小話 猫の王様の秘めた心と機会
これは、本編でも後に影響するケット・シーの過去です。
まぁ、シリアス気味なので・・。
とりあいず、どうぞ
暇ができたので更新しました~
オイラの世界は幸せだった
ずっと、一生このままだったら
どんなにいいだろうと・・思ったことがあったにゃ
でも・・でもにゃ
夢は終わる。
それは、オイラも味わった・・。
とても、忘れられない・・話だ。
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数年前・・召喚士村
そこは、天国あった
でも、それは昔のこと
「り、リシャーナ、はや、早いにゃ」
小さな猫が人間のようにヨチヨチっと歩く姿が可愛らしく映る
猫なのに人間のように服をきて歩く姿はどこまでも愛らしい
「早く祭壇までもう少しよ。リーフル」
ニコニコと笑う少女の後をヨチヨチっと必死についていく
幼い猫の王様
リーフルと呼ばれたケット・シーはわなわなと震えて
「こんな、か、階段むりにゃぁぁぁ」
小さな猫はゼ~ハ~っと息を吸って吐き続ける
さすがに小さな猫のオイラじゃ難しいにゃぁ
「ほら、あと少しよ」
主がオイラの背中を優しく押してくれる
水晶の階段を祭壇まで着くと・・そこには
「うわぁぁ、すごいにゃ」
そこには、術式を使った召喚士がたくさん動いている
主は・・それは、誇り高さそうに働く姿
あちらこちらで忙しそうに働く姿はどこまでもすごい
そして、リーフルの主が他の召喚士の会話をして
やがて、こちらに戻ると
その顔はとてもイキイキしている
「あ、村長」
召喚士村の村長だ
オイラはこいつが嫌い
なんか、いやな感じがする
「おおっ。リシャーナか。」
「はい。村長も、もう少しで魔法が完成しますね」
「そうだね、長い夢だった。我々の夢がかなうときが
きたのだ」
「そうですね・・そしたら、私たちもあの慣習から逃れることが
できるのですね」
ニコっと笑う
それはとても
「そうだ。やっとだよ。リシャーナ。あの方がきてくれたおかげだ」
「そうですね・・・・。」
リシャーナは一瞬見たことない思惑がある顔付きになった
それは、深い闇のような深い深いアクアマリンの瞳
底がしれない何かをオイラは感じていたのだ
ただその時はなんなのか理解できなかったにゃんけど。
「じゃ、村長」
「またね。そうだ。あの子たちもよろしく指導してくれ」
「わかりました。村長では」
村長から離れたリシャーナにオイラは近づく
リシャーナはニコリっと笑ってオイラの頭を撫でた
オイラは首を傾けた
そして、主は、興奮したように
「もうすぐ、特別な魔法が完成するわ」
「特別な魔法?」
「それはなんにゃぁ?リシャーナ」
「残念。教えられないわ」
「ケチ」
「ふふっ」
笑う姿が大好きで
どんな時でもリシャーナの笑顔であることが
オイラの喜び
「でも、これだけは教えてあげるわ」
「にゃっ?」
「ええ。こんな世界の情勢だけど・・あなたたちの世界が明るく
なる。そんな魔法よ?」
少女はニコニコっと笑うのだ
それもうれしそうに
「オイラの世界・・。」
「ええ。この魔法が完成すれば・・あの慣習に苦しむ不安はなくなるの
あなたも私も」
「慣習・・?」
主は変なことをたまにいうにゃぁ
どういう意味かにゃ?
「この世界は、やがて闇へと続く日々がくるでしょう。
でも、信じたいのよ。私・・リーフルあなたも
私の力になってくれる?」
すると、ニャァっとつい大きな声で鳴き
「もちろんにゃぁ」
夢や憧れ
その時まだ見ない世界にオイラは期待を抱いたものにゃ
オイラは・・幸せにゃ。
「おいらはこの村に召喚されて良かったなにゃぁ」
「ふふっ・・もっと、もっと幸せになれるわ」
きっとこの魔法で・・。
すると、少女の手から、ポンポンっとまるで魔法のように飴玉
が次々と出てくる
「にゃ~♫」
嬉しそうに駆け回るオイラ
まぁ、元は猫にゃ。
「リシャーナは魔法使いにゃぁ」
「ううん。私は魔法使いじゃないわ。私は・・召喚士よ?」
「あ、そうだったにゃぁ。」
優しく撫でてくれる手が好きにゃ
一人ぼっちのおいらは主のおかげで一人じゃなくなった
リシャーナは優しい
この幸せがずっと・・ずっと
続けばいいと思うにゃ
「ほら、リーフル。帰りますよ。そうそう、新しくきた
あの召喚士志望の子・・千里。あの子の様子見に行くわよ
で、もう二人、バカな子と聡明な子の特訓にいくわよー?」
「はい、ニャ」
リシャーナが目が向けている二人・・そして・・。
バカな子は×××にゃぁ
で、聡明な子は・・化ける×××にゃぁ
どちらもとんでもない奴らにゃぁ
リシャーナが目を付けているから
きっと、将来はバケモノになる可能性が高いやつらににゃぁ
そして、不穏な気配が既に近づいていることを
オイラは知らなかった
あの日、見た地獄はオイラを悲しくさせる
オイラの心を殺してしまう
オイラは、涙を流しながら
その残骸を抱きしめる
オイラには残されたモノなんてなかった
なんにもなかった
ただ、オイラにあったのは
どうしようもない復讐心だった
この世は残酷で無常な世界であることをオイラは知らなかった
最愛の主
産まれた時から一緒で
どんな時でも一緒だった
いなくなってそして知った
オイラには、何にもない
だけど訂正だってする
オイラにもちょっとだけ残されたモノはある
このどす黒い闇を抱えて復讐心しかないオイラにも
守るモノがある
オイラは精霊
オイラの名はリーフル
リシャーナが付けてくれた特別な名前
そして、あいつらを守るために
生きている
そして、いつかある機会を胸に
復讐は今もまたどこかで
密やかに・・秘めている
久々に大幅に内容を変えました
2023年9月に更新する内容にちょっと近いですが
当初と内容を変えました。
これが、番外編に登場する
リーフルの過去の話へと続きます。




