やっかいな人
さっさと麗稀様の部屋を辞したのはいいけど…はぁ…もぅ夕方じゃん…。
仕事あとちょっとしか出来ないし…、愛しの書類ちゃんとの時間が…うぅ…
「くぅ…この書類が憎い…」
この書類さえなければ…今頃パラダイスだったのにぃぃぃ…
やっぱり恨みますよぅ。儀晶様…
「只今戻りました〜!」
っていっても外務部、いっつも外出組で殆ど人いないし…うちの課ぐらいだよねーいっつも全員集合って…暇なのかうち?
まぁ…他の人は外部担当でうちは内部担当なのもあるんだけどさ…
うわぁ…儀晶様の目が輝いてる…触らぬ神に祟りなし…スルーして自分の席に…
「閔鈴…どうだった??」
何…そのワクワク感…ドン引きですけど…
「書類届けるだけにしては遅かったからさぁー」
「はぁ?」
遅い?…今この人遅いって言いました?
あんなに頑張ったあたしにこの人『遅いっ!』って言いました!?
「かっちーんっ!!!儀晶様!!!このドS!!」
「何とでも言っちゃっていいよ。で?どうだったの?」
泣いてやる!!絶対泣いて!パワハラ訴えてやるっ!!!
「まず、麗稀様のとこにお客様がいらしたんで、斎棊様に書類届けようと思ったら出張中でして、麗稀様のところに戻ったら一悶着ありまして、書類はこちらになります。で?何か?」
思わず太々しい態度になっても仕方ないよねー
うわ…もぅ目が爛々しちゃってるよ?この人…っていうかもしかして…
「さっすが閔鈴!もぅ書類帰ってきたんだっ!!」
「はぃ?」
「別にこれ提出今日じゃなくても良かったんだよねー」
今、何て言いました?この人…さらっと人を叩き落とす様な事言いませんでした?
「だから、『届けてね』って言っただけだし」
「普通は直接届けたら持って帰って来いって思うでしょうがぁ!!」
「そうそう!閔鈴に行かせたら帰ってくる確率が上がるからさー」
事実が衝撃すぎる…しかもそんな事の為に極技使った自分が可哀想すぎるっ!!
「早かったから僕が助かる」
【僕が】ってどう言う事?【僕が】って!!!
っていうか…もぅ本気で疲れた…今日は定時で帰ってやる…
「………暗黒魔王め」
「何か言った?」
聞こえてるに決まってる。
顔が笑顔過ぎるし…
って何であたしの周りの人ってこぅ厄介なのが多すぎるの!?ちなみに多いの?ではまだ足りないので多すぎるの!?ぐらいが丁度いい
「儀晶様…もしかして…斎棊様が出張中なの知ってました?」
「えぇー?そりゃもちろん。付いて行ってるの軍の奴らじゃなくて、外務部だし」
笑顔で何て事を言うんでしょうか?この人は…
「儀晶様…一度本気で死んで下さい!」
「えぇーまだまだやりたい事あるから無理ぃー」
暗殺者でも雇って本気で送り込みたい!!
…ちっ…しまった。確実に刺客の方がやられるわ…それも命狙われたなんて楽しい事になったら…儀晶様は笑顔のまま、その刺客は……ブルブル…想像するだけで恐ろしい。
しかもそんな刺客を放った事がバレたら、自分の身も危な過ぎるし…却下
「なぁぁに、一人七面相してんのさ?」
「ほっといて下さい!悲しい上司持つ自分を哀れんでるだけですから…」
「だってぇ!孝謙言われてるよぉ?」
「えぇ!?お、お、お、俺っすか!?」
…ごめん孝謙。
100%のとばっちりです!
「…仕事戻ります」
麗稀様との事の後で儀晶様はしんど過ぎる…ここはやっぱりスルーで行こうっ!!
「あっ!閔鈴」
「何ですか?」
「机の書類。そっちは提出今日だから!よろしくぅ」
「えぇぇ!?」
提出今日って…もう就業時間あと一刻もないですけど?
まだ書類、開けただけですけど?それを今日提出?
「無理です」
「大丈夫!閔鈴なら日が変わるまでには出来るよ!よっ文字フェチ!」
「こぉんんのぉぉぉぉあんこくきちくぅぅぅぅぅ!!!」
本日午前様決定…ちーん
暗黒魔王、儀晶様降臨です(笑)