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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
7章 ~守護人のささやき~
110/485

少年、嘘と事実

さぁ、110話目です。

今回はシリアスから一転してコメディーとなります。

では、どうぞ。


フロウさんの手によって開かれた扉


そこには・・安らかな眠りをついている誰か


その眠っている人間(ヒト)を見て

ラミアとジンは驚愕する


「な・・なんや・・守護人・・いや、キトウはん!!」


「な・・なぜ・・なにかあったのか!?」


そういって、もう困惑な顔になる

そして、動けなくなり固まる二人


その様子を見ていたフロウは

なぜか、笑みを浮かべていて


「ああ、大丈夫じゃ」


すると、俺たちは不思議そうに首を傾けた


フロウはツカツカっと、守護人の眠る布団の傍に来て


ドゲシっと強く殴る音が聞こえた



「「「「「ハッ!!?」」」」」」


同時に俺たちは間抜けな声をだした



「ぐわっ・・お、おいになにするがぁぁぁぁ

 今、いい気に眠っている所だぁぁあ」


ゲシっと、蹴り上げる音がする

なんだか、容赦ない・・。


「うるさい、それより、お前にお客じゃ」


「客・・?今は誰もいれるなってあれほ・・ど」


そして、見た客に対して

ラミアは、ニッと笑って


「よっ、久しぶりやなぁ・・キトウはん」


「久しぶりだ・・キトウ」


ポロっと布団から手を離すキトウ


そして感動したのか、ふるふると口を震わせて


「お・・お主らは・・ラミア・・オルフェ殿なんて喜ばしいもっと、おいの傍で」


そして、ラミアとジンはツカツカっと無言で歩いてきて

二人はニコニコ顔のままキトウに近寄り


それは感動な対面だと一同は思った・・。



しかし・・。


「・・アダっ」


と音を立て何かを蹴った音がした


「「「・・・・。」」」


それは、静寂を意味をしていたのだ


ラミアはニコニコ顔のまま


「一体、あんさん何をしたんですか?うちは忙しいことは嫌いなので

 はよ、話したほうがええですよ?」


もはや脅迫まがいである


「そうだな・・賢明だな・・心配して損した。」


そういいながら尚も、身体を蹴る二人


「イダダダダ、た、たのむお、おいをこれ以上

 蹴るのではない!!」


痛がっている様子がすごく可哀想に見えたが

なんだか自業自得だから仕方がないかもしれない


すると、ジンが今まで見たことない笑みを浮かべて


「ほぉ、なら我は、踏むとするかな?何が原因でお前が

 寝込んでいるんだ?ふて寝ね?あいからず、阿呆な所は

 変わらないな。ついでに、我はジンだ。」


フミフミと優しく踏んでいるように見えるが


「ぬぉぉぉ、オルフェ様、あいからずおひどい

 おい・・おいの腰から足をどけてくれぇぇぇ」


「ジンだって言っただろうが・・学習しろ。」


その姿にさすがに俺も危ないと感じたのか


「ジン、可哀想だから、やめなよ」


「旬が言うなら仕方ない」


あっさりとキトウから手をどける


「あ、ありがとう、優しい子よ。感謝する」


そして、俺を眩しい目で俺を見る

この人が・・守護人?


予想しているのと違うな・・と俺は思った。


「おい、お前の名はなんという?そして見慣れん子だ。

 名を名乗れ。」


そう言われてハッとした俺はとりあいず自己紹介した


「あ、俺、旬です。一応、ラミアたちの仲間です

 で、後ろにもいます。」


そして、後ろにいるノエルたちも見せる


「ボクはノエルです」

「おれさまはジゼル。」


「ふう、めんこい姿に名だのぉ、おいの名は、守護人のこと

 キトウだ。まぁ、守り神でもあるなワハハハッ。」


豪快に笑う姿に俺は、アハハっと乾いた笑いになる


「で、キトウはん。何で、寝ていたんや。うち重病やと

 思って心配しましたわぁ」


「そ・・それは、心配かけた・・だ、だが、おいは・・おいは

 もう危ないかもしれん」


「な・・なんか、病気やの?」


思わずラミアは心配そうな顔をする

だが、フロウがやれやれとして


「・・嘘を言ってどうする、キトウよ。」


「そ・・それは・・フロウ・・いうのではない!!」


「なんや?話せばええやん。お願いします」


すると、またもや溜息を一つ


「どうせ、バレルのも時間の問題ですじゃ・・まぁ

 この子らは口が固そうだし・・実はな」


ゴクリっと俺たちは喉をならす


「なに、ほんの軽いぎっくり腰じゃ」


「「「「ぎっくり腰!!?」」」」


すると、布団を被っているキトウ

どうやら、病名のことがバレて恥ずかしいのだろうか


「ほんまに、ぎっくり腰にやられたんかいな・・情けのうてアカンな。」

「本当にそうじゃ」


賛同するフロウ

呆れる人たちに当然、俺はなにも言えない


重病だと思えばただのぎっくり腰

しかも、恥ずかしいから隠していたとは


すると、俺はハッとして


「まさかこの静まりは。広まるのを恐れたから・・ですか?」


と思わず聞くと、ピクリっと反応があった

どうやら図星のようだ


すると、布団から顔をあげて赤い顔のまま、


「おいがぎっくり腰にやられたことは恥ずかしくて

 言えない。だから、顔を見知った奴しか入れないようにしている」


そう断言しているキトウにラミアはもみてをしながら


「で、なんでぎっくり腰になつたです?うち、理由が知りたいわぁ」


すると、顔を変えて


「・・・言えないぞ。いくら、お主でも言えない。」


顔を背けるが、そう問屋は下ろさない


「阿呆ですじゃ隠しても意味もないくせに、見栄ばかり張るのぉ。」


ハァァァっと深い溜息を吐く

どうやら、これが原因で先ほどから溜息を吐いていた原因だろう


どこか疲れた顔をしているのも気のせいではないかもしれない。


すると、カッカと怒鳴る


「フロウ!!阿呆とは失礼だ!!おいは・・おいは

 真剣に修行をしているだけなのに!!」


すると、ジト目になり


「真剣・・?あれがいい気に乗って、屋敷によじのぼり

 そして、帰ろうとする時にズルっと屋根から落ちて

 コケたことですかの。それが真剣なら笑わせてくれますぞ。」


その一言に


「ヌォォォォ」


と嘆きだす姿にどこかしらけた瞳をするのも俺だけじゃないかもしれない


「で、結局どうするですか・・?」


俺が聞くとすると、ポッリとポッリと呟き始めた


「この身体じゃ・・守護人を引退しようと思う」


「はぁ・・い、引退!?」


衝撃的なことで頭がついていかない


「・・・そうなんですじゃ。この阿呆は、ぎっくり腰になったことで

 弱気になっているですよ。引退するばかり言っていて・・

 情けない」


「情けないとはなんだ!!おいは、真剣に・・!!」


うるうる目がなぜかうつとしくなったのか

フロウはわなわなと震え


「ぎっくり腰は治るはず!!お前が動こうとするから

 治らないじゃろうが!!」


カッカと怒鳴るフロウにいじいじと床を指でグニグニといじる


「おいは、みんなが動いているのを見てつい、動きたくなる

 この熱血を!!フロウは分かっていない!!」


「うるさいじゃぁぁぁ、お前は動くから悪化が続くのじゃぁぁぁ」


まさに激しい程の言い争いだ。ラミアも困惑して


「お、落ち着いてくださいわぁぁぁ」


そんな争いの仲で、ジゼルは静観しながらも溜息を吐く


「・・みうちのあらそいはみにくい・・そうおもわないかぁ?

 旬。」


すると、頷く俺


「・・・うん。見ているこっちがしらけてくるよ

 なんだか、シリアスを返して欲しいと言いたいね。」


そう、先ほどは重病だと思って皆心配していたのに

この状態・・もう俺、バカバカしいと思うようになってしまった


呆れてもはやなにも言うことがない

ノエルも同じなのか


「ボクも・・他所でしてほしい気分だよね・・。

 もう・・・コドモの喧嘩だよ。」


静観?いや、傍観している俺たちの他所に言い争いは

ヒートアップする。


「これだから、嫁様にも息子さまにも逃げられるですぞ!!

 お前にもう少し甲斐性があれば・・本当にむなしい!!」


その言葉に、今まで暴言を吐いていたキトウの心に

グサリっと何か刺さる音がして


パタリっと倒れる


「キトウ・・どうしたのじゃ!?」


脱力したまま大粒の涙が床へと流れる


「おいは・・ぬぉぉぉ。」


熱血でそして暑い(?)いや、熱い男は涙を流す

そして痛い腰をさすりながらも、床をダンダンと手で叩きだす


しまったというフロウはオロオロしだす


それをもう傍観でいいや・・としていた、俺らは


「泣き出したよ急に・・。」


先ほどまでラミアは、言い争いの中にいたが

今では俺たちと一緒に傍観している


「面倒くさいわ。」


「だな。」


ジンも頷いている


だけども、なんだか可哀想に見えた俺は


「落ち着いてよ。泣いても何も始まらないよ?」


すると、オウオウっと泣いていたキトウがグチョグチョになった

顔を旬に見せて


「ぬぉぉ。お主は優しいなぁぁぁ。」


と感激の涙を流す

それをみたラミアたちは


「うわぁ・・。」


と声を出して一歩引いていた。


とりあいず、俺は、なんとか泣き止んでほしいので

懐に入れておいたハンカチを差し出す


「はぁ・・・あの、ハンカチがあるのでこれで涙を

 を拭いてください。」


渡すとまたもや感激した顔をいして

ふるふると手を震わせ

旬から手渡されたハンカチを勢いよく拭く


そして、


「ありがとう。なんてなんて優しい子だぁぁぁ

 おいはおいはもうもう・・感激だァァァ」


思わず抱きしめられ俺はそのあまりの強さに


「ぐ、ぐるしぃぃぃ、た、たすけてぇぇぇ」


そのあまりの苦しさにラミアたちに助けを求めた俺


「お前、少しは落ち着きなさい。子が困惑しているだろうよ。」


ポコンっと、杖で頭を叩かれ

その一瞬だけでドサっと倒れこむキトウ


それをみた俺たちはフロウさんにすごい目でみる

とんでもないものをみたかのようにラミアが


「・・気絶してしもたわ」


「本当だな・・ビクともしない」


ツンツンっと、棒でキトウをつつくラミアとジン


「大丈夫?旬」

「そうだぞ?くるしくないか?」


「ああ、なんとか、あと少し遅ければ気絶寸前だったよ・・。」


はぁっと思わず俺は溜息をついた

とりあいず、キトウさんが起き出すまで

俺たちは待つにことになったのだった。

キトウ・・熱血すぎる人です。まぁ、こんなキャラで申し訳ない

そんな彼ですが、生温かい目で見て欲しいです

では、また次話で。

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