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ファナティック・フレンド  作者: 七賀ごふん
ひび割れ

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65/130

#2



「おはよう、霧山。昨日はありがとな」

「ううん、こちらこそ。二日酔いしてない?」

「大丈夫だよ」


出勤してすぐ、霧山と会ったため二人でエレベーターに乗った。

「……」

すぐに話が途切れてしまったのは、あの考えが頭に浮かんでしまったからだ。彼女は露知らず、いつもの微笑を浮かべているけど。

加東さんが昨日言ってた話。霧山も創も、互いに浮気をしてるという噂。……やはりどうしても気になってしまう。確認するなら、このタイミングだろう。

「なぁ、霧山」

「なぁに?」

声を掛けると、彼女は笑顔で振り返ってくれた。いつもそうだ。だから尚さら聞き辛い。

けど、意を決して聞いてみた。


「創のこと、好きか?」

「……うん!?」


彼女は笑顔を保ってるが、さっきとは確実に違う空気を醸し出している。当然だ。

「朝から何……っていうか、今さら……何?」

「あ、あぁ。ほんとだよな。悪い……本当にすまん」

自分で訊いておきながら言葉に詰まる。迷いに迷って、そして困り果てて壁に寄りかかった。

そんな准を、彼女は鋭い目付きで見据え、距離を詰めた。


「……あぁ。わかっちゃった、准君。婚約に納得してるかどうか、って話でしょう?」

「なっ!」


伝えたい意図としてはその通りだったが、あまりにストレートな物言いでこっちの方か閉口してしまった。

「アタリみたいね。えぇ、私、創くんのこと好きよ。……友達としてね」

「友……達?」

「ごめんなさい、ずっと……ううん、本当は昨日、その件について話そうと思ってたの。でも加東さんが准君に話があったみたいだから」

目的のフロアに到着し、准と霧山はエレベーターから降りた。しかし動こうとはせず、互いに正面から向き合う。

「私、創くんのこと恋愛対象として見れないんだよ。創くんもそのことは知ってる。それに」

霧山は、長い髪を鬱陶しそうに後ろへ流した。


「創くんも、私を恋愛対象として見てないの。それを承知で……お互い合意の上で、婚約したんだよ」

「なんっ、で……」


彼女の言葉が理解できない。衝撃的過ぎて、気が遠くなりそうだった。ただ一つ確信できたのは、やはり彼らの婚約は心の底から納得して選んだ道ではないということ。

なら、考えられる理由はひとつしかない。


「それなのに婚約するのは……やっぱり、家のためか?」




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