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ファナティック・フレンド  作者: 七賀ごふん
跳ね返る雨

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31/47

#3



今からおよそ三十分前。ひとりの青年がマンションのベランダから外を眺めていた。


スマホが鳴った。あの人からのメッセージ受信。開くと[今何してる?]という端的な一文だった。

画面のキーボードを打つ。[これからちょっと飲みに行ってきます]、と送信した。

即座に表示される返信。[誰と?]

……誰と?


[貴方の]


…………。


打ちかけて、また消した。

そしてもう一度初めから打ち直す。


[ちょっと変わってる 友達です]





時間は現在に戻る。


「あれ。雨また降ってきたな……」


自宅に安着し、准は窓の外を覗いた。せっかくやんだ雨はさっきより強く降り出してる。

でも帰ってからで助かった。この本降りで外にいたら風邪をひいてしまう。少しぬれた髪をタオルで拭き、新しいタオルを同居人に投げ渡す。

「ほら、風邪ひかないようにお前もちゃんと拭けよ」

「ありがたき幸せ。……ほんとだ、すごい降ってますね」

涼はしみじみと外を眺める……けど、窓ガラスには死んだ顔のサラリーマンと女装野郎が映っている。あまり凝視したいとは思わない。


「それにしても准さん。何度見ても、俺ってむちゃくちゃ美人じゃないですか?」

「……」


しかも困ったことに、彼は未だ妄想の世界から抜け出せずにいる。

「涼、お前は男だ。深呼吸して、……はい、お前の性別は?」

「男ですか……?」

「何で疑問形なんだよっ!」

必死に説得した甲斐あって、涼はようやく化粧を落とし、いつもの部屋着に戻った。

服やウィッグを買ってるということは、銀行でお金をおろせたんだろうか。それなら助かる。仮に彼が家を出て行っても、宿無しで困ることはないだろう。

安心したら気が抜け、ソファの背に深く凭れた。心を鎮め、加東と最後に交わした会話を涼に伝える。


「えっ! ホテルに誘われたんですか!?」

「あぁ。すぐ冗談だって分かったけど」


軽く返すと、何故か涼は頭が痛そうに前へ屈んだ。

「うわぁ……笑えない。笑えませんよ、それは。むしろ冗談で言ってたら腹立ちません!? やっぱりあの人、こっちですよ! 准さんのカラダを狙ってる!」

「こらこら、何でもそっちに結び付けんなって。休もうと思ったんだよ。あの人は多分ノーマルだ。俺とは違う」

「准さん、鈍感も程々にお願いします。どこの世界に酒飲んで酔った男とホテル行こうなんて思う奴がいるんですか!? つーか大して親しくもない人間と!」

「さぁ……もういいよ。とりあえず大声出さないでくれ。頭に響く」

あと涼の言うことは精神的ダメージがでかい。もちろん図星だからなんだろうけど……、やたら加東さんに対して当たりがきつい様に感じ、思わず尋ねた。

「涼。お前もしかして加東さんのこと嫌い?」

「えぇ! ……え!? ……いいえ!」

「え?」

どっちだ……?




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