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ファナティック・フレンド  作者: 七賀ごふん
First and last

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93/130

#8



「創じゃなくて、お前の本当の気持ちを知りたい。だからまた会わなきゃいけなかったんだ。俺はまだ、お前のことを全然知らない!」


張り叫んだ喉と、握りすぎた拳が痛い。それでも、准は想いを打ち明けた。

「疑いたくない気持ちがあったよ。創のことも……それで痛い目に合った。でもさ……」

視界がぼやけ、霞む。自分が今どんな顔をしているのかもわからない。


涼は静かに聴いていた。こんな時ですら、ちょっと笑ってるんだから腹が立つ。

でも。いつも笑顔なのに、いつも寂しそうに見えるんだ。……彼は。

「やっぱり、お前を信じたい。何で、って聴き出したい部分も勿論あるけど。それ以上に、こんな形で別れるのは嫌なんだよ……!」

一緒にいた時間は短くても、それはかけがえのない、宝物のような日々だった。


「全部仕組まれて、作られたものだって分かっていても楽しかった。……お前といた毎日は、ひとりだった時とは全然違うんだ」


────手が触れている。


「何で」


涼は顔を隠すように、横へ向いた。


目眩がする。彼に押し倒されて、頭を打ち付けたせいだろうか?

目元を強く擦る。頭痛や吐き気も一緒にやってきたが、それは多分さっきのジェットコースターのせいで。

「何でそんな……」

胸が熱くて仕方ないのは、……目の前にいるこの青年のせいだ。


「そんなこと言ってくれるんですか? やっぱり、准さんもちょっとおかしいでしょ……っ」

「悪かったな。さすがにもう自覚あるよ」


風が吹いている。ゴンドラを揺らして、すきま風が冷たかった。あぁ……。


涼は瞼を伏せた。


……狂ってる。


誰も彼も、どうしてそんな熱狂的に。


誰かに執着するんだろう。


「准さん」


俺にはちょっと、分からないけど。

「俺……ほんとはずっと、貴方に会いたかった」

「そっか。……俺もだ」

かじかんだ掌を握られる。痛みと緊張が同時にとけていく温かさだった。


……俺“も”?

准の言葉に違和感を覚えながら、涼は必死に感情を殺した。

出来ることなら逃げ出したい。

でも無理だ。なんせ今自分がいるのは地上百メートル。

眩しすぎるライトがつらい。

あの日と同じ……本当に、目眩がしそうな夜だった。




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