少年、心の痛み
おはようございます。
今回は、少年とゼノンはどのような行動を持ったのでしょうか?
あっと、ついでに、短編も更新しました。
今回は、アデルの物語 ~ミツケタ~です。
短編なので、ぜひ見てくださいね
彼女の生い立ちがわかります。
では、冒涜は・・?
未来は誰にも決められないの
それは私がもっとも畏怖することでもあった
ずっと、ずっと私も見てみたかったのだ
未来を凌駕させる何かを
でも、それは見えることは一回もなかった
だけども目の前には、少年がそれができたのだ
私は見てみたい・・・その少年のすべてを
占いがすべてではないと・・その少年は知っているのだった
****
「で、結局あんさんは・・・うちらに何をさせたいんや?」
「・・・私は、幽霊歌姫の噂が
本当か確かめるだけ・・なので、貴女方も知りたいのなら
夜にくればいいですわね」
「・・・夜・・ぼ・・ボクたちも」
「ええ、知りたければ。」
「ボ・・・ボクはいかないよ。むしろ、行きたくないよ」
「お・・おれさまも」
「あらあら、怖がっていますわね」
「な・・なにいっているんだよ・・ボ・・ボクは」
なんだか、ノエルが涙目になっているのが見える
ジゼルは
「おれさまはいうぞ・・こわいって」
ガクガク震えながら俺の背中に隠れるジゼル
ノエルは、そんなジゼルを見て
「ジ、ジゼルくん」
涙目から少しパァっと顔があがる
「まぁ、確かに俺は、鐘を見に来ただけだし
幽霊と聞かれてもな・・。」
すると、
「そ、そうだよね。さすが、旬」
「おれさま、うれしいぞ」
そういって旬に駆け寄るがくすっと忍び笑いが聞こえる
「あ・・あんさん?」
様子がおかしいゼノンにラミアはビクっと震える
彼女は笑いを耐えているのだ
「・・・フフフ。アハハハ」
口元に手を出して隠しても、ゼノンの笑いは収まらない
「ごめんなさい。貴女方があまりにも面白いから」
「お・・面白い」
「まぁ、私としては、無理強いはしないけど。
でも、決定は・・少年あなたにある。」
スッと俺に目を向ける
「・・・俺?」
そう、ゼノンは頷くのだ。
「あなたがソレを決めるのがいいでしょう?
それなら文句ないはずよ。鐘もその時みればいいわ。
だって、そのほうが一石二鳥だもの。」
「確かにそうやな、旬どないする?」
ラミアがそう聞くと
「お・・俺は。」「今はいいわ。」
「えっ・・。」
「行きたくなくても構いませんわ
でも、所詮は人間・・すぐ、行きたくなる」
目を細めるゼノン
まるで、予言だ。
「ど、どういうことや」
すると、ゼノンは、口元に手をやり
「・・・・私はこれでも占い師ですからね。
そんなことぐらい・・分るですよ」
「誘導しているみたいやな」
「ふふっ。なんでもおっしゃいなさいな。
でも、少年。」
「は・・はい。」
なんだろう・・緊張する?
「私は、楽しみにしています。では、夜に。」
そういって、彼女は笑ったのだ
なんだろう・・本当に不思議な存在だ・・彼女は。
俺たちは、そっと外に出たのだった
「ほんまに、不思議な人やな。ゼノンはん」
「・・そうだね~、ボクも同じだよ。
まるで、あれは魔女みたいだ」
「魔女?」
俺はそうつぶやくと
「・・まぁ、怖かったから・・とだけじゃないね。あれは」
「そうだな・・おれさまもおなじ・・なんだろうか、あれは
なにものなんだ?」
ジゼルは頭を悩ませているようだ
「うちも知らんな。ゼノンはんが何者なのか」
確かにそうだ、あの人は何者なんだろうか
「・・・さぁ?俺もわからないよ。」
「旬、謎に思わんのか?」
「まぁ、確かに思うけど・・とりあいず、今は鐘を見上げて
帰ろう」
不思議な人だというのは本当だけど
だから、なんだろうか?
まぁ、俺が正体を暴く必要性はないような気がするのだ
なぜならば・・おそらく、俺自身も心のどこかで
彼女が何者かは気づいているかもしれないのだから
「・・・あ、旬」
俺は、鐘が見える位置にくる
その場所はちょうど噴水の傍だ
「あれが・・・鐘か。」
遠くからでも分るその圧倒感
「おおきいな」
「・・・うん。」
大きいけど・・でも、なぜか、また心が痛くなった。
胸を押さえれば抑える程
この不思議な感覚
やはり、俺はどうかしてしまったのだろうか
この国に来てから・・どうも変だな。
俺は少し、立ち止まった
それをみてジゼルは
「しゅん?」
声をかけるが、返事はない
「・・・。」
「しゅん!!」
ハッとしたのか
旬は、ジゼルの視線を会わせて
「ごめん。ジゼル」
「いや・・いいんだ・・だいじょうぶか?」
「・・・ああ、平気さ。さか、帰ろうか。ジンたちきっと、先に帰っているよ」
旬は、ラミアと一緒に帰っていく
「あ、うん」
その時の顔を見て
ジゼルはなぜか不安になった。
怖いとか・・そんな恐怖感ではない。
もっと、別の何かだ
「ジゼル君?どうしたの?」
「・・・しゅんが・・なんだかとおくにいってしまいそうだ」
その言葉に驚いたのはもちろん、ノエルだ
「・・えっ・・。」
「おれさまのきのせいかもしれない
でも、おれはじゅうだ。
だからこそ・・ちょっかんだけは
みえるんだ・・。」
旬の後ろ姿を眺めているジゼル
それは、風によって消されていくのだ
****
その後、俺たちは、宿に戻った
そこにはもちろん
「旬、戻ったんだな。俺っち待っていたぜ」
そこには、ニコニコと笑っているヤドリがいた
「あ、ただいま。どうだった?」
「ふっふっふ、もちろん情報は聞けたよ」
「・・で、なんでジンが潰れているんや」
ラミアはベットでグースーカっと眠っているジンを
指差す
そして、その傍でジゼルとノエルは棒でジンをつついているのが見える
「ああ、実は先ほどの店でジンは、お酒を飲んだらしくて
それも、かなり強い酒で・・俺っち大変だったんだよ
ここまで、背負うのは」
なんとなく、その様子はわかるような気がする
「はぁ・・大変だったんだね」
思わずそう言うと
「まぁね。でも、楽しかったし・・で、情報だけど」
そういってどこから出したのかメモ帳を出す
「明後日の祭りだけど、パレードが行わて
そして踊り子たちが踊るだってさ。」
「パレードで、踊り子ねぇ」
その様子を見てなんとなく、想像をする
「その後は、色んなイベントをするようだ」
「イベント?」
「ああ、たくさんのね・・で、特にそのイベントの中で
面白いのが」
そういってペラペラっとメモ帳のページをめくる
そして、目に付いたページを見たのだ
「誕生祭と星降り祭には、星の形をコンペイと降らせるだってさ
それを食べて祝うんだ。もちろん、こんぺいとうの味も格別で
かなり美味らしい。」
「こんぺいとう・・」
なんでこんぺいとうなんだ
「おそらく、星に似ているからかもしれへんな
こんぺいとうは・・・愉快なことをするもんや
この国の王様は。」
「そうなのか?」
こんぺいとうを投げて食べるか・・・
まさに奇妙な祭りだ
「まぁ、そんな祭りのことはいいんだけど
特に重要な祭りはこのあとなんだけど・・。」
「じゃ、なんで言ったの・・ヤドリ」
「いやぁ~俺っちが個人的に行ってみたいんだよ」
「・・・あんさんの希望かい」
俺たちは呆れる。
そして、ヤドリは、ハハハっと笑って、会話を続ける
「その後、これが噂なんだけど王様が・・
千年に一度開かれるという”道”を開きにいくらしい」
「・・・神殿?」
「詳しくは知らないけど・・その神殿には
選ばれた踊り子と吟遊詩人が踊ることや歌うことで
道が開かれる。」
そう言われた途端
アレっと、違和感を感じる
「・・・でも、前にいっていたよね
道は、君の力も必要だよね?」
そうなのだ
ヤドリの力は、”道”の重要な鍵
「・・・さぁ、俺っちでも分らないさ。
でも、警戒するべきところはたくさんある
なぜなら・・奴らが来る可能性が大だ」
奴ら・・そうなると、千里は必ず来る
それは、とても大きなことのはずだ
「とにかく、俺っちたちはその日まで
とりあいずは、大丈夫だと思う」
そして、ヤドリの話は終わった
だけど、不安そうな面々が見える
主にノエルとジゼルだ。
「旬、どないする?行くか?」
「・・・いや、いかないよ」
するとホッとするノエル
ただ、俺も気づかなかったが
ジゼルだけは・・とても、寂しそうに俺を見ていたのは
気づくことは無かった。
その夜は・・俺は眠れなかったのだ・・。
ふと、目を覚ます
やはり、気になる
月が俺を見下ろすのが分る
俺は、誰にも気づかれずに
ソッと外にでて
そして・・公園へと走っていくのだった・・。
宿から抜け出した旬・・彼はどんな想いで外に出たのか
それは、これから明らかになります。
では、アデル視点の短編もよろしくお願いしますね。
次話をまたどうぞ。




