じることが・・必要なんだ。
「ありがとう・・二人とも」
すると、その呟きが聞こえたのか、二人とも柔和に笑うのだ
ジンはラミアと共に辺りを見渡す
「ラミア、ここはどうやら先ほどとはまた違う世界のようだ」
「そうやろな。先ほどの景色と百倍以上に離れとるしな」
そうなのだ・・俺が辺りを見渡すと
あの世界とは違う世界が広がっていた
そう・・今度の世界は・・。
ジンはその世界を見るなり・・呟く
「ジン。どう?」
すると、首を横に振り
「旬・・・今度は水の世界みたいだな。
辺り一面・・水だ。」
「・・・うん。でも、水なのに・・地面を歩いているみたいだね。
よく、沈まないことに疑問を抱くよ。」
俺は同意をする
ラミアは腕を組んでそれはそれは、深いため息だ
「そやな、水の上やというのに、うちら・・その上を歩いているし
しかも、水しぶきが全然・・ないみたいやな」
「違和感だらけね。この世界もまた・・。」
ミリカはその世界を見て、ただ思うのだ。
違和感だらけで・・摩訶不思議の世界だと・・。
そして、旬も違和感を抱くのだ
なんだろう・・この世界は?
いくら、造られた世界とはいえ・・。
なんなんだ・・?
その時、ヤドリがふと、水の中を眺めた
その時気付いたのか
「旬、みて!!水の中に・・先ほどの朽ち果てた世界が・・!!」
「えっ!!・・・本当だ・・水の下に沈んでいる・・?」
先ほどみた世界が水の中に沈んでいる
何が・・あっただろう?
その世界は水に沈んでいて
魚たちが泳いでいるのが見える
「ミリカ様・・ここは、先ほどの世界の続きなんでしょうか・・?」
ルークはその世界を見るなり・・そう感想を言うと
「・・・分からないわ。一体・・どうなっているのかしら?」
水の世界をのぞきこむミリカ
だけど、それだけじゃ物足りなくなったのか
周りをキョロキョロと見渡しながら
「旬、あたしたち向こうに探してくるわね
ルーク、この世界の向け道探すわよ」
「はいはい」
そういって二人は向こうへと歩き出した
「旬、しかし、不思議だな・・先ほどの世界が沈んでいるとは」
ジンがその水の中の世界を眺めながら疑問を口にする
「もっと、気にする部分が多いね・・たとえば・・どうして
俺達・・・水の上を歩けるだろうね。」
そう、平然と歩けるこの水の上
本当にここは不思議な世界すぎる
一体ここは・・・?
どこなんだ・・?
一方、ヤドリは何を思ったのか、水の中に手を入れていた
「・・・あれ?」
ヤドリはその水の中に何か違和感を感じたのか
「どうしたの?」
旬がヤドリに聞くと、ヤドリはその手を見つめて
「冷たくない・・・。」
そう呟いたのだ
ラミアも、水の中に手を入れた
「ホンマや・・・それどころか・・温度を感じない。
なんでやろ?」
ラミアが疑問に思っていると、水の世界を眺めていたアニマが
思い出したかのように
(ワスレテイタ・・コノセカイハ・・カンショクガナイノダヨ)
「感触?」
アニマは頷く
(ソウダ。ナニセ、ツクラレタセカイダカラナ。サムイトカ
アツイトカンジルコトハナインダ・・マァ・・
ミカンセイナセカイダカラアタリマエカ)
今、自分たちがいる場所・・そのものは未完成であると。
アニマは言った
一体・・どういうことだ?
「未完成な・・世界?なぜ、アニマがそこのことを
知っているの?」
アニマは遠くを思いながら
(・・・・イロイロアッタカラ・・アニマハ。
モトモト・・ココハニルノチカラデナリタッテイタ
ニルノネガイノタメニ・・ツクラレタセカイナノダ)
「ここが・・ニルの願いのため?」
「この水の世界もか?」
アニマは旬とジン達の問いに頷いた
(ソウダ・・デモ・・。)
言葉を濁しさびしそうな顔をした
「でも・・?」
(カミガミハ・・ニルヲステタ。ソレカラニルハ・・。
コノセカイヲステタ。)
神々がニルを捨て
ニルがこの世界を捨てた・・?
「ほな・・ここは、ニルが捨てた世界ちゅうことか?」
(ソウナル。アニマデモ・・コノセカイガドレクライタッタノカ
オボエテイナイホドニ・・。トオイコトダ)
アニマは、ニルを知っている
でも、それをけして俺たちに話してくれやしない
「・・・でも、変・・だよな。」
ヤドリが疑問を口にする
(ナンダ?ギモンカ?)
コクリっとヤドリは頷いた
「なぜ・・捨てた世界に道が・・?」
するとアニマは黙って
(ソレハ・・・アニマデモハナシタクナイ)
「・・アニマ、あんさん・・?」
その時、向こうからミリカの声がした
「旬~向こうにワープらしきものが見えたわよ」
「あ、そうなの?」
(ホラ、ヨンデイルゾ。アニマハサキニイクカラナ)
さっさと歩いていくアニマの後ろを眺めながら
「アニマは・・ほんまに何者なんやろな?」
「俺っちも思う・・旬?」
「あ・・・うん。」
その時、脳裏にノエルの言葉がよみがえった
アニマが封印されていた理由だ。
その時は半信半疑であったが。
少しずつ・・確信へと変わっていく
もし、その言葉が事実なら
アニマはもしかして・・?
いや、今は確証の段階だ。
本当にそうなのか・・分かりはしない。
****
ミリカが、にこやかに手を振っている
「ループか。またここに入るんだな」
「そうみたい。みんな、早く行きましょう。」
その時・・ピクンっと何かを感じたのか旬は立ち止る
「旬・・どないした?」
「来る・・!!みんな、避けて!!」
ごごごごごっと音を立て
水の世界に異変が起きる
なんと、ワープの前から敵が現れたのだ
「な・・何!?」
その時、三人組みが旬の前現れる
ばさっと白衣がユラユラと揺れる
「ここからは通さない」
「なぜなら我らは・・・。」
「この世界を追求し」
「そして、この世界を管理をする」
「番人」
そして、三人は自分たちの名前を名乗った
「ケン」
白衣をきて睨みつける青髪の男
「キュウ」
また同じく白衣をきて、ビシっと敬礼する赤髪の男
「イン」
またまた同じく白衣をきて、のんびりとしている緑髪の男
「我ら、三人合わせて”ケンキュウイン”だ」
なんか、変なのが・・出た
研究員をカタカナにした・・だけどよね。
それよりも、これって本当に本名?
いやいやいや、なんだか・・まとまりがつかなさそうだ。
なんなんだ・・こいつら?
「「「「「「・・・・・・。」」」」
もちろん、突然の奇妙な集団の登場で無言になる旬たち
「なんや、あいつら・・ケンキュウインってふざけていんのか?」
思わずラミアが汗をかいている
ルークに至っては、無表情のまま
「僕たちを馬鹿にしているでしょうか?」
「そうじゃないようよ?まぁ・・あたしたちから
したら、ふざけているようにしかみえないけど。」
そう、名前がふざけているのだ。
それは、そうとも・・三人は、やる気満々なのか
「ここからは我らを倒してからにしていただこう」
ケンは、俺達の前に仁王立ちをしている
「そうだ、そうだ」
キュウは後ろで同意をしている。
「お前たちにこれ以上前に進んでもらうとこまる!!」
インはそういうと、旬は思わず
「困る?何かあるというの?この先に?」
旬が問いかけると、それに反応したキュウが
「それはね。」「ばか、キュウ。こんな奴らに我らのことを話すな」
ガチンっと頭を叩く
キュウと呼ばれた少年は涙目で頭を押さえる
恐らく、三人組の中で一番、口が軽いだろう。
「痛い・・」
その時、旬は悟った大丈夫か?この三人組
めちゃくちゃだ。
わけわかない集団の来襲によって困惑している俺達であった。
さて、この奇妙な集団・・まぁ、これは前から考えていたので
とにかく、面白そさもいいかなと思って新キャラを考えたので・・
深く考えないでください。
まぁ、この名前からにして彼らが何者なのかは・・お見通しですよね?
では、また次話で。




