コアラな彼女
人物紹介
月城胡亜あだ名コアラ(26)
月城陸りーくん(23)
結婚3年目。
二人が住む2LDKのアパートの玄関。
ガチャっと扉が開き、妻の胡亜が入って来た。
すると・・・。
「ただい・・・り、りりりーくん!?
どどどうしたの、裸えぷえぷろん!!!」
明らかに鼻息洗い妻に対し、夫の陸は自然に返す。
「おかえりコアラちゃん。」
妻の名前が胡亜、そしてよく寝ることから陸に付けられたあだ名はコアラだ。
「ご飯にする?お風呂にする?それとも・・・俺?」
「りーくん!!!」
胡亜が陸に思いっきり抱き付き・・・。
朝9時。ベッドの中。
「へへ、へへ・・・。」
ベッドサイドに両腕で頬杖を付き、胡亜の寝顔を見ているのは他ならぬ陸だ。
「むにゃ・・・んー?」
胡亜が目をこしこし、ベッドから起き上がる。
「おはようコアラちゃん。」
「りーくん・・・あれ、裸エプロンは?」
「裸エプロン?」
「あ、味噌汁のいい香り・・・。」
「ご飯できてるよ。」
まだ寝ぼけている胡亜を見てフッと笑う陸。
胡亜が布団で口元を隠し、お礼を言う。
「ありがと・・・。」
基本的に朝ごはんは朝に強い陸、昼は外食、夜は夜型の胡亜が食事を作っている。
今日は二人とも仕事は休みだ。
お互いに違う職場だが、週休3日制なので二人の時間は結構取れる。
とは言え、寝室は別、勤務時間に3時間ズレがあり、更に胡亜は睡眠時間が長いので四六時中一緒というわけではない。
なので、お互い気兼ね無く暮らせている。
子どもは持たず、将来は二人でお金を貯めてオーストラリアに移住したいと考えていた。
9:15。キッチン。
「ところで。」
味噌汁を一口飲んだ後、陸が口を開く。
今日の朝ごはんは、ご飯、豆腐とわかめの味噌汁、焼き魚、漬け物だ。
「んー?」
「裸エプロンってなに?」
「ぶほっ・・・やだ、聞いてたのりーくん。」
胡亜が飲んでいた水をコップの中に吹き出す。
「うん、バッチリ。」
「それはその・・・夢の中でね、りーくんが裸エプロンでお出迎えしてくれたの。」
「へ、へぇ・・・それで?」
「ご飯にする?お風呂にする?それとも俺?って!もうその姿が可愛いくってさー!」
「ふ、ふーん・・・。」
「ごめん、私キモかったね。」
ショボンとなっている胡亜に本音を伝える。
「いや、それなりに面白いからいいよ・・・。もぐもぐ」
「え、そうなの?私なんか面白いこと言ったっけ?」
「うん、もぐもぐ。」
後日。
夜、仕事から帰ってきた胡亜は玄関で素っ頓狂な声を上げた。
「ただいまー・・・え、ちょ、りーくん!?」
もじもじしながら裸エプロン姿の陸。
恥ずかしさのあまり顔が真っ赤になっている。
仕事が終わり、夕方、エプロンを買いに行ってきたらしい。
それも全て、胡亜に喜んでもらう為だ。
あだ名を付けた本当の理由は、陸の一番好きな動物がコアラだからだった。
胡亜はそのことを聞いてこの人なら自分を大事にしてくれそうと思って結婚した。
「お、おかえりなさい。」
「なんで!?昨日私の話ふーんって感じで全然興味なさそうだったのに!?」
「だって、コアラちゃんがあまりに嬉しそうに鼻息荒くしてたから・・・あ、でも、さすがにパンツだけは履いてるけど。すぐに着替え・・・。」
直後、胡亜にガシッと肩を掴まれる。
「今すぐりーくん吸いさせて。」
「鼻息荒いよ。」
「いえいえ、通常スタイルです。」
「お手柔らかに。」
「ラジャー。」
その夜はなにやら盛り上がったそうな。




