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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
7章 ~守護人のささやき~
118/485

少年、もっと昔は・・。

すみません、更新ようやくできました~

今回は戦闘はないもの少しだけ魔法を使います

では、どうぞ~


もう少し、強ければよかった


そしたら、誰も傷つくことはない


でも・・本当に守るために

戦うのなら・・。


この命・・誰かに奪われてもかまいはしない

一人の男が決心した


それは、どこまでも・・誰かの為に・・。


                 ****


「フロウ・・さん」


俺たちは、牢屋の目の前に現れた人物に驚く


「フロウ・・お前・・。」


すると、俺たちを見たあとに、ヤドリを見つめ


「坊、久しぶりでずぞ。」


「・・・ああ、10年ぶりだな、俺っちが屋敷を出て

 それから・・だな」


どうやら、色々あった中だったようだ


でも、話をしている場合ではないのだ

俺はとりあいず聞くべきものは聞いておこうと思った


「あ・・あの、今、どうですか?外は?」


すると、フロウは首を軽く振って


「・・・・最悪じゃな。守りが固くて外には出られない

 我らが動こうとしても牢屋に行くのがやっとじゃ」


「・・そうですか・・」


守りが固い・・か

これは、かなり面倒だな


「とにかく、お前さんたちは武器を探せ」


その時、周りが静寂する


「・・・。」


「・・・。」


「あの・・もってきてくれないですか?」


「・・・残念じゃが、守りが固くてな・・無理じゃ」


無理っておいおい・・と皆一同思うのだ

すると、フロウはニヤリっと笑い


「こういうのは自分たちでなんとかするものでずぞ

 わしは、お前たちならシドウを仕留めることができると思う」


「・・・シドウを」


いきなり話題がでてきたシドウに対して


「・・あやつの暴走は既に止められない。昔はああじゃなかった

 まともじゃったな」


「いや、昔もなにもうちの時も暴走しておったやん。」


どうやら、ラミアが訂正をいれると、フロウは違うと言い


「・・・ラミア、お前さんが会うもっと昔じゃ」


もっと・・昔・・?

すると、ヤドリの表情は曇る


「ヤドリ・・?」


フロウは悲痛そうな顔で、ただ節目のまま


「・・あやつにはもうわしにもわからん。キトウもそうだろう

 なにせ、親友同士じゃった二人がいつのまにか、別れていき

 やがて道もそれようとしている」


道・・。


「親友だったの?」


「・・・昔の話じゃ。」


どうやら、キトウとシドウは昔は仲はよかったようだ

でも、それもまた昔の話・・となると


昔・・何があっただろう・・?


「・・とにかく、うちらもこのままじゃあかんな。

 色々やりきれへん。」


そういうラミアの声の隣でジゼルが俺に聞いてくる


「・・で、しゅん・・どうする?しゅんは、あのとき

 こういまほうつかえるっていったよな?」


「使えるけど・・高位すぎる魔法は、暴走するんだ」


そうなのだ、俺の魔法は一見、完璧に見える

だけど・・一歩間違えたらもしかしたら暴走するかもしれない


「でも、このままじゃうちらもやばいんや」


「だよな、我もそう思う。急がないと何か・・

 取り返しのつかないような気がする」


「・・・わかっているよ。でも・・高位魔法は制御ができない

 黒焦げになっても知らないよ」


すると、にんまりとノエルが笑う


「何いっているの?ボクらがなんだと思っているの?」


「え・・・?」


そこには、魔法陣の準備を行うノエルの姿があった


「あ・・あの、ノエル・・?」


そこには、不敵な顔をしたノエルがいる


「ボクはこれでも召喚士さ、ふっ・・防御魔法も

 これでもできるんだよ・・まぁ、あまり強くはないけどさ」


笑いながら魔法陣の準備をするノエル

そして、


「おれさまもいるぞ!!」


「ジゼル・・君も?」


「おれさまはつよいじゅうだからな。まぁ、まかせておけ

 せいなるちからはおてのものだ」


「・・と言うとるで、うちは、残念ながらあまり使えへんけど

 うちも死ぬ気はないんや」


「決心しろ・・もう、後戻りはできない。だが、我らも

 それだけの覚悟はできている」


それは、俺を信じてくれる強い心


すると、そんな俺たちを見ていたヤドリは


「・・・俺っちも手伝うよ。旬。巻き込ませたのは俺っちの

 責任さ。大丈夫。」


「・・ヤドリ」


皆が、俺を期待してくれている。

なら、もう後戻りはできない・・。



「そう、じゃ、始めようか・・制御不可能な高位魔法を」



それは、どこまでも強く優しく・・。

旬は・・覚悟を決めたのだ・・!!


                  ***


「じゃ・・始めるよ」


これからは、本当に俺も制御ができるかどうか分らない

だけど・・始めるしかない。


魔法で辺りが光始める


「・・・お願い、俺を守って。」


俺は一言だけ呟き

やがて・・俺は呪文を呟くのだ


「始まったね・・ジゼル君」


「おう。」


それに備えて、ノエルとジゼルも魔法詠唱が始まる


そして、俺は手を振りかざして


「俺に力を貸して・・炎よ、爆炎となり我と共に轟け!!」


さぁ、俺の前にその力を見せて!!


「エクスプロード」


すると、周りが爆炎のように一瞬で牢屋は壊れてしまう

だが、炎は収まるどころかますます大きくなるのだ


それに、慌てたのはラミアだ。


「うわっ・・!!あかん!!強烈や」


どうやら思ったより俺の魔法が強すぎたのか

炎がラミアたちに迫る


すると、ノエルがニッと笑って


「ボクに任せて・・壁よ我らを守れ!!

 ”アイスシールド”」


すると、迫る炎に氷の厚い壁で俺たちを守ってくれる


「くっ・・強いね。ジゼル君!!お願い!!

 ボクらを動けるようにして!!」


どうやら氷じゃ限界があるようだ。

すると、ジゼルが


「せいなるちからよ、われらをつつめ”リフレクガード”」


ジゼルは人型のまま、魔法を唱える

炎からノエルたちが俺を守る


だが、炎の強烈さは収まりはしない!!


「くっ・・どうやら、収まりそうもないな。

 皆、急ぐで」


そういって俺たちは爆炎の中走りだす


「はぁはぁ・・いてっ・・。」


どうやら、思った通り

暴走はしているが、俺の手は・・。


「旬、はよせぇ。」


今は、逃げることが先だね・・。

俺は、ラミアたちの痕を追う


「うん」


俺たちは騒ぐ喧騒の仲走りだす


そして・・。


「皆、無事か?」


そう、号令するのは、ラミアだ


「ボクは大丈夫」

「おれさまも~」

「我もだ」

「俺っちも」

「わしも」


どうやら、全員無事のようだ


「俺も・・大丈夫・・つぅ」


俺が呻き声をあげたのを皆はハッとして旬を見る


「ど、どうしたんや・・。」


そこには、手が酷く火傷している旬の手が見える


「・・手が・・旬、あんさん・・。」


ラミアは叫ぶ


「さっきの高位魔法をした割りには軽く済んでよかった

 イタ・・・っ」


だが、痛みで手が使えない

このままじゃ・・皆の足で纏になる


「旬・・!!どうしよう、ボク治癒魔法つかえないよ」

「おれさまも・・できるけど、これほどひどいと・・。」


二人共おろおろと俺の前で心配している

ラミアもあせっているようだ

ジンは冷静だが、冷や汗がでているのが見える


そんな、中・・。

俺が痛みで震えていると


「・・俺っちが治してあげるよ。」


そこには、ヤドリが俺の前にきた


「えっ・・。」


ニコっと俺に笑顔を見せて

俺の手を見るなり


「旬、手を見せてくれ・・・ひどいな。

 だが、大丈夫さ。俺っちは、これでも

 徳の使い手の中じゃ、強いからさ」


そして、俺の手を包み

やがて、何か呪文を放つ


すると・・手が何かを包んでくる


「・・な・・なんだろう・・も・・文字?」


そこには、よく分らない難しい文字が俺の手を包む

そして、ヤドリは俺の手を触り


「”解”」


そう呟くとパキーンと音を立てる

そこには・・。


「治っている・・。」


そう、火傷をした手じゃない

それに驚いたのはノエルだ


「すご・・い。こんな術初めてみた。」

「おれさまも・・なんだ、この術」



どうやらノエルとジゼルはその術に感激しているようだ


「旬、大丈夫か?」


ジンが俺の前にきて聞く


「うん、痛くはないよ」


「よかった。うち心配していたんや。」


ホッとして胸をおさえるラミア


俺はヤドリを見て


「ありがとう。ヤドリ」


「いや、照れるな。礼を言われると・・(テレっ。)」


照れているのか、顔を隠すヤドリ

だが・・。


「・・お話中悪いが、牢屋を壊したのはお前らか・・?」


ハッとしたのか皆、後ろを振り返る

そこには・・


「シドウ・・。」


どうやら、シドウさんがいたのだ

しかも後ろには仲間を大勢に従えて


「・・どうやら、逃げても意味なかったようやな」


ラミアは、ため息を吐く

だが、俺はそう思わない。


「いや、逃げて正解だった・・と思うよ」


「旬・・?」


俺は真っ直ぐにシドウを見つめた


「・・面白いことをいう。愉快犯め。」


挑発めいた一言に俺はただ冷静に


「・・俺が愉快犯・・まぁ、いいかもしれないね。

 でも・・俺は、間違っていないよ」


「・・貴様・・?」


そう、俺は逃げたことが間違っていないと思う

こうして、シドウさんが現れたんだから


「よかろう。お前たちを全員まとめて・・!!」


「大丈夫か?旬、そないに挑発して」

「・・ごめん、皆」


すると、ラミアは、構わへんと言って

俺に勝気に笑うのだ


「うちは別に構わへんよ。はよこいつを叩きのめして

 修行をしたいしな」


「おれさまも~、ヤドリのことほっておけないし」


「ボクも大丈夫さ・・こういうのは慣れているから」


「・・我もだ。旬」


「そうだよ・・俺っちも因縁な対決だし・・(怖くないさ)」


その言葉で、俺はただ笑うのだ

どこまでも強く


「貴様・・。」


どこまでも、迷うことなく

ただ、真っ直ぐにシドウを見つめるのだった・・。


もっと昔は・・。は、過去と現在に取り巻くこの物語の一つの核になります。

では、また次話でどうぞ!!

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