ヴェルター・ブーフ ~学者達の街~
第13話目は、ヴェルター・ブーフです。
ヴェルター・ブーフはドイツ語で辞書、辞典です。
まさに、本の街ということですね。
では、どうぞ。
自分の力を信じることにした俺は
今、自分がしなければならない課題が多いことに気づく。
確かに、訓練とか修行をすることが必要だけど
それよりも俺知らなければいけないことがあったんだ
それは、何かって?
当初の目的である俺を呼んだあの月のことだよ
ジンもあの月を見たっていうし(詳しくは、ジン、出会うより。)
そうなるとすれば、調べなければいけないだろ?
もしかしたら、あの街行けば何か分かるかもしれない
そう、信じて俺はあの街に行くことしたんだ。
*********
大量のグレムリンを倒した後の旬たちは、その街に踏み込んだのだった
「うわぁ~」
辺りの店もほとんど本一式
その他の店があるけど少ない。
そして、本のシンボルマークがあるほど徹底している街だったのだ
どの人も本を持っており異色であったがそれがこの街の特徴だと
俺はその街に感嘆していた
「すごい・・。」
こんなの初めて見た
旬にとって冒険の始まりである最初の街だったのだ
見たことのない世界だからか、驚きは半端ない
ジンは、旬のその姿を見てこの街を説明をする
「この街は、ヴェルター・ブーフと呼ばれる
知識の泉と呼ばれる街だ。」
「へぇ・・。」
ジンの説明を聞きながら歩きだす
「なぁ、ジン。俺、早く探したい。」
当然俺も気になるんだ。自分たちが探している本を。
歩き出す旬にジンは止める
「まぁ、待てその前にやるべきことがあるだろう?」
やるべきこと?
何かあったっかなぁ?
まぁ、当然俺の考えることはもちろん。
「修行とかしにいくの?」
俺はそれしか考えられなかった
な、単純すぎるけどね。
そんな、俺の考えを打ち破るように
「違う。」
首を横に振るジン
「え。違うの?」
「・・・お前自分の服を見ろ」
呆れながらジンは旬の服に指を指す
そう言われて初めて思い出す
自分の服の状態を
「あ、そうだったね」
ルストとの戦いで服は溶けて・・まぁ、少しかすった程度だけど・・。
それに俺は、異邦人だしな。
服の調達が先のようだ。
「分かれば行くぞ、服屋に」
「了解。」
ジンは適当に服屋に入る
俺はそのあとを着いていくことにした
その店に入った俺はすごく興奮した
色鮮やかでそして、見慣れない服ばかりだったのだ
ジンは、店主に話しかける
「いらっしゃい。今日はどうなさいました?」
店主は笑顔で俺たちに応対してくれた
ジンは、旬を店主の前に出し
「すまないが、この少年の服を見積もってくれ」
「はい、わかりました。少々お待ちを」
そういって旬の前に服が何着か置かれた
緑、青、黄色、赤・・色鮮やかな服が置かれた
どれも異国なのか洒落服をしている
うれしいが、俺は少し物足りなくなる
俺は、思わずジンに聞く
「ジン、こういうのってやっぱり魔法使い用の服じゃないの?」
「ここにはまだ魔法使い用の服はないんだ。」
「成程、だから普通の服?」
「まぁ、そうなるな。」
残念だな・・でも、仕方ないか。
せっかく雰囲気も魔法使いの服にしたかったのに
そう思っていると店主は俺を見て
「弟さんですか?」
お、弟・・!?
そういえば、俺、退化していたな
「う・・うん。」
曖昧に頷いておいた
なんだか、悲しい。
そんな、俺の気持ちも知らず店主は
「よかったね。坊や。新調してもらって」
「はぁ・・。」
俺はもう、涙が溢れそうだ。
子供扱いって悲しいね。
「さて、決めましたか?」
店主が笑顔で聞いてくるので俺は慌てて色を決める
どの色も綺麗・・。
でも、やっぱり俺、森で生活していたから
この色がいいよな。
まぁ、森は関係ないけどね
元々緑が好きだったしこれにしよう
「じゃ、この緑の服を見積もってください」
「はいよ」
そういって、他の服を片付けて
旬の前に緑色の服一式を渡す
ジンはすかさず店主に話す
「店主、すまないが。試着させてくれないか?」
「良いですが今ですか?」
「そうだ」
「わかりました。あちらでどうぞ」
店主の同意を得て
俺は服を着ることにした
服は自分の国と造りは同じだけど
でも、やっぱり異国なのか
どこか違っていた
俺は着替えると
「出来たか?」
「あ、うん」
ジンにその服を見せるとジンは満足そうに頷き
「ああ、これならいいな」
「そうだね。店主さん、これお願いします」
店主はニコニコ顔で
「まいど、お代は5ルナです」
「我が払おうか?」
すかさず、皮袋を出すジンに俺は首を横に振り
「いいよ、俺が自分自身で払うよ」
だって、初めての異国の買い物だもん
やっぱり、ジンばかり迷惑かけられない
「そうか・・?」
心配そうに聞くジンに俺は心配させないように皮袋見せる
先程の戦闘でパンパンになった皮袋を見せる
当然、入りきれなかった分はジンにも渡してあるよ。
だって、俺だけのお金じゃないもんね。
「ありがとう、それにさっき倒したルナもあるし」
「分かった。旬がそこまで言うのなら別に構わないが」
「あの~、それでお代は?」
「す、すみません今払います」
そう聞かれる店主に、俺は慌てて皮袋からルナを出し店主に払う。
旬は、普通の服(異国)の服を手に入れた。
まぁ、某RPG風にしたけど
面白いからいいいかな。
とりあいず、俺は服を手に入れたから
これなら、この街を自由に歩けるな
そう浮かれていると後ろから俺を呼ぶ声がした
「旬、行くぞ」
「待って、置いていくなって。」
「ありがとうございました。またお越しを」
店主の決め台詞を聞きながら俺とジンは店を出たのだった
*********
服を買ったばかりの俺は、とても上機嫌だった。
「それにしてもすごいね、周りが本ばかりだ」
本当に本の街なんだぁ~と関していると
ジンは早速本題を話しだす
「旬、すまないが、これから目当ての本を探すが良いか?」
「俺もそれが目的だから構わないよ。」
「そうか、じゃぁ行くか」
「そうしますか。」
俺とジンは目的の本を探し始めた
当然、ここは本の街。
必ずあるはずだと信じて。
俺たちは一件、一件、本屋に巡り続けた
どの本も魔術に関する本や
呪い関係
小説など・・etc
様々な分野な本があって、本に興味がなかった俺でも
興味がそそる本はたくさんあったが
でも・・
「ないね」
「ないな」
あっちこっち、探し続けたが、
俺たちの目的の本は無かった。
ジンと旬は、そばにあったベンチに座る
さすがに本ばかり探したのか疲れたのだ
「はぁ・・疲れたよ」
「大丈夫か?」
「なんとか・・」
へばりつく俺
思ったよりモノを探すというのは大変なことだ
「こんなに、本屋があるのに何でないんだろうね」
「さぁな。なにせ、俺たちが探しているのは伝説関係だからな」
「・・。」
俺たちが探しているのは伝説関係だ。
赤い月も恐らくそれに該当するはずなんだ。
そう、信じて探し続けた俺たち
でも、目的の物はない
さすがに歩き続けて疲れた
おまけに喉もからからだ
「喉がかわいたな・・」
「そういえば・・何か買いに行くか」
俺は飲み物を買うためにベンチから立ち上がり
ふらふらと歩き始めたその後をジンは心配そうについていく
何気なく歩き始めたその時
俺は何かを感じたのだ
オイデ。
俺は思わず立ち止まり
あの時の声だ・・。
辺りを見渡しジンに問う
「ジン、今何か言った?」
「いや、何も」
オイデ、コッチニオイデ・・。
また・・呼ぶ声がした
その声に導かれるように俺はふらふらと呼ばれる先へと
歩いていく・・。
「お、おい旬」
「俺を呼んでいる・・?」
コッチダヨ
俺は声に導かれるように歩くジンは黙ったまま旬についていく
誰・・?
俺を呼ぶ声は・・?
どんどん、道がなくなり始める
そう、明るい道ではなく
どこか人が通らない道・・いわば、裏道だ。
その道を俺とジンが通る
「な・・・なんなのだ」
ジンに至っては驚いている
旬のいきなりの行動とそして、訳がわかないという困惑の顔をしている
「し、旬、どこに行くんだ」
「分からない。でも聞こえるから・・着いてきて!!」
「・・・・分かった。」
致し方ない顔をしているジン
オイデ、オイデ
俺は、ただ声に導かれるまま歩き続ける
そして・・。
ココダヨ
声がここで途切れた・・。
先ほどまで俺を導いていた声が・・
目の前にあったのは・・。
「こんな所に店が」
それは、ポッンと一件だけ・・。
どこか他の店と異質な何かを感じたのか
俺はごくりとつばを飲んで
さっきまでの疲れなんかより緊張感が出てきたのだ
「入ってみるか」
「う・・うん」
それは、たくさんの本が並べてあった
所々、新品の本もある
だけど、違和感がしたんだ普通の本屋とは違う何かに
店内を歩き続けると
そして、見っけた
自分達のお目当ての本を・・。
「あ、ジン。これだ・・伝説に関しての本」
「どうやら目的のモノは早く見つけたな」
「うん。これで目的達成・・って」
思わず俺はその本を手に取って値段を見たのだ
目が飛び出す程の値段だったのだ
「なになに・・いち、じゅう、ひゃく、せん、まん!?」
そのケタの高さに俺は思わず驚く
どうやら、思ったより探していた本は高すぎたのだ
「・・2万ルナか高いな」
冷静に言うジンとは対照的に俺は信じられないという顔になる。
「他の本は安いのにこれ高いよ。」
高い、高すぎる
俺の今の全額は万には届かないジンと二人合わせて全額を
出しても恐らく万には届かないだろう。
ジンはため息を吐いて
「どうやら、全額出しても無理だな」
「・・せっかく、見つけた本なのにぃぃ」
その諦めの早いジン
俺に至っては諦めきれない
それに本の内容に気になった俺は立ち読みだけなら・・
と、誘惑に負け、その本のメージを開けようと考えた
「少し、見るくらいならいいよね」
本を開けようとすると
ん?
「どうしたんだ?」
「おかしいな・・本が開かないだよ」
「貸してみろ」
旬はジンに本を渡す
ジンも試しに開けてみたが開かない
「確かに開かないな」
「貸して、もう一度開けるよ」
ぐぎぃぃぃっと歯を食いしばって開けようとするが
それでも、開かないこの本に旬はいらいらした
な、なんなのこの本
俺を馬鹿にしてんの?この本は?
鍵穴もついていないのに開かない本は初めて見た
本当に不思議な本に俺はますます怒りが湧いてくる
「ふざけんなぁぁ」
その怒声を挙げる俺
その叫び声を聞いたのか
扉から誰かが出てくる
「おや、珍しい客人様か」
「え・・。」
声がする方に振り返ると
そこには、初老の老人が俺たちを見て驚いていたことを・・。
「誰・・・?」
さて、始まりました。ここで新キャラが続々出ますのでお見逃しなく
そして追加話も書くつもりなので、これからも少年




