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ファナティック・フレンド  作者: 七賀ごふん
永遠、代わりの君

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61/130

#7



「何だよ。そこまで言ったら言えって」

「……もし二人で行ったら、尚さら悲しくなるなって思ったんです。准さんとお別れするの」

「は!?」

かなり大きな声が出て、自分でもビックリする。

でも、聞き間違いじゃなければ、今……確かに……。

「別れ? どうして?」

「普通にそうなるでしょう。そうならなきゃ准さんが困っちゃいますよ? あ、これまでの生活費は准さんの部屋の引き出しに隠してあります。不足してたらすぐに言ってください」

……いやいや。

もちろん、出て行ってもらわないと困る。けど、そんな突然言われても。


どうしたらいいんだ。俺はまだ、自分の気持ちも分かってないのに。

それすらも言葉にできない。


「准さんと色んな所に行きたい。けど、思い出はあんまり作りたくない。勝手ですいません。俺も今日、初めて気付いたんです。准さんが加東さんを連れて来たときに、何か……イライラしちゃって」

「え?」

待て待て。それって、つまり。


「涼。お前……妬いてんの?」


いや、まさか。

自分で訊いといて笑ってしまった。

だって、涼のする話題なんていつも適当でデリカシーなくて、変な敬語で俺への悪口(主に下ネタ)が含まれてて。

誰かに固執するような言動はなかったはずだ。

それなのに。


「俺もよく分かりません。ただ、准さんが加東さんと仲良くなってるところを見て、嬉しい反面、気持ち悪くなった。これは……妬いてるって言うんですかね」


気持ち悪くなった……?

気分が悪くなったって言いたかったんだな、きっと。


自分の中で納得したけど、未だに信じられない。こいつは、こんな事を言う奴だったか。

自分の素性を、弱みを見せることを嫌ってるように見えた。でも、それも彼の本当の姿だという保証はない。

俺はこいつを知らなすぎるんだ。

もしも加東さんに妬いてるなら。

それはつまり、涼は俺のことがスキ……ってことになる。

「えっと……」

気持ちを落ち着かせようとビールを一口飲んだら、尋常じゃなく噎せこんでしまった。

「わっ、准さん大丈夫ですか!」

「だ、大丈夫。ありがと」

涼からハンカチを受け取って深呼吸する。

こんな情けない二十七歳いないよな……。

涼の気持ち、自分の気持ちすら分かってなかったことに悲しくなる。




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