浦島太郎
昔々、浦島太郎とゆう男がおったそうな。
浦島が朝早くに海岸に釣りに出掛けると、子供逹が一匹の亀をいじめていたそうな。
亀「誰か助けてー!海上保安庁に連絡してー!」
子供「オラオラ!亀が陸地に来たらこうなる運命なんだよ!亀だけにノコノコ現れやがって!」
浦島「やめないか!亀をいじめるな!亀だけは!」
子供「うわっ!亀を助けることを生業としている浦島の兄ちゃんだ!逃げろー!」
子供逹は去って行った。
亀「あの…ありがとうございます!本当になんてお礼を言ったらいいか…良かったら海中にある竜宮城へ招待したいのですが…」
浦島「いや、僕人間だからさ。竜宮城に着く前に溺れ死んじゃうよ。溺死ってやつ。だから今回はパス」
亀「大丈夫です。そうおっしゃると思って既に小型潜水艦を用意してあります。ささっ、この桃の形をした潜水艦にお入り下さい!」
浦島「いや〜、なんか何から何まで悪いね。んじゃお言葉に甘えて」
浦島は桃の中に入る。
すると不思議なことに浦島の体が、あれよあれよという間に若返ってゆくではないか。
浦島「な…なんだこれ!?おい亀!ここから出せ!」
亀「クククッ、そいつは聞けねぇ相談だな。なぁ糞餓鬼?オメェさんにはもう買い手が付いちまってんでな」
浦島「買い手だと?一体なんの話だ!?」
亀「クライアントの素性は教えられねぇな。つーかテメェさっきからタメ口きいてんじゃねぇよ。俺は今年でちょうど六千歳だぞ?ん?おっと…そろそろ時間だな」
浦島は桃の中で赤ん坊の姿にまで若返ってしまった。
亀「あとはクライアントの婆さんに届けるだけか。明日の朝に川の上流からこいつを流せばいいんだよな。ったく、しかしあの婆さんも物好きだぜ。既に犬と猿と雉も軍用に改良済みときた。まぁ、何をしようと俺の知ったことじゃねぇがな」
亀は大きな桃を背に、川の流れに逆らって上流へと向かって行った。
甲羅に刻まれた文字…
『人材派遣サービス竜宮㈱』
めでたしめでたし