少年、動きだす運命
さぁ、104話目
これで召喚士一族編は終わります。
では、どうぞ。
俺たちは、森の奥に現れた道を進むまま進んでいった
そこには、リンドやジゼル・・トアリスやらシュリ
他にも見慣れない召喚獣たちが俺たちを待っていたようだ
リンドはニコっと柔和に笑って
「きましたか。待っていましたよ」
「・・リンドヴルム」
俺が呟くと彼はニコっと笑って
「・・リンドと、でも呼んでください。あなたは私たちの
恩人なのですから・・。」
その言葉に俺は耐えられなかったのか
少し、頬をポリポリっと掻く
「う・・うん、なんか気恥ずかしいかな・・俺、何もしていないし」
すると、リンドは首を横に振る
「いいえ、あなたはとても私たちや主に相応のことをしてくれました」
「そうよ、あたしたちは感謝しているのよ?旬」
「そうだぞ。恐縮すんなよ。」
シュリとトアリスが嬉しそうに言うので
俺はますます恥ずかしくなる
「ふふっ。あなたはとても優しいですね・・。」
口元に優雅に笑う姿
さすが、リンドヴルムって所だろうか
優雅すぎて俺には直視できない。
「だけどユートピア・・のことごめんね・・。」
俺は、彼らを帰してあげられないことを謝った
すると、リンドは優しげに俺のそばにきて
「いいえ。私は気にしていませんよ。
帰ることはできませんでしたが・・
後悔はしていません」
「・・・後悔していないの?」
「そうよ。旬、あたしたちは後悔していないわ」
「だな。後悔していないし・・あんたがそんな顔をするな」
俺はどんな顔をしているだろう?
多分・・困惑だろうね・・。
「でも、君たちは帰りたかったはずだよ・・?」
「そうやな。うちらにそう断言していたやんか」
シュリは悲しげに笑って
「確かに・・帰りたかったわ。あたしたち・・理想
だったもの。でも、もう帰ることはできない
ユートピアは・・なにも無い・・焦土だと
わかったから・・。」
そして悲しげにうつむくシュリに
そう、その場所は何もなく焦土だった。
草や木もなく・・楽園より遠のく世界だった。
その事実を知った彼らは落胆しているはずだ
「それは・・ボクのせいだよ。ボクがきみたちに
事実を話さなかったから」
ノエルがそう反論するが、ジゼルはふるふるっと首を横に振り
「ちがう。しょうかんし」
トコトコっとノエルのそばにジゼルがきて
ノエルの服を握る
「たとえ、かえれたとしても・・きっとおれさまたちは
帰らなかったはずだから・・。」
えっ・・っと俺は声が出る
もちろん、それに驚いたのはジンだ
「・・・なんで・・帰らないのか?」
ジンは聞くとそれに答えたのは・・
もちろん・・リンドだ
「・・・私たちは召喚獣です。たとえ帰れたとしても
”主”が存在するかぎりどんなことがあっても
それは変わりません・・。」
「忠誠心か・・。」
それはどこまでも主のための獣
リンドは頷くのだ。
「ええ。そうです。正直いえば、あの村を操られたとはいえ
村が私たちにやったことを許すことはできません・・でも
それでも、誤解だとわかったこと・・そして、どんなに
見放されたとしても・・私たちは・・主が一番ですから」
そう、彼らは主のために生きてきた
それは・・・本物なのだ。
主の絆は確かにあったのだ・・。
「・・本物やな。あんさんらは」
ラミアがふぅっと彼らをみて羨ましいそうに見る
リンドは、その言葉に嬉しそうに笑う
「ええ。わかったんです。確かに悲しかったけど・・
でも、そのおかげで本物の理想卿というのは
自分たちで造ることを・・それには
まだ時間がいります・・・でも、どれほど・・時間が
かかろうともきっとできると信じています。
またあの頃に戻れる時を・・。」
自分たちで造る・・その時まで
彼らの中での一つの答えなのかもしれない
「・・・そうなんだね。俺はその言葉好きだよ。
もう・・大丈夫そうだね。」
本当にそうだ。
自分ではできないことが多い
でも、どれくらいかかろうが
信じていれば・・きっと。
リンドはほがらかに
「ええ。それもこれも・・貴方が勇気を出して
村長に挑んだことです」
俺はといえば・・げんなりする
「・・気絶していたけどね」
そう、俺は気絶していたのだ
情けなくて・・恥ずかしい話だ。
でも、リンドは否定する
「あなたは気絶してでも
守りたいモノのために命をかけていました
それだけでも敬意に値します」
実は旬は知らないこと
それは、無意識で術を使っていたことだ
もちろん、当の旬はそのことを知らない。
それを知らない旬は本当に申し訳なさそうする
「・・ありがとう。俺はその言葉を聞けただけでも
満足しているかもね。あっと・・聞きたいことが
あったけどさ」
「なんですか?」
ゴソゴソっと本を出す
彼らに調べてほしかったんだ・・この本のことを
「この本・・読める?君たちは長く生きているなら
・・と思ったけど」
「貸してください。」
その本を出して手渡すとその本を見るなり
目を丸くする
「これは、古代文字・・!!あなたどこで」
「読めるんか?あんさん?」
ラミアは聞くと、少し困った顔をして
「ええ。少しならば・・これは、赤い月に関するお伽ばなしですね」
そのキーワードに俺は喰いついて
「赤い月・・!!ねぇねぇ。読んで!!早く」
俺が催促すると、困ったような顔をした
リンドがペラペラっと本を開けて
読んでいく・・そして、やがて神妙な顔になる
「・・。」
それは、誰もが静寂する瞬間だった
そして、リンドはあるページにとまり
「簡単にこの本の一部読めば・・・・
この世界に、昔、ニルという女神がいたそうです
創世の女神という存在でした。他にも
神々がいたようですか読めませんね・・でも、
様々な神々がいたようです。そんな中でもニルが特
にこの世界では大きな影響力があったまさに、
この世界の創造神の一人・・ってことでしょうね
そんな・・ニルは、不思議な力をたくさん持って・・!!」
リンドの手が震える
どうやら信じられないことが描かれているのか
あからさまに震えている
「ど、どうしたんや・・リンドはん」
「そんな・・。」
「・・リンド?」
「・・・ニルは、我々召喚獣たちをこの地に呼んだそうです。
まだ、世界が”ガイア”と呼ばれる。大昔のことのようです
それから、この世界には、”世界と世界をつなぐ”石が存在した
その石は・・残念ながら、なんの石かは難しくて読めませんね
続きいきます。そしてその石によるある神々によって
分離されこの世界のどこかに飛び散りそして今に至る・・と。」
「・・世界と世界をつなぐ・・石」
「分離され・・世界に飛び散る・・それが、旬が持つ
石・・なのか?」
「・・・。」
俺は思わずカバンに入っている石をカバンごと抱きしめる
もしかしたらこの石がそうかもしれないからだ
ラミアはそのこと聞いて面倒そうに
「なんや、石のことはわかったけど、それが何の意味になるんや?
第一、赤い月のことなんも描かれてないやんか」
ペラペラっと読める所を必死に探すリンド
その姿はどこまでも真面目だ
「いえ、まだ続きがります・・難しくて所々、不可解ですが
えっと・・ここからなら、その後、ニルは赤い涙を流した
そして、月にその涙が変異させた・・その後赤い月へとなる
・・意味、わかりませんね」
不明な部分にリンドは疑問ばかりだ
それはラミアも同じみたいで
「ほんまにな、なんで涙流したのかわからんやん。」
その言葉にジンは呆れる
「お前、本当にツツコミするな。」
「・・だって、意味不明やもんな~」
「他には?」
「これ以上は私でも読めません・・すみません」
「ううん。ありがとう。読んでくれて」
「いえ、お役にたてて嬉しいです。ですが、ニルですか」
少し考え込む
「・・残念。思い出せませんね。私、そんなに長生きしていたか
たまに忘れそうです。」
長生き発言に俺は少しだけ冷や汗が出る
「・・・。」
「いずれ、思い出すとしますか。」
その変わりように当然俺は呆れる
そして、リンドから本を返される
「・・はぁ。とにかくありがとう。」
「どういたしまして。貴方にはいつでも力になりますよ
主と私たちの礼は一生忘れません・・そして主」
「・・リンド。」
「あなたはもう我らのことで苦しぬ必要はないのです」
「・・・。」
「そうだぞ。しょうかんし」
シュリは頬に手を触れて
「そうですわね。恨んでいませんわ・・あなたは
その秘密のために必死に生きてきた・・それだけで
あなたの気持ち十分に分るから」
「・・・ありがとう。ボクは・・嬉しいよ」
うつむいたその時・・ノエルの瞳にポロっと真珠の
涙が出たような気がした
だけど、うつむいたせいか・・それは見えなかった
そして、次に見せたのは・・
どこか吹っ切れてた顔だった・・。
それは、どこか・・強い瞳・・。
「ボク・・これから旬たちと旅に出ようと思うんだ」
「そうですか・・貴方はそうした方がいいでしょう。」
「・・ありがとう。」
「ですが、私たちは恩があります。それに、貴方には・・
私の”主”ですから」
「でも・・契約はすでに・・。」
ノエルの言葉は濁らせる
すると、ノエルの傍にきていた
「ええやん」
ラミアはあっけらんとしかもきっぱりと言うと
「えっ・・。」
ノエルは思わず思考停止する
「そうだな。我もそう思う」
堂々する二人に俺もそう思うのか
「そうだよね・・契約は切れていないじゃない?理由があっただし」
「旬・・皆。」
ノエルは今度こそ涙が溢れそうだ
でも、必死に涙を流す必要性にもないのか
「いいでしょう、私たちはあなたの力になります。
あなたが召喚士として旬たちの力になるなら
私たちは力になりますよ」
すると、ノエルの杖にそれぞれの召喚獣たちの力が
杖に宿る
杖に光りによって眩しく光る
「・・・私をいつでも呼んでください。主
私たちはいっも貴方と共にいるのですから」
「そうよ。あたしたちが力を貸すだから
胸を張りなさい。」
リンドだけではない。
シュリやらトアリス・・様々な召喚獣がノエルに力を渡す
「ありがとう・・。」
「さぁ、行ってください。主。私たちは
貴方の呼びかけに力になります。
どこまでもです。」
リンド優しい言葉にノエルは・・。
「うん・・!!」
ノエルはもう大丈夫だとわかったのか
「さてと、うちらも村を出るか。旬。ワープ」
「ああ、分かった」
俺は杖を出して
呪文を呟く
「ワープ」
俺たち4人を光りに包まれようとすると
「まって!!」
突然、声がしてその獣は俺たちの陣の中に入り込む
そして・・姿を消したのだ
次に見えたのは、村の砂漠の前だった
「ふぅ・・ワープしたけど皆いる?」
俺はとりあいず全員、いるか確認する
「ああ、おるで。」
「大丈夫だ」
「ボクもいるよ」
「おれさまもいる」
「「「「「ん?」」」」
その声に俺たちは振り向く
「へへんだ。おれさまもいくぞ」
そこにはジゼルが人型にいた
「うわぁぁ、ジ、ジゼル」
「なんで、あんさんが」
「ふん、おれさまも行くにきまっている
だろ?旬!!」
あいからず俺様だね・・ジゼル・・。
だけども衝撃なことに気づいた
「ジゼル・・君、俺の名前・・。」
すると、ジゼルは顔を赤くして
「ふ、ふん・・ラミアやジン・・ノエル
こ、これから・・おれさまもいくからな」
「・・ふふん、面白くなりそうやな」
「そうなりそうだね・・。」
俺は一気に仲間が二人に増えた
これからどうなるのか楽しくなりそうだ
「で、結局次はどこに行くの?」
「それは・・」
ビシっと、指を示す
そこは、なにも無い・・当然だ
「さぁ、行くか」
「ちょ、ちょっと待ってよ。なにも見えないよ?!」
「まぁまぁ。旬。ボクも同じだから」
「おれさまもおなじ~」
そういって着いていく姿に俺はフゥっと溜息を吐いて
「じゃ、俺も行くかな・・まぁ、着いていけば
どこに行くかわかるかもしれないし・・。」
俺は、一歩また歩き出す
後ろを振り向けば・・。
「・・。」
確かにそこには・・村があったのだった
得られたものはなにもないとは言えない
本のことや石のこと気になることもあるけど
また一歩・・歩き出すのだ
「ちょ・・待ってよォォ」
俺はラミアたちを追って走りだすのだった
あいからず・・情けないけどね・・。
どうでしたか?まさか・・ジゼル君が・・。
てな、わけでこれからどうなるか
そうですね・・暇ができたら一話だけ・・小話予定です。




