少年、謎の老人との邂逅
さてと、14話目になりました。
私は早く50話目までいきたいですか
なかなか、忙しすぎますね・・。
とりあいず、気長に待っていただけると嬉しいです。
では、どうぞ。
何をしても読むことができない不思議な本
俺はこの本は俺を拒んでいるじゃないかと思ったんだ
でも、それは違うと気づいたんだ
それは謎の老人との邂逅
それがすべての始まり
それは思いもしない衝撃な話となる。
*******
扉から出てきたのは、初老の老人
そして旬たちを見て、驚くどころか笑い出す始末
「ホッホッホ、こりゃ珍しい客人様だ」
「あんたは?」
「わしゃ、ここの本の店長のようなものじゃ。」
不思議な老人は陽気に笑う
どうやらこの店の店長のようだ
俺はすかさずこの開かない本に聞いて問う
「お爺さん、なんなのこの本。なんで読めないの?」
「ほぉ、お前さんたち珍しい本に目をつけたなぁ」
「「珍しい本?」」
「ふむ。どうやらお前さんたちは選べられし者たちか・・。」
えっ・・。
このお爺さん今なんて言った?
選べられし・・と言ったよね?
それだけじゃない老人はまた
俺たちが驚くようなことを口に出したのだ
「この目で見ると・・・。成程・・異邦人と人狼か・・
面白い組み合わせじゃわい」
「「!!?」」
俺、何も言っていないのに
何で、俺が異邦人だと分かったんだ!?
しかも、ジンのことも人狼って・・!!
「ほぉ、その目は何で分かったんだ・・っていう顔じゃな」
謎の老人から見える瞳は無だ
まるで、底知れない瞳
俺はゾクっとした。
「わし程、長生きしていると自然とわかるものなんじゃよ」
自然・・と
そうなのか?
老人になってみないと分からないなそれは。
俺は思わず信じかけた
根が単純な俺はいいけどジンはどうやら信じていないようなのか
ジンは、老人に鋭い瞳で射抜く
「そんなわけないはずだ・・何で、旬が異邦人と分かったことや
俺が人狼であるなど普通の人間ではわかるはずがない!!」
キッと疑惑の瞳を向けるジン
老人はただ、笑うだけ
俺はその老人が何者かと知りたいけど
それ以上に、謎に満ちた何かを感じていた
「そうなの?」
俺は驚いているがジンは珍しい感情を露にしている
「ああ、俺は人狼だが、普通の人間と同じ容姿をしている
それに一目見ただけで獣人がたくさんいるこの世の中で
人狼だなんて見分けられるはずがない」
「・・・本当に、長生きはするものじゃな。」
「え・・。」
老人は一言、そう言ったのだった
もちろんジンの話を聞いているはずなのに
軽く受け流しているだけ
なんとも言えない不思議な老人だ
人狼と気づいたことと、俺が異邦人だということ
なぜ知っている?
俺は、思わず目を丸くした
この老人は一体・・。
「どういうこと・・なの?」
「わしは長い間、この本屋を営んでいるが、お前さんたちのような
選べられし者たちが来るとは思わなかった」
「さっきから聞くけど、選べられし者って何のことだ」
老人は、遠い目で語り始める
「この世は、闇があるんじゃ。その支配者が狂い始めた世界。
狂った世界は、やがて闇へと変わる・・その闇を光に変える存
在そのモノたちこそ、選べられし者じゃ。」
「・・・?」
俺は首を傾けた
闇・・?
なんのことなんだ?
俺はただ、偶然、この世界に来たはずなのに
いきなり、闇のことを言われても困る
老人は、旬たちを見て
「お前さんたちは、赤い月を見たのじゃろ?」
「え・・なぜそれを・・?」
「!!?」
「お前さんたちは選ばれた・・だから、赤い月をみた・・そうじゃろう?」
どういうことなんだ・・?
あの月は偶然ではないのか
赤い月というキーワードに反応する俺
老人は、俺が持つこの本を見た
「これは、本が持ち主を選ぶ珍しい本じゃ」
「持ち主・・を?」
「そうじゃ、数々の歴史を知る確かな存在・・。
守り番が宿る世にも珍しい本」
世にも珍しい・・?
確かに開かないのなら話が辻褄あうけど・・。
俺は、思わず老人をみた
ホッホッホと笑い続ける
そのあなどれない不思議な老人
俺は、その本を見つめた
持ち主を選ぶって・・それほどすごい本なのか?
高いということは無理もないはずだ
それほど、貴重な本ということか・・。
「もし、俺が選べられし者としてその前提としてなら
どうして読むことができないの?」
「この本は普通の方法じゃ無理なんじゃよ」
「無理・・?」
「そうじゃ、長い年月と共に歴史を共にするモノ
鍵が必要なんじゃ。」
「鍵・・?」
「そうじゃ」
「で、でも鍵がないよ」
「鍵は、君はもう持っている。」
「え・・。」
「この本は持ち主を失い長い時を止めている
必要なのは、その時を時放つことで時を再び動かすことじゃ」
「つまり、これは時と共に動いているということなの?」
ジンは老人に聞く
老人は肯定する
「そのとおりじゃ」
もしかして、俺この本を買うとして
この鍵を探せということ・・?
果てしなく嫌な予感がする
「お前さん・・とくに、退化した坊。」
「・・お爺さんは、分かっているのだよね?」
「ああ、もちろんじゃ。この本を開けるか開けないかは
お前さんしかできない」
「・・結局どうしろと?」
「自分でこの本の鍵を開けろ・・ということじゃ」
ホッホッホと陽気に笑うお爺さん
やっぱり
俺、結局自分でしないといけないのか
ため息を吐く俺。
気が遠いよ。
「で、お代のことじゃが・・。」
その話を切り出される
当然、ただではないはずだからな
2万ルナ・・どうしよう。
今、お金が足りないだよね・・・
絶体絶命だよ!!
「タダで良いぞ」
え・・。
「はい!?」
老人はあっけらんといった
タダで良いっていいのこれ
「実は、この本は他の本と違い
読めないというのが難点でな
はっきりいって扱いに困っておった所なんじゃ」
「はぁ・・。」
じゃ、なんで置いているんだ?
こんな本を。
つくづく俺はよく分からない
この老人も、この本も
「よかったな。旬」
「あんまり、嬉しくないよ。」
ため息を吐く俺
タダになったのは嬉しいけど
さすがにこんな事になるとは思わなかったよ
俺は、そういえばと思い
「一つ聞いていい?お爺さん」
「なんじゃ?」
「結局、あなたは何者なの?」
俺が一番疑問に思っていたことだ
結局この人・・何者なのかを
老人は、笑い続ける
「ホッホッホ、いずれ分かるはずじゃぞ」
「え・・。」
「さぁ、行きなさい。お前さんたちにはまた出会える
その時、わしが何者か教えてあげようじゃないか」
「次回の持ち越しか・・仕方ないな。」
ジンは諦めている、俺は不思議とまた会えるような気がした
老人は手を降る
「また、出逢う時はおそらく・・。」
ハッっとしたときはすでに俺は、木陰にいた
「いつのまに・・。」
「我も驚いたことだ、どうやらあれは幻だっただろうか?」
軽くホラー的な人だったね。
いや、人かどうかも分からないけど
夢かもしれないと思ったよ
でも、夢でもないと思えたのは
この手にぬくもりを感じたんだ
本のね・・。
「いや、夢でも幻でもないようだよ」
「・・本・・か。」
俺の手には本がある
どうやら夢でもないようだ
本当に不思議な店だった。
「さてと、旬。探しに行くか」
「宿だよね・・。」
「そうだ。行くぞ」
「はぁ・・仕方ないよね。」
結局、俺を呼んだあの声についてもあの老人には聞けなかったし
鍵について。
俺はもう・・持っている・・か。
さて、どうなるかな・・。
当てはないけど、自分で答えを見つけないといけない
俺は、ただ・・あの老人が何者か知る以前だ。
さて・・。
俺の耳にはまだあの笑いが耳に残っている
ホッホッホ・・。
あの謎の老人の陽気の声が・・。
こびりつくように・・残っていた。
追加話は、今回は無いです。次では、追加話を書くつもりです。
では、また明日
楽しみにしていてくださいね・・。




