少年、人と罪
遅れてすみません、やっと、更新しますね~
あ、活動報告の小話はもう少し待っていてください
必ず更新しますので~
俺はどこか混乱しているのだ
そう、それはラミアの一言だった・・。
その場は静寂してどこまでも静かで
そして・・酷く、怖くなったのだ。
「人・・なんだね。大戦の原因。」
「ああ、そうなんや・・真偽はわからへんけども。」
「・・・事実かどうかわからないんだね・・。」
俺は深く考え込む
考えても大戦のことなんてなにも分らない
だって、情報が少ない
そして、恐ろしくも・・。
知ることが怖い。
「旬・・こないな事・・黙っていて・・ごめんな」
「ううん・・大丈夫だよ。話してくれてありがとう」
なのに、ラミアと旬はぎこちない
どこかギクシャクしたのだ
ドクンドクン・・心臓が煩く鳴る音が聞こえる
「旬・・?」
心配そうにラミアが俺を覗きこむ
「あ、お・・おれ、この話、もう終わりにしようよ
早く、フロウさんの探している薬草を探そう。」
さっさと、ラミアを振り切って歩き出す旬
寂しそうな顔をしたラミアの顔が見えた気がした
「旬・・。」
俺は、ラミアの言葉を最後まで聞くことができなかった
怖い・・その一言だった。
なぜか・・分らない。
この煩い心臓の音が今もドクドクと鳴っている
それを紛らわそうと俺は笑顔で歩き始める
「あ・・まって!!」
「待て、旬!!」
ジゼルとジンは旬を追いかける
ラミアはふぅ・・っとしょげた顔をして
「やはり、早かったかもしれへんな・・この話」
「いや、それはないと思うよ」
ビクっとラミアの肩が震えた
いつの間にかノエルがラミアの傍にいた
「ノエル・・いつのまに。旬の所に行かへんでええのか?」
すると、ノエルはいつものホワホワ顔から
神妙な顔をして
「・・ボクは、ラミアに話たいことがあるのさ」
「うちに話たいこと?」
コクンっと頷いてノエルは息を吸って
「ラミア、気にすることはないんだよ・・旬は不安なんだよ」
不安という言葉にラミアは首を傾ける
「不安?」
「そう、分らないことにあせっている。だって、今まで
大戦のこと一言も話さなかったし・・。」
そうなのだ
今まで、大戦のことを一度も話をしていない
だからこそ・・・旬は悩んでいる
その後姿を眺めるノエルにラミアは不安そうに
「でも、旬は・・大丈夫さ」
怪訝な顔をしてラミアは
「なんで大丈夫と言えるんや・・?」
ノエルはにへらっと笑い
「・・・なんでだろうね。分らないよ
でも、いずれ・・解けるのさ。
自分の中のわだまりも・・不安も」
それでも、ラミアは心配しているのか
尚も、ノエルに喰い下がる
「・・そやけど・・うちはまだ早かったと思うんや」
すると、ノエルは目を伏せて
「・・いや、遅かれ早かれ・・大戦のことは
話すべきだと思っていたよ・・。」
「ノエルもか?」
どうやら、ノエルも同じ気持ちのようだ
「うん・・旬はボクらの問題にも深くかかわっている
それに、千里さんのことも・・。いずれ、話しておいたほうが
良いと思うんだ・・あの人もあの大戦にかぎりなく
関わっているから」
驚愕だったのだ。
まさか、旬の友人があの大戦にかぎりなく関わっていることに
「・・・なんやて・・旬には・・まだ。」
すると、こくりっと頷くノエル
「うん。・旬にはまだこの話は早いと思うよ
でも、いずれボクも自分の口から話そうと思うんだ」
「そか・・いずれにしろ・・すべては大戦やな」
「・・・だね。でも・・これからボクらが・・。」
言葉を区切って、ラミアに目を向け
「ノエル?」
それは、真っ直ぐな瞳
どこまでも・・揺るがない・・。
「ボクらが旬を支えるといい」
「・・うちらが?」
「・・そう、例え、どんな結果になろうとボクらがいる。
ラミアが話したこともその後、ボクがこのことを話して
旬が動揺しても・・どんな、展開になったとしても。
旬はきっと受け入れられる・・それに」
「それに?」
「ボクらは、旬を裏切らない。裏切れない
だから、仲間のボクらが一緒に存在ことができる。
それだけがボクの一番の優先事項だから」
すると、ラミアは納得したのか
グッと握りこぶしを作って
「・・・当たり前や。うちは、旬に救われたんや。
裏切るわけやない。守ってみせる。旬がうちらを
守ってくれるように・・うちが・・うちらが。」
守ってみせる・・。
ラミアは、ニコニコと笑っているノエルに聞く
「で、結局コレらは召喚士のカンか?」
すると、う~んっと腕を組んで
「どうだろう・・まぁ、・・女のカンってやつじゃない?」
女のカンという答えにラミアはパチパチっとまばたきをした
そして・・
何かを悟ったのか
「ほんま、あんさんにはかなわんな」
「へへっ。さぁ、行こうよ。」
「・・・そうやな。」
そして、ラミアとノエルは旬の後を追っていった。
どこか・・晴れやかな顔つきをしていたのだ
*****
ランタンによって、次々と道へと渡る旬たち
道は深くもどんどん先へと進む
「旬、どうだ?」
「うん、近いね。」
前に見えると山々が広がっている
そして、しばらく歩いていくと
炎がポッと青から黄色になる
「あ、炎が黄色になった」
「黄色・・?」
ノエルは不思議そうに首を傾ける
「あ・・ああ、黄色はな、目的地に到着ってことや」
「そうなんだ・・じゃ」
ジンは頷いて
「どうやら、ここにあるみたいだぞ」
俺たちは辺りをキョロキョロと目を動かす
あるのは崖だ。
でも・・。
「なにもないな~」
本当に崖以外はなにもないのだ
「そうだね・・えっと、フロウさんが言う
薬草は・・?」
キョロキョロと見渡す
「どれだろうね。」
「うん」
「旬、あれ・・!!」
ノエルが指を指す
「え・・ああ、あれだね」
そこには、薬草があった
だが・・。
「あ、崖の上にあるね・・」
下から上へと見れば崖の近くに薬草があった
しかも、一人しか登れなさそうだ
「どうしよう・・。」
ここは、俺が・・。
と旬が悩んでいると
ポンポンっとジンが俺の背中を叩いて
「我がいこうか?」
とジンが言うと、ノエルが腕まくりして
「いや、ボクが行くよ?」
今度はジゼルがえっへんっと自慢して
「おれさまがいくよ、わすれさられているけど
おれさまだって、こうきなしょうかんじゅうなのさ
かつようぐらいさせろ。」
ラミアは、申し訳なさそうな顔をして
「うちが行くわ。あんさんらにお詫びやな。」
最後に旬は、混乱と悩みの中で
「う~ん、俺が行くよ。なんだかいつまで
たっても決まらなさそうだし」
皆行く気満々なのは嬉しいけど
俺が行ったほうがいいような気がしたのだ
「でも、おれさまたちが」
フルフルと首を振りながら
「いや、俺が行く。皆のこと嬉しいけど
俺・・行きたい」
そう、今は、なんだか・・忘れ去りたいような気がする
でも、これから先は・・もっと、信じたくない
話が待っているはずだから・・。
でも・・。
そんな、俺に心配そうなラミアが
「やはり、うちが行こうか?」
「・・・大丈夫さ」
そして、俺は崖を登るはめになったのだ
「旬~、きーつけろや」
「あ・・うん、大丈夫」
崖さえ登ればあとは降りる時は魔法を使えばいい
でも、魔法を使えばいくらでも取れるはずなのに
どうして、俺は登っているだろう・・。
分らないのだ
もう、何もかも
そんな旬をハラハラと見つめている面々
「あと・・少し・・」
そして、上に登ろうとすると・・
「うわっ」
グラっと俺が揺れる
しまった!!
岩が崩れた・・!!
そして、絶望的になり落ちようとすると
パシっと誰か俺の手を握ったのだ
「え・・・?」
「崖は崩れやすいよ~・・俺っちでも注意しているのに」
ブツブツと呟く声が聞こえる
その声には、見覚えがある
そう・・あの時の声だ
俺はおそるおそる崖の上にいる人物を見つめた
「ま・・まさか」
そこには、ニヒっと笑う少年が、怪訝な顔をして
「あ・・なんだ、チビ君か。俺っち、ある意味。もう会いたくない
人物たちが会っちまった・・何か縁を感じる・・(面倒だ)」
その余計の一言が多い人物
「・・・ヤドリ」
それは・・思いがけない・・なぜか、崖の上にいたのは
ヤドリだったのだ・・。
ノエルやラミアは旬を絶対に裏切りません
なぜならば・・・?
さて、ついに出ましたとはいえ展開が早くて申し訳ない
でも、楽しみにしていてくださいね。




