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ファナティック・フレンド  作者: 七賀ごふん
本音と寝室

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38/58

#3



深夜の道は飛ばす車が多い。帰りはいつもより注意してミラーを見ていた。

マンションの駐車場に車を停めてひと息つく。電子時計を見ると、もう日付が変わりそうだった。


疲れた……。

月末の忙しさはため息をつきたくなる。残業は常に確定だ。

准は重たい足どりで、ようやく帰宅した。

「ただいまー」

涼が来てから、そう言うのも慣れてしまった。ひとりで暮らしてた時なら考えられないと思う。

疲れたけど一杯やりたいし、こんな時ほど涼の手料理が食べたい。軽いものがいいな。めん類と、何かツマミになるものが欲しい。

もう作ってもらう前提で食べたいものを色々考えていたけど、そういえば返事がない。変だな。いつも必ず玄関まで迎えにくるのに。

不思議に思ってリビングへ向かうと、やはり彼は居た。ただ、ソファの肘掛けに伏せるようにして眠っている。彼がこんな無防備に寝ているのは珍しい。

どっちにしても布団で寝た方がいいから、声を掛けようか迷ってると……あることに気付いて呆然とした。


「涼?」


泣いてる。

一応、ちょっと顔を近付けて確認する。

確かに寝てるけど、彼は涙を流していた。

夢を見ているみたいだ。悲しい……というよりは、怯えてるのか……。

涼が怖がってる。

そう思ったら考えるより先に手を伸ばして……彼の涙をすくいとった。


「……准さん?」

「ヒェッ!」


涼は目を覚ました。いや、当然か。自分が起こしたようなものだ。

「わ、悪い。つい」

「え? ……つい?」

涼は寝ぼけ眼でキョトンとしていたが、すぐさま身体を起こして顔を青ざめる。

「つい、俺に手を出しそうになったってことですか!? 准さんが仕事でお疲れなのは重々承知してますけど、それはちょっと……!」

「ちげーよ! お前が泣いてたから!」

耐え難い誤解をされ、反射的に言い返した。


「……泣いてる?」


涼は自分の目元に触れて、それに気付くと同時に驚いていた。

「怖い夢でも見てたのか?」

「……いえ……」

困ったように黙り込む彼が、また焦れったくて。とりあえず膝立ちしてるのもしんどいから、どっかり床に座ることにした。

「どんだけ歳とったって怖い夢は見るんだから、別に恥ずかしいことじゃないよ。何の夢見てたんだ?」

諭すように訊ねても、涼はやはり黙ってた。

本当に嫌な夢なら、口に出すのも嫌なのはよく分かるけど、どうしたんだろう。




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