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ファナティック・フレンド  作者: 七賀ごふん
本音と寝室

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37/58

#2



何だかんだで、“彼”と出会ったのは二週間前。


……寒い。

吐く息は白く染まり、それが追い討ちをかけるように身を凍えさせる。どんなに服を着込んでも、人の集まる店へ行っても、帰る場所のない夜は本当に寒い。眠くて怠くて、朦朧としていた。

いっそこのまま、野垂れ死んだなら。……どうなる?


多分、楽になる。俺が死んでも誰も困らないし、きっと誰も気付かない。俺の存在を認識してるのはせいぜい職場の同僚や上司ぐらいだ。そう考えると虚しくて、何だか笑ってしまう。

何の為に今まで生きてきたんだろう。

どれだけ考えてもさっぱり分からない、その程度の人生だ。


あぁ、でも……大人になりたかった。

夢にも目標にもならないけど、ずっと願っていたんだ。

早く二十歳になりたい。

二十歳は、「自由」らしいから。

「自由」な大人になれたなら……もういいか。

死んでもいいか。


『おーい、こんなとこで寝たら凍死するよ?』


……。

肩を揺すぶられて、閉じていた瞼を開ける。そこには、ひとりの男の人がいた。

『酔っ払いかー……』

黒いコートを羽織った彼は、困ったように俺の目の前に屈んだ。

この人は……そうだ、俺はこの人に会いに来たんだ。やばいやばい、忘れてた。


この人は木間塚。木間塚、

『……准さん?』


声に出して、名前を呼んだ。ずっと、呼んでみたかった名前だ。

本当に……本当に会えた。

十五年前と同じ真冬の夜というのが皮肉だ。

でも貴方はきっと俺のことなんて忘れてる。だからそれは別に気にしなくていいか。

今日の空は、星が出てないけど。


『准さん……』


なんだ。


元気そうで、良かった。




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