あれ?
結婚前の女性がまさか男を寝室に連れ込んで…あぁ…あたしの人生終わったな。
しかも相手が麗稀様とか洒落になんないし…これから普通に道歩くだけでも命の危険にさらされるじゃないか…
あぁ…死んだ。もう完璧死んだ。
…まぁ、こんな事考えてる事自体目の前の状況から逃げてるだけなんだけどさ…
うぅ怖くて父様の顔が見れない…でもいつまでもこうしてる訳にもいかないし…
「あの…ね、父様…」
「麗稀様、こんなに朝早くにどうされました?」
え?いや…父様、その前にもっと突っ込むところが満載だと思うんですけど…
例えば
「麗稀様がこんな朝早くに居るんだ?」とか
「なぜ麗稀様があたしのベットに居るのだ?」とか
「麗稀様と何かあったのか?」とかさっ!!
くぅー!!全部麗稀様のせいじゃないかっ!!!
こんなに有罪書類が溢れてる中で、すべてスルーで麗稀様に質問ってどういう事!?
「と、父様?」
「閔鈴。麗稀様をそのままお帰しするわけにもいかないね。朝餉の準備を頼むよ?」
「え、あ…はぃ」
いつもと変わらない父様の顔に、何だか一気に気が抜けた。
なんだ取り越し苦労?…そんなに心配する事じゃなかったのかも…
そりゃそうよね。もともと麗稀様しょっちゅううちに遊びに来てたし、昔は一緒に寝たりとか普通だったし、その延長って考えれば問題外って事?
…それはそれでちょっと微かに残る乙女心が傷つくんですけど…
でも、乙女心と命だったら迷わず命を取ります
…この場が助かるなら……乙女心は封印しよう!
「じゃあ…準備してきます」
「あぁよろしく頼むよ」
この後部屋に残った麗稀様と父様の会話なんて想像もせずに、あたしはそそくさと部屋を後にしたのだった
短いので、二話連続更新です。
次は麗稀と父様の会話で一人称では無いです
読みにくくてすみません