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ファナティック・フレンド  作者: 七賀ごふん
First and last

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87/130

#2



准は封筒を押し返した。涼の横を通り抜け、外の通路へ向かう。

「そ、そんな……准さん、待ってください!」

涼は慌てて追いかけようとしたが、彼はそれを分かっていたかのように振り返って車のキーをちらつかせた。


「いらないから。代わりに、俺の言うことを聴いてよ」

「は……な、何ですか?」


准の言葉に涼は安堵の表情を浮かべる。しかしその眼には不安と警戒の色も混ざっていた。

それでも構わない。

どっちにしろ今日は逃がすつもりはなかった。


自分ももう、逃げるつもりはない。

深く息を吸い、彼の瞳を真っ直ぐ見据えた。


「涼。今から俺とデートしてくれ」

「……はいっ!?」


案の定、涼は露骨な驚きっぷりだった。


「な、何故そういう流れに? ま、まさかデートとは名ばかりの地獄巡りを計画されてるとか……?」


相変わらずのペースでぶつぶつ言っているが、そこは無視して准は彼の手を引いた。

「ちょっと、准さん!?」

「どうせお前も今日は暇だろ? それとももう俺と一緒にいるのは嫌か?」

「……っ」

手を引きながら、涼の顔を一瞥する。彼はまだ頬を紅潮させていて、混乱している様だった。

「そんな訳ないじゃないですか。准さんは変なところで……人が悪いです」

「まあな。でもお互いさまだろ」

笑って言うと、涼も下がり眉のまま笑って見せた。


「ですね。……わかりました、今日はどこでもお付き合いします」

「言ったな? じゃあ思い切って遊びに行くぞ」


涼の了承を得たところで、准は揚々と手を引っ張った。今は不思議と、足取りも軽い。

今日はある意味記念日だ。初めて仕事をサボって、初めて誰かをデートに誘ったのだから。

准の車に涼も同乗し、ナビを操作する。


「さぁ、どこに行きたい? 誘っといて悪いけど、ノープランなんだわ」

「俺は……准さんの好きな所で」

「んん~……映画もいいし海もいいし、美術館やミュージカルなんかもいいな。いや、ここは王道で遊園地とか?」

「あはは……そうですね。俺、遊園地なんて何年も行ってません。もし准さんさえ良ければ、行きたいかな」

「じゃあそうするか」


どこの遊園地に行きたいのか訊くと、涼はどこでもいいと答えた。なのでここは雰囲気を大切に、時間もあるから海沿いの遊園地をナビに入力し、車を走らせた。




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