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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
7章 ~守護人のささやき~
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カズラの誤算

さぁ、始まりました。

今回はまた戻って

ノエル視点ではじまります。



真実は事実より重くて


そして、時には残酷の意味を持つのだ。


知らないほうがいいことが世の中にはたくさんある。


けど、知ってしまえばもう遅い


そう、もうわかっているんだ。


後戻りはできないことにもうきているのだと



                 ****


旬がアデルと遭遇している中で、外の世界では。

ノエルとカズラが対峙している


カズラは・・少し何か考えていた

ノエルとしてはイライラしているのだ。


「さっさと話なよ。ボクだってお前の話を聞くのは虫唾が走るよ」


本当に嫌そうだ。


「ふん・・いいだろう。俺の目的を話してやる」


偉そうなその男の雰囲気に皆、嫌そうな顔をする


「いいから、はやく。おれさまでもめんどうだよ。」

(おなじく。)


どうやらノエルたちはかなり面倒そうな顔をしている

カズラは、白けた目でみるノエルたちを交互に見つめて


「・・・ふぅ。わかったよ」


それは、どこか諦めにた言葉

そして、仁王立ちになって、彼は話したのだ


「俺たちはあの方の命令で、ここにきた。もうすぐ始まるからな」


「始まる・・何?お祭りでもするの?ボクはお前を火祭りにする

 ぐらいなら用意はあるよ」


そういってにっこり笑うが言うことは悪意だらけだ


「嫌われたものだ・・・だが、祭というのは半分正解だ」


半分正解・・?

この男はそう言ったのだ


「我々は、その祭によって、道が開かれるのだ・・千年に一度

 その扉は開かれ・・我らの目的は達成される」


「・・・目的?君の目的はなんなのさ。ボクにも教えなよ」


「・・これだけは教えられない。だが、いいことをおしえてあげよう。

 ”グランドクロス”に来ればすべて分る。それが俺たちにとっての

 目的もすべて明らかになるのさ。」


「クランドクロス・・。」


聞いたことのない街名だ・・。

いや、どこかで聞いたことのあるような・・。


ダメだ・・ボクでは思い出せそうもない。

そして、カズラはクッと口を歪めて


「くっ。しかし、予定では簡単に奪えるはずがまさかこのような誤算

 思わぬ収穫だった」


ピクっとボクは反応した

収穫と奴はいったのだ。

どういうこと・・。

何が・・起こっているというの?


「・・誤算?」


「・・本来ならば、お前たちは”いなかった”存在」


いなかった・・!?

こいつは・・今、何を言っているんだ?


「・・・いなかって・・でも、ボクたちは”存在”しているんだ」


そう、こいつが言うことは意味が分らない

むしろ、誤算ってなんのことなの・・・。


ボクには理解できないよ。


カズラは頭を掻きながら


「だから、誤算というんだ。本来いなかった存在が存在している

 これほどの誤算はない」


「待てや。」


鶴の一声が響いた


「なんの話や・・あんさん。うちらがまるでここに存在しなかった

 という・・まるで、あんさん・・未来を知っているような口ぶりやな」


今まで、話を加っていなかったラミアが聞く

だけど、カズラはどこか風の吹くように平然としている


「それで?もし、俺が仮に未来を知っているとしたら・・どうする気だ?」


ギッと敵意を込めた瞳をカズラに向けるラミア


「・・・あんさんの誤算。うちには理解できへん。けどな、

 これだけは言っとくわ・・うちらがもし、本当に存在しなかったら

 ・・あんさんの計画は成功したということになるんや」


ラミアの言うとおり・・ボクたちがいなかったら

こいつらの目的は・・成功している。


でも、ボクら・・やつの誤算だとしたら

計画は失敗になることになる


「ああ、そうだ。俺は失敗したということになるな」


カズラは苦笑する。


「本当に、残念だ。また、邪魔をされたというのか

 一度目はあの女・・二度目は、お前たちか」


「・・・あの女?」


ハッとしたのか、フロウは話に混ざる


「お前さんは・・アデルのことを言っているのか!?

 何を始めようとしているのじゃ!!」


アデル・・って誰の名なんだろう

その時はボクらも知らなかった

でも、いずれ知ることになるだろう。


重大な意味をもって


さて、そんなことよりか・・

こいつは何を企んでいるのかは知りたい。

けど、目的も言わなさそうだった


大体、グランドクロスだけじゃ、わからないし


「・・。」


拒否権など・・許されることなどない。


「ボクもそこは聞きたいな。君はどちらにしろ、答えないといけないんだ

 拒否権はないよ?」


すると、カズラは仕方ないといって溜息を吐く


「さっきは、目的は教えないつもりだったが・・この爺さんが

 あの女の名を言ったので礼儀ってことで、

 教えてやろう・・一つは、この坊やさ」


あの女・・?

アデルって言ったよね・・誰のことなんだろう?


当然、アデルのことを知るはずもないのだ・・ノエルたち

だからこそ、不思議そうにするのだ


カズラは視線を向ける・・そこには

ジンが守っている中で、眠っているキトウとヤドリが見える


ノエルは

「ヤドリ・・君は、ヤドリの何を・・。」


「・・・この坊やの力は”鍵”なのさ。」


「鍵?」


「道を開くための・・だが、奪えもしないそうだし

 だが、それもできなさそうだ」


「・・・えらく、消極的やな。あんさんの目的の一つがヤドリで

 道を開くのに必要なんやろ?」


「・・・だが、貴様たちが邪魔したせいだ。」


すると、ノエルは溜息を吐いて


「ボクらのせいになっているね。」


「ふん・・もう一つは、お前たちの存在さ。」


カズラが言った・・ボクたちの存在のことを


「・・・?」


「ははっ。いずれ、奪いにくる存在が、まさかこんなに

 強くなっているとは・・さすが”力”を持つ者たちだ」


「なにを・・いっているんや?」


そう・・こいつは何を言っているんだ・・?


「筋書きどうりなら、貴様たちは、俺たちの手で

 行方不明になっているというのに・・これほど狂った誤算だな

 ハハハハっ」


狂った笑いを浮かべるカズラ

やはり・・。


「・・・意味がわからないよ。お前・・!!

 ボクらが・・!?」


ノエルは呟く

そう、こいつは何を考えているというの?

未来のことやら

もう・・意味が分らない・・こいつの存在そのものに


「ふん・・いずれにしろ、誤算はすべて・・この少年なんだ。

 そこに眠る・・な!!」


そこにはキトウの傍で眠る旬の姿が見える


「あんさん・・!?」


「残念だが、これ以上はタイムアウトだ。

 無理だな」


だが、カズラは、笑いながら・・。

これ以上のことは答える気ないようだ


「・・・もう、俺は帰るぜ。お前たちを追い詰めることは次回に持ち越しだ」


これ以上、コイツからはなにも引き出せそうにもないってことか


「ああ、さっさと帰りなよ・・・でも、次あったときは

 ボクは負けないよ」


「・・こちらもだ・・。」


そして、カズラは去っていった


「・・・なんなんや・・あいつ。」


ラミアは怒りで拳を強く握る姿が見える


「おれさまもきいた。みらいが・・わかるって」


(主、あいつは一体・・。)


リンドが心配そうに聞く

ボクはあいつの言っていることが理解ができない。

なぜなら・・ボクたちが・・”力”を持っていると・・。


「・・・分らない。ただ・・一つ言えることは

 ボクらもまた、本来ならば”ありえない存在”」


そう・・そうなのだ。ボクたち自身がありえないとすれば

もっとありえないのは・・。


ボクは旬に目を向けた

そこでは穏やかに眠る旬の姿が見えた


「・・そや。けど、そのイレギュラーが・・。」


「旬というわけだな」


ラミアは心配そうに口を出す

「ジン、あんさん・・どや?三人は?」


「大丈夫だ。寝ている。時期に目覚めるだろう。」


「そか・・」


「・・・我も理解できないのは同じだ。

 だが・・いずれにしろ。クランドクロスがすべてだな」


「・・・そうだね」


ボクはカズラが去った後を眺めた


「・・・・。」



あいつがなんであんなことを言ったのか理解もできなかった

でも・・その答えはすぐあることを・・。


ボクらはいずれ知ることになるとは・・。

その時は知らなかったのだった・・・。




カズラは一体何を考えていたのでしょうか

謎が謎を呼ぶ存在です。

では、また次話で!!

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