少年、出会うヒト・・そして・・。
新キャラ登場、そして追加エピ
内容は、この街の成り立ちです。
なんだか、追加エピを考えるのも大変ですが
意外と楽しいですよね。
では、どうぞ。
不思議な老人は俺にこの本を託してくれた
そして老人は言ったんだ
この本は時によって動きを止められた本だと
でも、その本が本当に時を刻んでいる本ならば
きっと俺は、その時を動かすことになるかもしれない。
はぁ・・深いため息を吐く俺。
考えてみれば俺って本当に、面倒なことに巻き込まれるよね
老人は、俺は鍵を持っていると言った
どこにあるんだよ!?と怒鳴りたいくらいだし
その怒鳴りたい相手はもうどこにいるかわからないし
まぁ、思いがけない報酬に出会えることを信じて
ただ、前に進むしかないだよね・・。
*********
「ジン、もうすぐ夜になるね」
「ああ、そうだな。急ぐぞ」
俺たちは急いで宿に向かう
もうすぐ夜に近づいていき夕焼けが見える
俺はジンの後を追いながらため息を吐く
俺、疲れたよ。
まさか、今日一日で妙なことが起こるし
夢ではないと思う出来事にも遭遇した
ため息ばっかりな俺
幸せが逃げると分かっているだけど
こればっかりはもうどうにもならないよね・・。
二人は、この街でも数少ない宿に泊まることになった
「いらっしゃい」
宿主が出てくるどうやら、女将さんのようだ
「宿に泊まりたいだが」
女将さんは笑って
「構わないよ、部屋はたくさんあるからね。」
そういって、カギを渡す
そして、二人を探るような瞳で聞く
「珍しいね、この街では見ない顔みたいだけど」
「流れ者なんだ。俺とこの少年とは、兄弟のように
旅をしている。」
「そうかい、いい子だねぇ。坊や」
(ぼ、坊や!?)
怪しまれなくていいんだけど・・。
やっぱ、子供なんだね・・。
はぁ・・。
もう慣れたよ。
俺、もう一生このままなのかな・・?
いやいや、悲観している場合じゃない!!
こういうのは、有効的に利用しないと・・。
はぁ・・。
ため息の数だけ幸せが逃げる
もう幸せ逃げているじゃない・・?
まぁ、とりあいず、怪しまれないためにも子供の振りでもするか
「うん。そこのお兄さんとは旅をして長いんだ!!」
笑顔で答えると女将さんも笑顔で返す
もう、ヤケだ、ヤケ
恥ずかしいけど仕方がない!!
ジンを見ると、苦笑している
恥ずかしい・・俺、消え去りたい。
その時、場を打ち消すような音が聞こえる
「グギュルルル」
旬のお腹が大きく鳴る
「あははっ、面白い坊やだね。お腹がすいたのかい」
思わず赤くなる、ジンに至っては始終、ニコヤカだ
腹立つよ。
俺を子供を見るような目で見るなよ!!
「すぐにご飯にするから、部屋に荷物を置いてきな」
部屋に入った途端
今まで、笑いを抑えていたジンが
「フフッ・・。」
と、笑いだし、しまいには
「あははははっ」
ジンは止まらなくなったのか大笑いをする
「くっ、わ、笑うなよな」
「す、すまない、あまりにも可笑しすぎて」
笑いが収まらないジンに俺はムスっとなる
本当に失礼な奴だよね。
俺、めちゃくちゃ恥ずかしかっただし!!
そんな、俺の怒りを鎮めるように
「そう、怒るな。」
「誰だって怒るよ!!」
「まぁ、良かったじゃないか。お前の演技の
おかげで、怪しまれずにすんだじゃないか」
「そりゃ、そうだけど・・。」
確かに筋は通っているけど
さすがにあれは恥ずかしかった
もう、俺、恥ずかしい。
ジンは笑いながらも俺の機嫌をなおしてほしいのか
「お腹がすいただろ。さつきかなりお腹の音がしたしな。」
「う・・そ、それは」
確かに、歩いてばっかりだったのでお腹がかなりすいている
その旬の様子をみてジンは荷物をその辺に置いて
立ち上がる
「ご飯食べに行くぞ。」
「ご飯・・仕方ないな。」
俺の機嫌が少し治ったのがいいのかジンは俺の頭を撫でてくれる
あいからず、俺を子供扱いしているようだ
とにかく、俺は荷物を置いてジンと共に食堂にやってきた
当然、俺意外にも客がいたのかザワザワして騒がしい
「座れるかな・・?」
「さぁな。」
俺はキョロキョロとしているとさっきの女将さんが来て
「あら、あんたたち来たんだね」
「ああ、席は開いているか?」
「すまないが、相席になるがいいかい?」
「構わない。」
「そうかい。じゃぁ、着いてきておくれ」
俺とジンは女将さんについて行く
「ここさ、すまないが、相席いいかい?」
褐色の肌と、黒髪の少女がご飯を食べていた
瞳はグレーで、とても綺麗な瞳をしている。
その少女は俺達を見ると笑みを浮かべて
「かまへんよ。一人で寂しいからな。」
そう答える少女と女将の会話を聞く俺
女将は話終えたらジンを見て
「なら、いいけど。お客さん。メニューは適当で良いかい?」
「ああ、なんでも構わない、ついでに酒も頼む。この子にはジュースだ。」
「了解したよ、じゃぁ待っておいておくれ」
そういって女将が去った後
俺とジンは座ることにした
少女は、好奇心旺盛なのか俺たちを見て話だす
「あんさんも旅の人?」
「そうだが・・」
「あ、あの、あなたは」
俺はとりあいず、その少女の名前を聞くことにした
「うちは、ラミア・ロディア。世界中を旅しとる。あんさんは?」
「ぼ、僕は、シュン・ヒナセ・・・旬でいいよ。」
「我は、ジンだ・・。」
「よろしゅうな。」
ラミアと呼ばれた少女は、手元に酒瓶を持っている
カランっと音を立てて、酒瓶を見せる
「どや、お近づきの印にうちと共に飲まんか?」
「お・・いや、僕は、未成年だから飲まめないよ」
「そや、残念やなぁ。そこの兄ちゃんはどうする?」
「我は飲めるがいいのか?」
「かまへんで。ほな、うちと共に飲もうやないか」
トクトクっと酒を注ぐラミアにジンはうろたえる
「今日に感謝せなあかんな。」
そう張り切る少女
後ろからは、女将さんが俺たちにご飯を持ってくる
美味しいそうな臭いでよだれが出てきそうだ
そしてジンは、酒を持っていて
俺は当然、ジュースだ。
「では、今日の一期一会に乾杯!!」
「乾杯~」
カチンカチンっと音を立ててジンと俺・・そしてラミアは乾杯した
それから、ジンとラミアがすごい量で酒を飲んでいる
隣で、俺はひたすらご飯を食べている
すると、少女は酒のいきおいで俺にあることを話す
「知っとるか?坊」
「な、何?」
「この街のことや。せっかく来たんやから
知っとったほうがええ。この街の情報くらいな。」
そういえば・・この街のこと俺何も知らないな。
「お姉ちゃん、教えて」
俺のウルウル光線にラミアは自慢話するように
「この学者の街は、昔、メノリ・カルディアという
とても頭のええ、学者はんがいたんや」
「・・・。」
ジンは黙る
ジン・・?
その様子が気になったが今は黙る
「その人が何かしたの?」
俺は子供の振りをして話しの内容をさりげなく入る
「それはな、その学者はん、その後、王宮の側室になったんや
えらく出世したもんやけど、あらゆる政策を王共にな
そのひとつにこの街に寄付したんや、多くの学者のためにな」
「へぇ・・で、今その人は?」
「もう、この世にはおらへんで」
「・・そう・・なんだ。」
「もう、いいだろ?さぁ、続きを飲もう」
「せやな。」
ジンに無理矢理、話しを止められたけど
俺は気になった
けど・・これ以上は聞くことはできなかった
なぜなら、ジンの顔がとても悲しそうに見えたからだ・・。
ジンとラミアが酒を飲んでいる様子を見て
大俺は、怪しまれないように、子供の振りをしながら
話を聞き続けた・・。
そして、景気良いところで、そろそろ部屋に戻る時は
ジンは既に酔っているのか、意識が朦朧としている
女将さんは心配そうな顔をしている
その時、チャリーンと音がする
それは、皮袋が揺れているからだ
そのパンパンのルナを見てラミアは不思議そうな顔をして
「ん?あんた、子供なのに大金の管理しとるの?」
「あ・・これ。お兄ちゃんが、お金の管理が下手
だから、俺・・いや僕が代わりに管理しているの」
「ふぅ~ん」
そう聞き流すラミア
ふぅ。なんとかごまかせたかな?
俺は冷や汗、びっしょりだ
そして、ラミアは旬を見て
「小さいのに、えらいな」
「・・それは、ありがと。」
なんだか、馬鹿にされたように見えたけど・・。
小さいって、失礼だよ!!
まぁ、仕方ないか。
「そろそろ、僕、部屋に戻るね。」
「・・明日が楽しみやな。」
「え・・。」
「なんでもあらへんよ。ほな、さいなら」
笑みを浮かべて手を振るラミアに旬は不思議に思いながら
俺は、ジンを引きずりながら部屋に戻る
重い・・。
今、魔法使ってはいけないしね・・。
引きずる程、重いジンと一緒に部屋に戻り
ベットにジンを寝かせ
自分も、専用のベットに横になる
自分の側に置いている本を、自分の横に置いて
俺は、寝転がる
今日は、なんかかなり疲れたな・・。
すぐに、眠り落ちる
その時、カタっと音がした。
その音に気づいた俺は一瞬だけ目を明けた
「ん・・?」
気のせいかな・・?
きっと、今の音は風の音かも
それにしても・・眠いよ・・。
ふぁぁ~あくびが木霊する
そのまま、俺は疲れが蓄積されていたので余計なことを
考えることもなく深く眠りに落ちたのだった
その時人影が姿を現す
「ふぅ。危なかったわ。この坊は、えらく鋭いなぁ。」
人影が姿を現した
「ふふっ。思ったとおり大量にルナを持っているやないの。
・・・ん?」
旬のそばにあった本を手にする少女
その宝の価値が分かっているのか
「ほぉ、これは結構なお宝や・・頂くで。」
その本とルナを手にもった少女は淡く微笑んで
本とルナを奪っていったのだった。
*********
「ふわぁぁ」
あくびをして瞳を開ける
ふぅ、昨日はよく食べてよく飲んだな
起き上がる俺、当然ジンは、まだ隣のベットでグウグウと眠っている
昨日かなり飲んでいたからな
仕方ないか
そういって起き上がり、隣を見てみると
「ん・・?」
俺は自分の荷物に違和感を抱いた
「え・・。」
その時、顔が青くなる
「うわぁぁ、ジ、ジン」
「どうした・・?」
目をこすりあげ、横になっているジン
俺は涙目になっている
眠るジンを慌てて、揺さぶる
「ど、どうしよう」
「何かあったのか・・我はまだ眠い・・もう少し寝かせろ」
そういって横になっているジンはまた寝ようとする
俺は揺さぶりながら
「ジン、寝ている場合じゃないよ」
俺は、とんでもないことになってしまった
自分のこれからの行き先に必要なモノが無くなっていた
「ほ、本がなくなっているだよぉぉ。」
「なにぃぃぃ!!」
起き上がるジン
昨日まで寝るときまでは置いてあった本が
朝になったら消失している!!
しかも、一緒に置いてあった俺の皮袋までも
「それに、俺のルナもとられちゃった」
「気にするな、我の財布から出してあげるから。」
「うん・・で、でも一体誰が」
「・・・。」
「・・・。」
「どうしたの、ジン?」
「我のルナもない」
「え、ええええっ!?」
とんでもない事態になったよ
本とルナが無い!!
「どうするの!!宿は」
「宿の方は一応、既に払っているから大丈夫だ」
それは良かったけど、い、一体だれが
その時、ある言葉は思い出した
ジンを背負って、部屋に変える時
ふと呟やかれた一言
(明日が楽しみや)
少女の声が頭に響く
その時、俺は気づいた
そうか、あの時はわからなかったけど
そういうことだったのか・・。
「旬・・どうした?」
「俺、どうやら思い当たりはあるようみたいだよ」
「え・・。」
フッフッフ
そういうことか、偶然とはいえ
俺たちがターゲットにされたのか・・。
やっぱり、あのパンパンになったルナを見せたのがいけなかったな。
あの音に気付かなかった俺の責任だよね・・。
「し、旬?」
旬の不気味な笑い声にビクっとするジン
「ジン、俺達どうやら、カモにされたみたいだね」
腹の底からの後悔と怒り
それが、二つに交じわった瞬間だった。
俺とジンは神妙な顔をしている頃
某時刻
「今頃、大慌てやな・・あの宿。まぁ、うちには関係ないな。」
そう、どこかで笑っている少女が宿を後にして街を眺めている
姿があったのだった。
当然、手には皮袋と本を持ちながら・・。
この街には昔、メノリ・グレイソンという存在はいました。
でも・・。まぁ、そこは、別に書いているクランティア王国物語の
登場人物の一人です。
ついでに、メノリは、この少年の~世界にかなり影響する人物の一人です。
彼女については後程、この二つの話しで明らかにしていこうと思います。
では、また。次話で。




