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ファナティック・フレンド  作者: 七賀ごふん
跳ね返る雨

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30/36

#2



二人でくっついたら歩きにくいはずなのに、足取りはさっきより軽い。

本当に滑稽だ。一人じゃないだけでこのザマ。

「んー……じゃあ准さん、いっそ俺達で付き合っちゃいますっ?」

「ははっ、冗談だろ?」

「冗談です! それは有り得ませんね。すみません」

涼は自分で言っておきながら苦笑いした。


「いやー、モテる男は辛いですね、准さん」

「ん? お前?」

「貴方のことですよ。まぁ何度も言ってますが頑張りましょう」


またまた、彼はファイトいっぱつと言って腕を上げた。それはさておき、彼の台詞が引っかかる。

「俺は二十七年生きてモテたことなんて一度もないよ。モテ期がなかったことだけが個性なんだ」

「隠れモテ期なんですよ~。今まで准さんに惚れた人は皆シャイだったに違いありません。それにほら、准さん鈍感でしょ。好意を持たれても気付かなかったんですよ」

ほら、って言われても自覚がない。尚さら困って口を閉ざした。

「うん、そう。そのせいで色々苦労されてるんですよ。貴方は……真っ白だから」

「何のことか分からんけど。……お、雨やんだな」

通り雨だったんだろうか。いつの間にか雨音が聴こえなくなって、傘を下ろす人が忽ち増えてきた。

「あれ、残念。もう少し恋人ぶってたかったんですけど」

「ったく。女装そんなに気に入ったのか?」

「いやいや! 女装じゃなくて准さんの恋人のフリが気に入ったんです。俺わるい奴ですから」

涼はどこから取り出したのかサングラスを掛け、ニヤッと笑った。


「このポジションを陣取れたら最高だなぁ、って思っただけです」


彼の腰周りで、何かが光った。蛍光色……電子系の何かだと思う。それに音楽も聞こえた気がした。

スマホ……?

いや、まだ彼からは何も聴いてない。失くしたスマホが見つかったとも、新しく購入したとも。

不思議に思ったけど、静かに笑う彼に視線を奪われ気が逸れてしまった。

これが常になってる。だから違和感はなくなってきてるんだ。


涼は、いつも笑っている。


「ふふっ。じゃ、帰りましょ? ……准さん」





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