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ファナティック・フレンド  作者: 七賀ごふん
永遠、代わりの君

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56/130

#2



部屋の温度がまた上昇した気がする。准が振り返ると、加東は申し訳なさそうに両手を合わせた。


「悪いね。あの子に気を遣わせちゃったみたいで」


彼は彼で、涼のことを気にしていたようだ。やはり表情や挙動をよく見ている。

「大丈夫ですよ。あいつにしては珍しく空気読んだというか」

むしろ読み過ぎで怖いと思い、腕をさすった。

すると様子が一変、加東がやたらニヤニヤしてることに気付き身構えた。


「准君は涼君と仲良いんだね」

「いやそんな……結構な頻度でど突き合ってますよ」

「へぇー、意外。准君でも怒るんだ!」

「もちろんです。あいつに対しては毎日と言っていいほど怒ってますよ」


社会人になってからむしろ気が短くなった気がする。普通は歳を重ねる毎に落ち着くはずなのに、どうしても貫きたい一本の芯が形成されていく。絶対に踏み込まれたくない範囲が広がりを見せる。


このままじゃ典型的な頑固親父になりそうで恐ろしい。

けど、俺の外面しか知らない彼には想像できないようだ。


「あはは、そっかぁ。……ねぇ、前に二人で食事した時、准くん知り合いの話をしてくれたじゃん? あれってもしかして彼のこと?」

「えっ。あぁ、やだな。何で分かったんです?」

「うーん。君の態度かな。あんなにコロコロ表情変える君を見たの、初めてだから」


答えは漠然。だけど、何故だか納得してしまう。

「俺変な顔してました?」

「ううん、そうじゃなくて、楽しそうに見えたよ。……まぁさっきは正直ドキドキしたけどね。涼君も否定してたけど、ほんとは喧嘩してたんでしょ?」

加東はさらっと、しかし的確に痛い部分を突いてきた。やはり彼の観察眼は侮れない。

「喧嘩……なのかどうか。まぁヤな気分にはなりましたけど」

額に手を当てて、数分前を思い返す。

「驚いたのもあります。ふざけて悪口言うことはよくあるけど、あんな真面目に言い返されたのは初めてだったから」

心のどこかで安心してたのかもしれない。涼が俺に反抗してくるわけない、と。

なんて嫌な思い込みだろう。あいつはあいつで、誰かの所有物じゃないのに。


「喧嘩じゃない、って思いたいけど……あいつを怒らせたかもしれません」


准の話を最後まで聴き、加東は天井を見上げた。そして脚を組む。その一連の動作はスローモーションのようだった。准は視線が泳がないように注意しながら、彼の返答を待った。


「大丈夫だよ。涼君が戻って来たら訊いてあげな。友達なら難しいことじゃないよ」




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